Xiaomi 14T Proは、2024年秋に登場したハイエンド寄りのスマートフォンです。Leicaとの共同開発カメラを搭載しながら、フラッグシップモデルより手の届きやすい価格帯に収まっている点が特徴。この記事では実際の使い勝手やカメラの実写傾向、他機種との違いをわかりやすく解説します。
Xiaomi 14T Proの基本スペックと使用感
まずは全体像から。Xiaomi 14T Proは6.67インチのAMOLEDディスプレイを採用し、144Hzの高リフレッシュレートでスクロールも滑らか。画面の発色は非常に鮮やかで、屋外でも視認性が高い印象です。HDR10+やDCI-P3にも対応し、映像視聴や写真確認にも向いています。
心臓部にはMediaTek Dimensity 9300+を搭載。ベンチマークではSnapdragon 8 Gen 2クラスの性能を見せ、ゲームや動画編集も余裕。メモリは最大12GB、ストレージはUFS 4.0対応で高速。操作全般にストレスを感じることはまずありません。
さらにバッテリーは5000mAhで、120Wの急速充電に対応。実測では20分程度で満充電できることもあり、朝の支度中に充電が完了するスピード感です。防水防塵はIP68、顔・指紋認証も快適に動作します。イヤホンジャックは非搭載ですが、Bluetoothの接続は安定しており、Dolby Atmos対応スピーカーの音質も十分です。
Leica共同開発カメラの実力を検証
14T Pro最大の魅力は、Leicaと共同開発したトリプルカメラ。
メインは5000万画素・F1.6のSummiluxレンズを採用し、1/1.31型という大型センサーを搭載。光を多く取り込めるため、暗所でもノイズが少なく、ナチュラルで深みのある描写を実現しています。
望遠カメラは50MPで光学2.6倍ズーム。ポートレート撮影では被写体を立体的に引き立ててくれます。広角カメラも12MPと高水準で、風景や建築物をダイナミックに切り取れます。
インカメラは32MPで、セルフィーでも自然な色味が出やすいと感じました。
Leicaらしい色調を楽しめる「Leica Authentic」と「Leica Vibrant」の2モードも健在。Authenticは落ち着いたクラシカルなトーン、VibrantはSNS映えする鮮やかな発色。撮影後の調整をほぼ必要としない完成度です。
実写で感じたLeicaルックの魅力
実際に撮影してみると、14T ProのLeicaカメラは他のスマホとは明確に違う印象を受けます。Authenticルックでは、シャドウにしっかり粘りがあり、明暗の階調が豊か。空の青や木々の緑が落ち着いて見えるため、風景写真が映画のワンシーンのように仕上がります。
一方でVibrantルックは、太陽光の下での色彩が力強く、花や食べ物の撮影に最適。スマホらしい派手さではなく、彩度とコントラストのバランスがLeicaらしく上品です。
暗所撮影も強く、街灯の下でもノイズが少なくディテールが保たれている点に驚きました。
動画も8K30fps、4K60fps撮影に対応しており、手ブレ補正が優秀。日常の記録やVlog用途でも十分使えるクオリティです。
他機種との比較:Xiaomi 14T・Xiaomi 13T Proとの違い
同シリーズのXiaomi 14Tや、前世代のXiaomi 13T Proとの違いも見ていきましょう。
まず14Tとの比較。どちらもLeicaカメラを搭載していますが、14T Proはセンサーサイズが一回り大きく、開放F値もF1.6と明るい。そのため夜景や室内撮影での階調表現がより自然です。
望遠カメラも2.6倍と倍率が上がり、背景ボケが美しいポートレートが撮れます。処理性能もDimensity 9300+によって画像処理が高速化し、撮影後のプレビューもスムーズになっています。
13T Proとの比較では、センサーの改良とAI画像処理の進化が大きなポイント。従来よりノイズリダクションが自然になり、ディテールを残したまま滑らかに仕上げられるようになりました。夜景や逆光シーンでは特に違いがはっきり分かります。
実際の使い勝手と仕上がり傾向
使ってみて感じるのは、カメラの立ち上がりの速さと撮影レスポンスの良さ。シャッターを押した瞬間の反応が機敏で、動く被写体も逃しにくい印象です。
AIによる被写体認識も優秀で、花・人物・料理など自動で適切なモードに切り替わります。
ただし、ハイライト部分がやや飛びやすいシーンもあり、露出補正を少し下げるとバランスが取れます。これはLeicaらしいコントラスト重視のチューニングの影響といえるでしょう。
バッテリー持ちは一般的な使い方で1日余裕。動画撮影やゲームを多用しても夜までは持ちます。発熱もDimensity 9300+の冷却設計がよく効いており、持ちやすい温度に保たれています。
他社フラッグシップとの比較感
Apple iPhone 16 Pro MaxやGoogle Pixel 9 Proなどと比べると、14T Proは色再現の方向性が明確に異なります。
iPhoneは忠実再現寄り、PixelはAIによる補正でシャープさ重視。
対してXiaomi 14T ProはLeicaルックによる“雰囲気のある写真”を得意とします。どちらが上というより、表現の違いを楽しむスマホという印象です。
価格を考えると、同等の写りをするカメラを搭載する他社機は少なく、コスパ面では群を抜いています。
実売10万円台前半でこの描写力なら、写真好きや旅行好きにはかなり魅力的です。
メリットと気になる点
良い点
- Leicaらしい雰囲気のある色味と描写
- 夜景や低照度に強いセンサー性能
- 144Hzディスプレイと高性能チップで快適操作
- 120W急速充電が非常に便利
- 防水防塵・指紋認証など日常性能も抜群
気になる点
- 3.5mmイヤホンジャックがない
- 露出が強めに出るシーンがある
- USB転送速度が2.0レベルで高速データ移行には不向き
これらは使い方次第で気にならない範囲。総合的には完成度の高いバランス型スマートフォンです。
まとめ|Xiaomi 14T Proレビューとしての結論
Xiaomi 14T Proは、Leicaカメラを中心に“写真を撮る楽しさ”を再確認させてくれる一台です。
単なる高画質スマホではなく、撮る人の感性を引き出すような設計。Authenticで落ち着いた風景を、Vibrantで印象的な瞬間を──どちらの世界観も美しく表現できます。
さらに、Dimensity 9300+による高速処理、120W充電、144Hzディスプレイと、ハードウェア面も申し分なし。
13T Proからの進化も明確で、Leicaカメラの完成度は一段上がっています。
総じて、Xiaomi 14T Proは“Leicaの世界を手軽に楽しめる最良の選択肢”といえるでしょう。
写真好きはもちろん、スマホ1台で映像表現を楽しみたい人にも強くおすすめできるモデルです。
