イヤホン選びって本当に悩みますよね。最近では、どのメーカーもノイズキャンセリングや高音質化に力を入れており、3万円台前後の製品は特に競争が激しいです。
そんな中で、オーディオテクニカのフラッグシップモデル「ATH-TWX9」はどうなのか？
この記事では、実際に使ってわかった音質・機能・コスパのバランスをじっくりレビューしていきます。
ATH-TWX9とは？オーディオテクニカのフラッグシップ完全ワイヤレス
ATH-TWX9は、オーディオテクニカが満を持して投入した完全ワイヤレスイヤホンの上位モデル。
5.8mmの高解像ドライバーを搭載し、Bluetooth 5.0、aptX Adaptive対応、そしてノイズキャンセリング機能まで網羅した、まさに「全部入り」といえるスペックです。
付属するイヤーピースも種類が多く、耳の形やサイズに合わせて細かく調整できるのが魅力。
しかも、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しており、ケースを置くだけで充電できるのも地味に便利です。
さらに面白いのが、ケースに搭載された「深紫外線除菌機能」。
収納中にイヤホンを自動で除菌してくれるという、清潔面でもユニークな仕様です。
音質レビュー：ナチュラルで高解像度、聴き疲れしにくい仕上がり
まず、肝心の音質について。
ATH-TWX9の第一印象は「とにかく自然で丁寧な音」。高音が刺さらず、低音も必要以上に盛られていない。オーディオテクニカらしい誠実なチューニングが感じられます。
高域は透明感があり、女性ボーカルの伸びがとても綺麗。中域の輪郭もくっきりしており、楽器の音がしっかり分離して聴こえます。
一方で、低域は控えめ。ドンシャリ系のイヤホンを好む人には物足りないかもしれませんが、長時間聴いても疲れにくく、音楽の細部を味わうのには最適です。
ジャンルを問わず、ポップスからジャズ、クラシックまで幅広く対応できる万能型。
aptX AdaptiveやAACコーデック対応により、Androidスマホとの相性も良好。
さらに、専用アプリを使えばEQ（イコライザー）で音の好みを細かく調整できます。
360 Reality Audio対応で没入感アップ
ATH-TWX9は、360 Reality Audioに対応しているのも特徴です。
この機能を使うと、まるでライブ会場やスタジオの中心にいるような立体的な音場が体験できます。
対応アプリ（Amazon MusicやTIDALなど）を使えば、空間オーディオの世界にどっぷり浸かれます。
普通のイヤホンでは味わえない広がりを体験したい人には、かなり面白いポイントです。
ノイズキャンセリング性能：強力ではないが実用的
ノイズキャンセリング（ANC）の効果は「強力」というより「自然」。
BOSEやAirPods Pro（第2世代）のような圧倒的な遮音感はありませんが、電車内やカフェなど日常シーンでは十分に快適です。
ANCの強さはアプリで3段階ほど調整でき、周囲の音を聞き取りたいときは「外音取り込みモード（ヒアスルー）」に切り替え可能。
この切り替えがスムーズで、会話中でも違和感が少ないのはさすがです。
また、耳の形状や装着状態に合わせてノイズキャンセリングを最適化してくれる「パーソナライズ機能」も搭載。
実際に使ってみると、これが意外と効きます。自分の耳に合わせて音の遮断感が変わるのは面白い体験でした。
装着感とデザイン：軽くて落ちにくい、通勤にも最適
デザインはオーディオテクニカらしい上品さがあり、艶消しの質感が高級感を漂わせます。
イヤホン自体は軽量で、耳にしっかりフィット。歩いてもズレにくく、長時間の使用でも痛くなりにくいのが特徴です。
付属するイヤーピースの種類が豊富なので、自分の耳にぴったり合う組み合わせを見つけやすいのも◎。
防水性能はIPX4なので、汗や小雨程度なら問題なし。ジムや通勤にも気軽に使えます。
操作性とアプリ機能：必要十分な操作が可能
操作はタッチと物理ボタンの併用タイプ。
再生・停止、曲送り、ANC切り替えなど、主要な操作は耳元で完結します。
ただし、慣れるまでは誤操作が起きやすいという声もあり、最初は少し慣れが必要かもしれません。
専用アプリ「Connect」を使えば、ノイズキャンセリングの強度調整、EQ設定、ファームウェア更新などが行えます。
細かい調整ができるため、使い込むほど便利さが増す印象です。
バッテリー性能：標準的ながら実用十分
バッテリーはイヤホン単体で約6時間、ケース併用で最大約18時間ほど。
ノイズキャンセリングを常時オンにしても、通勤やリモートワーク用途なら1日余裕で持ちます。
また、ワイヤレス充電対応なので、デスクやベッド脇に置くだけで充電完了。
バッテリー残量はアプリで確認できるものの、稀に表示と実際の持続時間にズレを感じるという報告もあります。
この点は今後のファームウェア改善に期待です。
マイクと通話品質：普通レベル、ビジネス利用も可
通話品質は「平均的」。
静かな場所ではクリアに声を拾ってくれますが、騒がしい場所では周囲の音を多少拾ってしまう傾向があります。
ビジネス通話には問題ないものの、風切り音や屋外ノイズが多い場面では多少注意が必要です。
ただし、オーディオテクニカらしく音声の自然さは確保されており、声がこもったり割れたりすることはほとんどありません。
価格とコスパ：3万円台前半でバランス良好
発売当初は3万円台前半でしたが、現在は2万円台後半で購入できることもあり、コスパの良さが際立っています。
ノイズキャンセリング、ワイヤレス充電、360 Reality Audio対応など、上位機能をすべて盛り込んでこの価格はかなり良心的です。
もちろん、AirPods Pro（第2世代）やBOSE QuietComfort Ultraなど、より高性能なANCモデルと比べれば劣る部分もあります。
ですが、音質・機能・デザインのトータルバランスを考えると、価格に見合う価値があるイヤホン と言えるでしょう。
ATH-TWX9はどんな人におすすめ？
ATH-TWX9は、以下のような人に特におすすめです。
- 原音に忠実な自然な音を楽しみたい
- ノイズキャンセリングは「自然な効き方」で十分
- ワイヤレス充電など、生活を快適にする機能も重視したい
- 長時間のリスニングでも疲れにくいイヤホンが欲しい
逆に、低音重視や迫力あるサウンドを求める人、ANC性能を最優先する人は、SONYやBOSEの上位機を検討した方が満足できるかもしれません。
ATH-TWX9のレビューまとめ：音質・機能・価格のバランスが秀逸
最後にまとめると、ATH-TWX9は「派手さよりも誠実さ」が光るイヤホンです。
解像度の高い音質、自然なノイズキャンセリング、快適な装着感と機能性。
どれを取っても突出はしないものの、総合的に見て非常に完成度が高い一台です。
価格に対して得られる満足度は高く、仕事にも音楽にも使える万能モデル。
「日常を少し豊かにしてくれるイヤホン」として、長く付き合える相棒になるはずです。
