東京にいながら、日本全国の味を旅できる――そんなユニークな体験ができるのが「d47食堂」です。今回は実際に訪れて感じたレビューを交えながら、このお店の魅力をたっぷり紹介します。食にこだわる人も、旅好きな人も、きっと心を動かされるはずです。
d47食堂とは？「47都道府県を味わう」コンセプトの食堂
d47食堂は、東京・渋谷ヒカリエの8階にある食堂。運営しているのは、各地の文化やデザインをテーマに活動する「D&DEPARTMENT PROJECT」という団体です。店名の“d47”は「design」と「47都道府県」の頭文字を掛け合わせたもの。つまり“日本全国のデザインや文化を食で体験する場”という意味が込められています。
このお店の最大の特徴は、月替わりで日本各地の郷土料理を提供すること。毎月フォーカスされる県が変わり、地元の食材や調味料を使った定食が楽しめます。たとえば、長崎・松浦のアジフライ定食や島根のしじみ汁定食、山梨の富士吉田うどん定食など。東京にいながら、その土地ならではの味を体験できるのが魅力です。
渋谷ヒカリエの8階、落ち着いた空間で味わう“旅するごはん”
渋谷と聞くと、喧騒やネオンのイメージを思い浮かべる人も多いかもしれません。でもd47食堂のあるヒカリエ8階は、そんな印象を裏切る穏やかな空間。木の温もりを感じるインテリアに、広々としたテーブル席。窓際に座れば、渋谷の街並みを見下ろす開放的な景色も楽しめます。
ランチタイムは明るい自然光が差し込み、夜は夜景を見ながらゆったり食事できる落ち着いた雰囲気。デートや友人との食事はもちろん、ひとりランチにもぴったりです。実際、店内には女性一人客や外国人観光客の姿も多く見られます。
メニューの特徴：定食スタイルで味わう“地域の物語”
d47食堂の基本は、定食スタイル。ご飯、味噌汁、メイン、副菜、漬物がつく構成で、見た目も栄養バランスも整った日本の食卓そのものです。
メニューは毎月変わり、その時期に注目する都道府県の「味」を伝える構成。たとえば、長崎・松浦のアジフライ定食では、地元・松浦で水揚げされたアジを使用。衣はサクサク、中はふわっとした食感で、レモンを絞ると香りが立ちます。島根定食では、宍道湖のしじみ汁や干物、くじら飯といった郷土料理が並び、まるで現地の食卓を訪れたかのような感覚になります。
「富士吉田うどん定食」は、太くてコシのある麺に辛味の“すりだね”を加えて食べるスタイル。食べ進めるうちに辛味がじんわり広がり、素朴ながらもクセになる味わいです。
このように、どのメニューも“ご当地の文化や気候”まで感じられるように丁寧に作られています。見た目の派手さではなく、「地味だけど美味しい」日本の食の本質が詰まっているのがd47食堂の魅力です。
全国の調味料や特産品にも出会える
食堂の隣には、47都道府県の特産品を販売する「d47 design travel store」が併設されています。ここでは各地の調味料や器、食材などが並び、定食で使われている醤油や味噌を購入することもできます。
「食べて、知って、買って帰る」――この体験が、他のレストランにはないd47食堂の強み。気に入った味を自宅で再現できるのは、料理好きにはたまらないポイントです。お土産探しにもぴったりで、観光客にも人気があります。
実際のレビューから見るd47食堂の評判
SNSやグルメサイトの口コミを見てみると、d47食堂は総じて高評価。とくに次のような声が多く寄せられています。
「東京にいながら地方旅行した気分になれる」
“毎月違う県の料理が楽しめるのが面白い”“次の県がどこになるか楽しみ”というリピーターの声が多いです。実際、季節ごとに食材が変わるため、何度行っても新鮮な発見があります。
「バランスのとれた定食がうれしい」
味噌汁や副菜まで丁寧に作られていて、健康的な食事を求める人にも好評。食材本来の味を生かした薄味で、胃にも優しいと評判です。
「店員さんの対応が親切」
料理の説明を丁寧にしてくれたり、産地の話をしてくれたりと、スタッフの対応に温かみがあるとのレビューも。雰囲気の良さも人気の理由です。
一方で、「定食としてはやや高め」「量が少なく感じる」という意見もあります。価格帯はランチで2,000円前後。ボリュームよりも素材の質や丁寧さに重きを置いた食堂と考えると納得できるでしょう。
人気メニューの一例：長崎・松浦のアジフライ定食
d47食堂で特に人気が高いのが「長崎・松浦のアジフライ定食」。地元の漁港から届く新鮮なアジを使い、衣は薄めにしてサクッと揚げています。外はカリッ、中はふんわり。噛むたびに旨みが広がり、レモンとタルタルソースの相性も抜群。
シンプルながら「これぞ日本の定食」という完成度で、多くの人がSNSに写真をアップしています。東京で本場のアジフライを味わいたい人には、間違いなくおすすめです。
一人でも入りやすく、電源・Wi-Fiも完備
意外と知られていませんが、d47食堂は一人客にもやさしい店です。カウンター席があり、ノートパソコンを広げて作業している人の姿も。Wi-Fiと電源も用意されているため、カフェ代わりに立ち寄るのもありです。
観光客だけでなく、地元のビジネスパーソンや学生も多く利用しており、「気軽に入れるけど上質」という絶妙なバランスが保たれています。
渋谷の喧騒から離れて、“静かに味わう”ひととき
渋谷という立地ながら、d47食堂は落ち着いて過ごせる空間。食事中はほどよいBGMが流れ、木の香りと炊きたてご飯の匂いに包まれます。窓際の席からは街の明かりがきらめき、まるで“都市の中の田舎”のような癒しが感じられます。
特に夜の時間帯は、昼とは違う表情を見せます。ランチは活気があり、ディナーは静かで上品。地方料理と一緒に日本酒を楽しむ人も多く、ゆっくり語らう時間を過ごすのに最適です。
価格と満足度：ちょっと贅沢な“文化体験”
価格帯は定食で2,000〜2,800円前後と、一般的な食堂よりはやや高め。でも、それは単なる“ごはん”ではなく、「食文化を体験する」場だと考えると妥当です。器や盛り付けにもセンスがあり、目でも楽しめる工夫が随所に見られます。
地方の料理を東京で再現するには、輸送や食材の確保など手間がかかるもの。そんな努力を感じられる一皿だからこそ、リピーターが絶えないのでしょう。
こんな人におすすめ
- 日本各地の郷土料理を味わいたい人
- 東京で落ち着いた和食ランチを探している人
- 地方文化や伝統に興味がある人
- 渋谷で一人でも入りやすいお店を探している人
観光客だけでなく、普段の食事に“発見”を求める人にもおすすめです。
d47食堂のレビューまとめ
d47食堂は、「食」を通じて日本を旅するような体験ができる特別な場所です。毎月異なる県の味を提供し、素材や文化への敬意を大切にしています。店内は落ち着いていて居心地が良く、スタッフの対応も温かい。渋谷という都会の中で、ゆっくり日本の豊かさを感じたいときに訪れたい一軒です。
東京にいながら地方の味を楽しめる――そんな体験を求めているなら、ぜひ一度d47食堂へ。あなたの知らなかった“日本の味”に出会えるはずです。
