最近、コンパクトで高性能なミニPCが増えてきましたよね。その中でも話題なのが「Geekom A5」。見た目は小さくても、中身はしっかり。この記事では、実際の使用感や性能を中心に、Geekom A5がどんな人に向いているのかをわかりやすく紹介します。結論から言えば、「省スペース・高性能・静音性」の三拍子が揃った、かなり優秀な一台です。
Geekom A5とは？基本仕様をチェック
Geekom A5は、台湾発のミニPCブランド「GEEKOM」が展開するシリーズのひとつ。小型ボディにAMD製の高性能CPUを搭載しており、ビジネスから動画編集まで幅広い用途に対応できるモデルです。
主なスペックは以下の通り。
- CPU：AMD Ryzen 7 5825U または AMD Ryzen 5 7430U
- GPU：Radeon Vega グラフィックス
- メモリ：DDR4（最大64GBまで拡張可能）
- ストレージ：NVMe SSD（最大2TB）＋2.5インチ SATAドライブ対応
- 接続端子：HDMI×2、USB-C×2（映像出力対応）、USB-A×多数
- ネットワーク：2.5GbE LAN、Wi-Fi 6/6E、Bluetooth対応
- サイズ：約117×112×49mm、重量約650g
数字だけ見ると、ノートPCよりも少し上のクラスに匹敵する性能。しかも手のひらサイズ。机の上に置いても邪魔にならず、テレビ裏などにも簡単に設置できます。
Ryzen搭載でパワフルな処理性能
Geekom A5の大きな魅力は、AMD Ryzenシリーズを搭載している点。特にAMD Ryzen 7 5825Uモデルは8コア16スレッド構成で、マルチタスク処理に強い。
WebブラウジングやOfficeソフトはもちろん、動画編集やプログラミング環境の構築など、クリエイティブな作業もこなせます。
実際の使用では、起動から動作までスムーズ。複数のアプリを開いても引っかかりを感じにくく、ミニPCであることを忘れるほど快適です。ベンチマークでもPCMark10で4500点前後を記録しており、一般用途には十分な数値。
この性能なら、在宅ワーク用PCや家庭用のサブマシンとしても余裕で活躍できます。
Radeon Vega内蔵グラフィックスの実力
GPUはRadeon Vegaシリーズ。内蔵グラフィックスとしては優秀で、4K動画の再生やマルチモニター出力もスムーズにこなします。
ゲームに関しては、軽めのタイトル（マインクラフト、LoL、VALORANTなど）ならフルHDで快適に動作。
一方で、3D処理が重いAAAタイトルやプロ向けのCG制作にはやや非力ですが、用途を限定すれば十分に実用的です。
グラフィック関連の作業をメインにしない限り、A5のGPU性能は必要十分。動画編集や画像処理も、簡単なレベルなら快適です。
豊富なポートと拡張性の高さ
Geekom A5の魅力は性能だけではありません。小型ながら、拡張性にも優れています。
- 前面・背面合わせて複数のUSBポート
- HDMI×2＋USB-C出力で最大4画面出力に対応
- 2.5GbE有線LANで高速通信
- NVMe SSD＋SATA HDDのデュアルストレージ構成が可能
特にビジネス利用では、複数ディスプレイを使って効率的に作業したい人も多いはず。A5なら、その環境を簡単に実現できます。
また、分解も容易で、メモリやSSDを自分で増設できるのもポイント。長く使いたい人にはありがたい設計です。
静音性と発熱対策のバランス
ミニPCで気になるのが「音」と「熱」。A5はこの点もよく考えられています。
通常使用時はファンの音がほとんど気にならず、静かなオフィスや寝室でも快適。高負荷時には多少ファンが回るものの、ノートPCのような甲高い音ではなく、低めの風切り音で抑えられています。
発熱についても、長時間稼働させても本体表面が熱くなりすぎないレベル。内部のエアフロー設計がしっかりしており、夏場の使用でも安定した動作を維持できます。
デザインと質感の印象
外観はシンプルで、どんなインテリアにも馴染む落ち着いたグレー。マット仕上げの筐体は指紋が付きにくく、手触りも良好です。
四角いボディはやや無骨ながらも、デスク上に置いたときの安定感があり、安っぽさを感じません。質感としては価格帯を考えると上出来。
どちらかといえば「実用性重視」のデザインですが、清潔感があって個人的には好印象です。
実際の使用感と快適さ
実際に使ってみると、日常作業では本当にストレスを感じません。
ブラウザを複数立ち上げながら動画を再生しても動作が滑らか。メモリの増設にも対応しているため、16GB以上にしておけばさらに余裕が出ます。
また、在宅勤務でTeamsやZoomを使っても安定しており、外部ディスプレイを2枚繋げてもフリーズなし。
Wi-Fi 6/6E対応で通信も安定しており、LANポートを使えばさらに高速。
ミニPCというより、「デスクトップの小型版」といった印象です。
Geekom A5が向いている人
このPCは、以下のようなユーザーにおすすめです。
- 在宅ワーク用にコンパクトなPCが欲しい人
- ノートPCのサブマシンを探している人
- マルチモニターで作業したいビジネスユーザー
- 省スペースのリビングPCを設置したい家庭
- コスパの良い高性能ミニPCを求める人
一方で、ゲーミングや3D制作など、GPU性能を重視する人には少し物足りないかもしれません。
それでも、5〜6万円という価格でここまで快適に動作するミニPCは希少。
「小さいのにしっかり働くPC」を探しているなら、A5は有力候補になるでしょう。
注意点とデメリット
高評価の一方で、注意しておきたいポイントもあります。
- Thunderbolt/USB4 非対応（最新デバイス接続には制限あり）
- GPU性能は中程度（ハイエンドゲームには不向き）
- モデルによっては電源プラグが海外仕様
特に周辺機器との接続を重視する人は、購入前に仕様を確認するのがおすすめ。
とはいえ、これらの弱点は使い方次第で気にならないことも多いです。
コスパと総合評価
価格は公式サイトで約52,000円前後。
このスペックでこの価格なら、コストパフォーマンスは非常に高いと感じます。
他社の同クラス製品（Intel NUCやMINISFORUMなど）と比べても、A5は端子の多さや拡張性で優位。
性能・静音・サイズ・価格のバランスが取れた「万能型ミニPC」といえるでしょう。
筆者の個人的な評価としては、
- 性能：★★★★☆
- 静音性：★★★★★
- 拡張性：★★★★☆
- コスパ：★★★★★
総合的に見て、日常用途から軽いクリエイティブワークまで幅広く対応できる頼もしい一台です。
Geekom A5レビューまとめ：小さくても本格派
最後にもう一度まとめると、Geekom A5は「コンパクト・高性能・静音」の三拍子が揃ったミニPCです。
高性能Ryzen搭載で普段使いには十分以上。拡張性も高く、数年単位で長く使えるポテンシャルを持っています。
もちろん、ゲーミングやGPU負荷の高い用途には向きませんが、それ以外のシーンでは万能。
特にデスク周りをすっきりさせたい人や、静かな環境で仕事をしたい人にはぴったりです。
もし「サイズは小さくても性能は妥協したくない」と思っているなら、Geekom A5は間違いなく検討すべき一台。
その完成度の高さを、ぜひ自分の目と手で確かめてみてください。
