キーワード:佐世保 市 水道 料金 値上げ
こんにちは。今回は、長崎県佐世保市で決まった、大きなニュースについて詳しくお話しします。多くのご家庭にとって毎月の固定支出である水道料金が、実に16年ぶりに改定されることになったんです。具体的には、これから3年間かけて段階的に引き上げられ、最終的には27.5%の値上げとなります。正直、家計にとっては「えっ…」と思ってしまうニュースですよね。
でも、なぜ今、これほど大幅な改定が必要なのでしょうか?その理由をひも解いていくと、単なる「値上げ」ではなく、私たちが住み続ける街の未来と、安全で安心な「水」を持続させるための、大切な決断であることが見えてきます。この記事では、値上げの具体的な内容、その背景にある深い事情、そして私たちの家計と生活にどんな影響があるのかを、わかりやすく解説していきます。
佐世保市の水道料金、具体的にどう変わるの?
まずは、気になる具体的な中身から確認していきましょう。今回の水道料金改定のポイントは、「段階的実施」と、「激変緩和措置」の2つです。いきなり27.5%上がるわけではないので、まずはホッとしてくださいね。
- 改定スケジュール:
- 2026年度(令和8年度):まずは17.5% の引き上げが行われます。
- 2027年度(令和9年度):さらに上がり、22.5% の引き上げとなります。
- 2028年度(令和10年度)以降:最終的に27.5% の引き上げが適用されます。
でも、ここで重要なのが「激変緩和措置」です。市は、物価高が続く中での家計への影響を考慮して、初年度と2年目に限って特別な配慮をしました。一般会計(市の税金)から水道事業にお金を繰り入れることで、実際に請求される料金の上昇率を、先ほどの数字より抑えているんです。
実際のご家庭への影響は?
標準的なご家庭(月の使用量が5㎥超~10㎥以下)を想定して、基本料金(税抜き)がどう変わるかを見てみましょう。
- 現在:1,484円/月
- 2026年度(緩和措置後):1,744円/月 → 月額260円の増額
- 2027年度(緩和措置後):1,818円/月 → 月額334円の増額
- 2028年度以降(完全実施):1,892円/月 → 月額408円の増額
こうして数字で見ると、やはり負担は増えますが、一気にではなく3年かけてじわじわと上がっていく形です。市の財政支援で、最初の2年間は少しだけ増加幅が抑えられていることがおわかりいただけると思います。
なぜ今、こんなに値上げが必要なの?3つの根本的な理由
16年も据え置かれていた料金を、一気に27.5%も上げる。そこには、簡単には解消できない深刻な事情がありました。主な理由は大きく3つあります。
1. 人口が減り続け、水道事業の収入の基盤が揺らいでいる
水道事業は、利用者が料金を払うことで成り立つ「独立採算制」です。佐世保市に限らず多くの地方都市が直面している「人口減少」は、水道事業にとっては直接的な収入減を意味します。利用者が減れば、当然ながら「給水収益」という基本の収入は減っていきます。持続可能な事業運営の土台そのものが、年々小さくなってきていたのです。
2. 古くなった水道管や施設の「更新ラッシュ」が始まっている
これは、全国的な課題でもあります。日本中の水道インフラが、一斉に老朽化の時期を迎えています。佐世保市でも、高度経済成長期に一気に整備された水道管や浄水場などが、そろそろ寿命を迎えつつあります。これらを壊れる前に計画的に取り換え、安全を確保するためには、莫大な費用が必要です。「事業費用」として計上される配水管の維持管理費や浄水コスト、設備の減価償却費は、年々増加の一途をたどっています。
3. 市民の節水意識や水源不足が、逆に経営を圧迫している
少し意外に思われるかもしれませんが、これも大きな要因です。みなさんの節水へのご協力は本当にありがたいことです。しかし、水道事業には、たとえ水の使用量が減っても大きく減らせない「固定費」がたくさんあります。浄水場を動かす費用や、配水管網を維持する費用などです。使う水の量が減ると、この固定費をまかなうための「1㎥あたりの単価」が上がらざるを得ず、事業の採算がどんどん悪化してしまうのです。さらに、市は水源が十分でない「節水型経営」を余儀なくされている面もあり、安定した水の確保自体が長年の課題となっています。
値上げはどのように決められた?透明性のあるプロセス
こんな大事な決定が、市役所の中でいきなり決められたわけではありません。実は、第三者による厳格な審査と、議会での十分な議論を経て、時間をかけて決められました。
市は2022年11月、学識経験者などからなる「佐世保市上下水道事業経営検討委員会」を設置し、「このままでは事業が持続できない。どうすべきか?」という根本的な問いを投げかけました。この委員会は2年近くにわたって何度も審議を重ね、すべての議論内容を市のホームページで公開しながら検討を進めました。
そして2025年7月、委員会は最終答申を出します。その内容は、「27.5%の値上げはやむを得ない」と認める一方で、「これで佐世保の水道料金は全国トップクラスの高さになる。市の発展を妨げかねない」と強い警告を発するものでした。そして、値上げによる市民負担を和らげるため、一般会計(税金)からの財政支援を強く求めたのです。今回の「激変緩和措置」は、まさにこの第三者委員会の提言を尊重した結果なのです。
その後、この案は市議会に提出され、2025年9月の本会議で審議・可決されました。賛成多数ではありましたが、1反対も出るなど、慎重な議論が交わされたことがわかります。
私たちの家計と街の未来への影響は?
では、この決定が私たちにどのような影響を与えるのか、考えてみましょう。
家計への直接的な影響は、先ほど計算した通り、数年にわたり月額数百円の支出増となります。特に収入の少ないご家庭や高齢者の方々にとっては、軽視できない出費です。市が実施する激変緩和措置は、この打撃を少しでも小さくするための命綱とも言える対策です。
一方で、この決定は街の未来への投資という側面も持っています。
値上げによって確保された収入は、古くて危険になりつつある水道管を新しい安全なものに取り換える「アセットマネジメント」に充てられます。これは、突然の道路陥没や断水を防ぎ、私たちの日常の安全を守るためには絶対に必要なお金です。また、長期的な水源の確保(例えば、長年議論が続く石木ダム問題など)に向けた準備にもつながっていきます。
さらに注目したいのは、市の一般財政と水道事業の新たな関係です。今回、一般会計から約7.6億円もの大金が投入されることは、「水道事業は受益者負担が原則だが、それを市民の生活と街の存続を守るための重要なインフラとして、市全体で支えていく」という姿勢の表れです。このお金は私たちが納めた税金ですから、今後、他の行政サービス(子育て支援、福祉、教育など)とのバランスをどう取っていくかも、市民として見守っていく必要があるでしょう。
まとめ:持続可能な「水」を未来に残すために
いかがでしたか?佐世保市の水道料金値上げは、単なるコストアップの話ではなく、人口減少とインフラ老朽化という二重の課題に直面する地方都市の、苦渋の選択でした。
「値上げ」という言葉にはネガティブな印象が付きまといます。確かに、家計にとっては厳しい現実です。しかし、この決定の背景には、16年間も料金を凍結してきた間に蓄積された経営問題があり、それを放置すれば、いずれはもっと深刻な形で私たちの生活の安全が脅かされる可能性もありました。
透明性の高いプロセスを経て、第三者委員会の提言を受け入れ、さらに市民負担の急増を和らげる措置を講じた。この一連の流れは、市民への説明責任を果たそうとする姿勢として、一定の評価できる点ではないでしょうか。
これからは、私たち市民も、ただ値上げを嘆くだけではなく、「自分たちの使う水」について関心を持つことがより一層大切になる時代です。そして、市に対しては、約束した施設の更新計画が確実に進められているか、無駄な支出はないか、経営効率化の努力は続けられているか、という点を注視していく必要があります。
この記事が、佐世保 市 水道 料金 値上げの決定を多角的に理解し、私たちの街の重要なライフラインについて考えるきっかけとなれば幸いです。
