ウイスキー好きの間で長年愛されてきた「グレンファークラス105」。その力強いシェリー香とカスクストレングスならではの飲みごたえで、多くのファンを魅了してきました。そんな105に「終売の噂」が広がり、SNSや酒販サイトでも話題となっています。今回は、その真相や背景、そしてもし入手困難になったときに試してほしい代わりの銘柄について、分かりやすく紹介します。
グレンファークラス105とはどんなウイスキー?
まずは、「グレンファークラス105」とはどんな一本なのかをおさらいしておきましょう。
スコットランド・スペイサイド地方の老舗蒸留所「グレンファークラス蒸留所(J.&G.グラント社)」が手がける、伝統的なシングルモルトウイスキーです。創業は1836年と古く、今でも家族経営を続ける数少ない蒸留所のひとつとして知られています。
105の最大の特徴は、アルコール度数60%前後のカスクストレングス仕様であること。加水を最小限に抑え、樽出しに近い濃厚な原酒をそのままボトリングしています。香りはドライフルーツやレーズン、プラム、メープルシロップのような甘みが強く、味わいも厚みのあるシェリー感が特徴です。ストレートでも十分に個性を楽しめますが、少量の加水で香りが開くタイプでもあります。
一度飲むと忘れられない“濃厚シェリーの爆発力”が魅力で、これまで多くのウイスキーファンを虜にしてきました。
グレンファークラス105終売の噂は本当なのか?
ここ数年、SNSやウイスキー愛好家の間で「105が終売らしい」「最近全然見ない」という声が多く見られるようになりました。実際に一部の通販サイトでは「終売」や「在庫限り」と記載されているケースもあります。
しかし、**グレンファークラス蒸留所**や正規代理店から公式に“終売”が発表されたわけではありません。
現状では、公式な終売通知はなく、「入荷が減っている」「並行輸入のみになった」「国内在庫が減っている」という状況が“終売に近い状態”として受け止められているようです。
つまり、「完全に生産終了」ではないものの、流通量が減少しており、入手困難な状態になっているのが現実です。店舗によっては既に販売を終了しているため、「実質的な終売」と感じる人が増えているわけです。
終売・品薄状態とされる背景
では、なぜこうした「終売に近い状態」になっているのでしょうか?主な理由として、以下の要因が考えられます。
1. 世界的なウイスキーブームと原酒不足
グレンファークラス蒸留所に限らず、スコッチウイスキー業界全体で原酒不足が深刻化しています。
特にシェリー樽熟成のモルトは長期熟成が必要で、熟成期間中は当然ながら出荷できません。需要が高まる一方で、供給をすぐに増やすことができないため、特定ラインの供給が追いつかなくなるのです。グレンファークラス105のように原酒を多く使用するカスクストレングス仕様は、在庫調整の影響を受けやすい商品でもあります。
2. 輸入コストや為替の影響
日本国内では、円安・物流コストの上昇・輸入経費の増加といった要因も影響しています。
正規輸入代理店を通じた供給が減少し、並行輸入に頼るケースが増えているため、安定した流通が難しくなっているのが実情です。
3. ブランド戦略によるラインナップ調整
グレンファークラス蒸留所は、10年・12年・15年・17年・21年・25年といった多彩な熟成年ラインを持っています。ブランド全体の戦略として、主要市場向けにラインナップの再編や生産量の調整を行っている可能性もあります。
とくに105は「ハイプルーフでマニア向け」とも言えるため、優先順位が下がっているのかもしれません。
4. 価格上昇による市場変化
かつては5,000円前後で手に入った105も、現在では1万円近い価格で取引されるケースが増えています。
これは単なるインフレではなく、在庫減少による希少価値の高まりと見ることができます。販売店側も価格を上げざるを得ない状況となり、「高くなりすぎて手が出しづらい=売れにくい」という悪循環が起きています。
いま買えるうちに手に入れるべき理由
グレンファークラス105は、今でも探せばオンラインショップや一部の酒販店で見つかることがあります。
ただし、「再入荷予定なし」や「並行輸入品のみ」など、明らかに在庫が減少しているサインが出ています。
終売が正式発表されていなくても、こうした市場動向を見る限り、実質的に“買えるうちに買っておいた方がいい”銘柄といえるでしょう。
もし見つけたら、保管用と飲用の2本を確保する人も多いようです。度数が高く酸化しにくいため、保存にも向いています。
グレンファークラス105が好きな人におすすめの代替銘柄
105のような“濃厚シェリー×高アルコール”タイプのウイスキーは、ありそうで実は少数派です。ここでは、味わいの系統が近く、代わりに楽しめる銘柄をいくつか紹介します。
● グレンファークラス 15年
同ブランド内で最もバランスが良く、香り・味わいともに上品な一本。グレンファークラス105ほどの爆発力はありませんが、シェリー樽由来のフルーティーさとまろやかなコクが魅力です。加水の調整次第で、より深い甘みを楽しめます。
● アベラワー アブーナ
「カスクストレングス×シェリー樽熟成」という点で、105に最も近い存在。スペイサイドモルトの中でも特に濃厚な味わいで、アルコール度数も高く飲みごたえ抜群。甘く濃厚な香りとスパイシーな余韻が楽しめます。
● グレンドロナック 15年/グレンドロナック 18年
近年注目を集めるシェリー系モルトの代表格。オロロソやペドロヒメネスの樽を使用し、レーズンやチョコレート、ナッツのような深みを感じます。より重厚なシェリー感を求めるなら、このラインがぴったりです。
● ベンリアック カスクストレングス
同じくスペイサイドの蒸留所で、カスクストレングスのリリースを積極的に行っているブランド。シェリー樽とバーボン樽を組み合わせたバランスの良い構成で、105のパワフルさに通じる個性があります。
● タムドゥー バッチストレングス
近年人気急上昇中の銘柄で、フルシェリー熟成&カスクストレングスという構成。香りは濃厚なレーズンとチョコレート、口当たりは滑らかで飲み応え十分。グレンファークラス105の代替として最も注目されています。
終売の噂に惑わされず、今あるグレンファークラス105を楽しもう
グレンファークラス105は、今もなお一部流通しており、完全な終売ではありません。ただし、以前のように容易に手に入る状況ではなく、確実に“レア化”が進んでいます。
終売の噂が出るたびに慌てる必要はありませんが、ウイスキーは一期一会。今飲めるタイミングを逃すと、次に味わえるのがいつになるか分からないのも事実です。
もし店頭や通販で見つけたなら、それは幸運。ゆっくりと時間をかけて、その深いシェリー香と重厚な味わいを楽しんでみてください。
まとめ:グレンファークラス105終売の真相と今後の楽しみ方
・公式に「終売」とは発表されていないが、流通量は減少傾向
・背景には原酒不足・コスト上昇・ブランド戦略の影響がある
・在庫が減っている今こそ、入手できるうちに確保がおすすめ
・代替として「アベラワー アブーナ」や「グレンドロナック 15年」などが候補
グレンファークラス105は、シェリー系ウイスキーの魅力を存分に味わえる名作です。終売の噂に惑わされず、今あるボトルを大切に楽しみながら、新たな一本との出会いを探すのもウイスキーの醍醐味。
濃厚な甘みと深い余韻を求める人にとって、105は永遠に語り継がれる“力強きスペイサイドの象徴”といえるでしょう。
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