認定利息5,000円以下なら給与課税なし!処理と仕訳の疑問を完全解決

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認定利息の考え方を解説するアイキャッチ画像

こんにちは。経理担当のみなさん、年末調整や給与計算の時期になると「役員や従業員にお金を貸したけど、利息はどう処理すればいいの?」と頭を悩ませることはありませんか。

特に、無利息や低金利で貸し付けた場合の「認定利息」という考え方。税務署から指摘を受けて初めて知った、という方も少なくないようです。

でも安心してください。実は認定利息が5,000円以下であれば、給与課税がされないというルールがあるんです。この記事では、その基準や具体的な仕訳処理の方法まで、現場ですぐ使える知識をわかりやすくお伝えしていきます。

認定利息とは?給与課税されるケースをまず理解しよう

まずは基本から。認定利息とは、会社が役員や従業員に対して無利息または著しく低い金利で金銭を貸し付けた場合に、税法上「本来受け取るべきだった利息」として計算される金額のことです。

例えば、会社が役員に1,000万円を無利息で貸したとしましょう。本来なら年1%の利息を受け取るべきところを、0%にしている。この場合、年間約10万円の利息を受け取っていないことになりますよね。この10万円が「認定利息」です。

そして、この認定利息は役員や従業員が会社から経済的利益を受けたとみなされるため、給与所得として課税対象になります。源泉所得税の対象となることもあるので、経理処理を間違えると大変です。

でもここで重要なポイントがあります。それは金額の大小で取扱いが変わるということです。

認定利息が5,000円以下の場合は給与課税されない

ここがこの記事で一番お伝えしたい核心部分です。

所得税基本通達36-28により、会社が役員や従業員に金銭を貸し付けた場合の認定利息が5,000円以下であるときは、給与課税をしなくてもよいとされています。

この5,000円というのは、1回の貸付けにつき、かつ1年間の利息額で判断します。複数回の貸付けがある場合は、それぞれの貸付けごとに判定するのが原則です。

つまり、少額の貸付けや短期間の貸付けであれば、そもそも給与課税の問題は生じないケースが多いということです。

例えば、役員に30万円を1ヶ月間だけ貸し付けた場合。適正利率を年1%とすると、1ヶ月分の利息は250円程度です。これなら5,000円以下なので、給与課税の心配はありません。

ただ、ここで注意してほしいのは「5,000円以下なら認定利息自体が発生しない」わけではないということ。あくまで給与課税をしなくてよいというルールです。法人税の計算上は、認定利息を収益計上する必要がある場合もありますので、そこは税理士さんとよく相談してくださいね。

認定利息の計算方法と適正利率の考え方

では、実際に認定利息はどうやって計算するのでしょうか。

基本的な計算式はこちらです。

貸付金額 × 適正利率 × 貸付期間の日数 ÷ 365日

ここで悩ましいのが「適正利率」をどう決めるかです。法令で明確に「○%」と決まっているわけではありません。

実務上は以下のような利率が使われることが多いです。

  • 銀行の貸出金利を参考にする方法(例:短期プライムレート)
  • 会社が金融機関から借り入れている場合の利率を使う方法
  • 国税庁が公表する「基準年利率」を使う方法

特に国税庁の基準年利率は、特例の適用を受ける場合などに使われる公的な指標です。年度によって変動しますが、2024年は0.9%前後で推移しています。この利率を使えば、税務署とのトラブルも回避しやすいでしょう。

また、返済期日が定められていない貸付けの場合は、貸し付けた日から1年分の利息で判定します。ここは意外と見落としがちなので気をつけてください。

給与課税されるとどうなる?追加で必要な処理

認定利息が5,000円を超えてしまった場合、どうなるのでしょうか。

会社はその認定利息相当額を、役員や従業員に対する給与として取り扱う必要があります。具体的には以下の処理が発生します。

  • 源泉所得税の徴収(月々の給与と合算して計算)
  • 給与支払報告書への記載
  • 社会保険料の算定基礎への算入(ケースによって)
  • 労働保険料の計算基礎への算入

こうなると経理の手間もグッと増えますし、役員や従業員の手取りにも影響します。

ですから、できれば認定利息が5,000円を超えないように貸付条件を設定するのが、実務上の賢い対応と言えるでしょう。例えば、貸付金額を抑える、貸付期間を短くする、といった工夫ですね。

経理処理と仕訳の具体例をパターン別に解説

それでは、実際の仕訳を見ていきましょう。認定利息の処理は、給与課税の有無によって変わります。

給与課税されない場合(認定利息5,000円以下)

この場合、法人税上も認定利息を計上しないという選択が可能です(少額不追及)。仕訳はシンプルです。

貸付けを実行した時点で、以下の仕訳だけを切ります。

借方:役員貸付金 500,000円/貸方:普通預金 500,000円

返済時も同様に、元本の返済のみを処理すれば完了です。

給与課税される場合(認定利息5,000円超)

こちらは少し複雑になります。会社が認定利息を収益計上し、同時に給与として処理する必要があります。

まず、決算時に認定利息を計上します。

借方:役員貸付金 12,000円/貸方:受取利息 12,000円

そして、この12,000円は役員への給与となるため、給与勘定でも処理します。

借方:役員報酬 12,000円/貸方:役員貸付金 12,000円

このように、相殺処理をすることで役員貸付金勘定は動かず、実質的に受取利息と役員報酬が同額計上される形になります。

期中に利息を実際に受け取る場合

もちろん、最初から適正利率で利息を徴収していれば、認定利息の問題は発生しません。

利息を受け取った時の仕訳はこちらです。

借方:現金 5,000円/貸方:受取利息 5,000円

この場合は給与課税の心配もなく、シンプルに処理できますね。

役員貸付金の注意点とトラブル回避のための実務アドバイス

認定利息の話から少し広げて、役員貸付金全体の注意点も押さえておきましょう。せっかく正しく利息処理をしていても、他の部分で税務リスクを抱えてはもったいないですから。

返済能力のない貸付けは寄付金認定される

税務調査でよく指摘されるのが、「その貸付金、本当に返ってくるの?」という点です。役員に返済能力が明らかにないのに多額の貸付けをしていると、実質的な給与や寄付金とみなされるリスクがあります。貸付時には、役員の返済能力を考慮し、返済計画をしっかり作成しておくことが大切です。

貸付契約書は必ず作成する

口頭での貸付けは税務署に否認される大きな要因です。たとえ少額であっても、以下の内容を明記した契約書を作成しておきましょう。

  • 貸付日と金額
  • 利率(無利息の場合はその理由)
  • 返済期日と返済方法
  • 連帯保証人の有無

長期滞留債権に注意

役員貸付金が長期にわたって返済されず貸借対照表に残っていると、税務調査で真っ先にチェックされる項目になります。定期的に返済状況を確認し、必要に応じて貸倒引当金の設定も検討してください。

毎月の給与と相殺する場合の処理

返済を給与天引きで行うのは実務上よくあるケースです。この場合、給与支払時の仕訳は以下のようになります。

借方:役員報酬 500,000円/貸方:役員貸付金 50,000円
                       預り金(源泉所得税等) 30,000円
                       普通預金 420,000円

給与規程に貸付金の返済に関する規定を盛り込んでおけば、より安心です。

認定利息が5,000円を超えそうなときのための実践的対応策

最後に、経理担当者として実際にどう動けばいいのか、具体的な対応策をお伝えします。

まず、役員や従業員から貸付けの依頼があった段階で、以下のシミュレーションをしてみてください。

  1. 希望されている貸付金額を確認する
  2. 想定される返済期間を確認する
  3. 適正利率(例:年1%)で認定利息を試算する
  4. その利息が5,000円以下かどうか判定する

もし5,000円を超えそうな場合は、次のような選択肢があります。

  • 返済期間を短くしてもらう(利息の絶対額が減ります)
  • 複数回に分けて貸し付ける(それぞれ5,000円以下になるように調整)
  • 最初から適正利率で貸し付け、実際に利息を徴収する
  • どうしても超えるなら、給与課税される前提で処理方法を整える

事前に対応すれば、年末になって慌てることもありません。税理士ともよく相談しながら、自社にとって最適な方法を選んでくださいね。

まとめ:認定利息が5,000円以下なら給与課税なし、でも油断は禁物

ここまで読んでいただきありがとうございます。認定利息が5,000円以下の場合は給与課税されないというルール、しっかりご理解いただけたでしょうか。

小さな金額だからこそ見落としがちな認定利息。でも、知っているか知らないかで、税務リスクの大きさはまったく違ってきます。

日々の経理業務の中で「この処理、本当に合ってるのかな」と迷ったときは、ぜひこの記事を思い出してください。そして、迷ったときは税理士などの専門家に相談するのが一番の近道です。

みなさんの会社のお金にまつわる処理が、法令に則ってスムーズに進みますように。

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