「99.99(フォーナイン)」という名前を聞くと、あの強烈な飲みごたえとクリアな喉ごしを思い出す人も多いのではないでしょうか。サッポロビールが展開していたストロング系チューハイとして、多くのファンを持つ人気シリーズでした。しかし、そんな99.99(フォーナイン)がついに終売となり、コンビニやスーパーの棚から姿を消しています。今回は、その終売理由や背景、さらに再販の可能性について詳しく掘り下げていきます。
99.99(フォーナイン)とは?純度99.99%ウォッカを使ったチューハイの革新
「99.99(フォーナイン)」は、2018年にサッポロビールから発売されたチューハイブランドです。名前の由来は“純度99.99%のウォッカ”を使用していることから。雑味のないクリアな飲み口を実現し、「クリアスムース製法」と呼ばれる独自技術で透明感のある味わいを追求していました。
アルコール度数は9%。ストロング系チューハイブームの中で誕生した99.99(フォーナイン)は、他社製品と比べてもキレがあり、飲みごたえがありながらも後味がすっきりしているのが特徴でした。
レモン、グレープフルーツ、クリアドライ、オレンジ、ユズ無糖など、豊富なフレーバー展開で人気を集め、発売からわずか数か月で累計1億本を突破するヒットを記録しました。
99.99(フォーナイン)シリーズが終売に至った経緯
サッポロビールの公式サイトの「製造終了商品一覧」には、99.99(フォーナイン)シリーズのすべてのフレーバーが掲載されています。
「クリアレモン」「クリアグレープフルーツ」「クリアオレンジ」「クリアドライ」「クリアユズ無糖」など、ラインナップ全てが製造終了扱いとなっており、2023年をもって市場から姿を消しました。
実際、SNSや愛飲者の間では「どこに行っても売っていない」「発注が止まった」「在庫限りになった」という声が急増。コンビニやスーパーの棚替え時期を境に、店頭から完全に姿を消したと報告されています。
オンライン通販でも一時的に在庫が残っていましたが、現在では多くが「在庫限り」「終売品」の扱いとなっており、価格が高騰するケースも見られます。愛飲者による買いだめや転売が発生し、プレミア価格化している状況です。
なぜ99.99(フォーナイン)は終売になったのか?背景にある3つの理由
終売の理由について、サッポロビールから明確な公式発表はありません。しかし、飲料業界や消費動向の変化を踏まえると、以下の要因が重なった可能性が高いと考えられます。
1. ストロング系市場の飽和と競争の激化
発売当初こそストロング系チューハイは新鮮でしたが、その後は各メーカーが同様の9%シリーズを次々に展開。セブン限定ブランドやサントリー −196℃ ストロングゼロシリーズ、アサヒ「もぎたて」などとの競合が激化しました。結果として、ブランドごとの差別化が難しくなり、売上維持が難しくなったと推測されます。
2. 健康志向・節酒トレンドの影響
ここ数年、消費者の間では「飲みすぎを避けたい」「アルコール度数の低いお酒を選ぶ」という傾向が強まっています。特に若年層を中心に“軽めに楽しむ”スタイルが定着し、ストロング系の需要が緩やかに減少しました。
アルコール9%という数値は、一時期の「強い酒が人気」という流れからやや時代の波に合わなくなってきたとも言えます。
3. ブランド整理と新商品の入れ替え
サッポロビールは年々、商品ラインナップの整理を進めています。RTD市場(缶チューハイ・カクテル市場)はトレンドの移り変わりが激しく、新製品投入と旧製品撤退が繰り返されるのが常。
99.99(フォーナイン)は一定の成果を残したブランドではあるものの、より新しいコンセプトの商品へリソースを移すため、終売の対象になったと考えられます。
ファンの声と惜しまれる存在感
終売が明らかになって以降、SNS上では惜しむ声が相次ぎました。
「仕事終わりの定番だったのに…」
「99.99(フォーナイン)が一番スッキリしてて好きだった」
「終売って聞いて買いだめした」
特に、“クリアレモン”や“クリアドライ”などは愛飲者が多く、「他のチューハイでは代わりが見つからない」と嘆く投稿も多く見られます。
ストロング系の中でも独自の透明感と飲みやすさを持っていたことが、これほどまでに惜しまれる理由でしょう。
終売直後には一部の通販サイトで価格が跳ね上がり、通常価格の倍以上で販売されるケースも確認されました。いわば“伝説化した缶チューハイ”とも言える存在になりつつあります。
99.99(フォーナイン)の代わりに楽しめるチューハイは?
99.99(フォーナイン)の再販が期待できない現状では、同系統の味わいを持つチューハイを探す人が増えています。そこで、代替候補として注目されているブランドをいくつか紹介します。
- サントリー −196℃ ストロングゼロシリーズ
果実の味をしっかり感じられる王道ストロング。安定感のある人気を誇ります。 - キリン 本搾りシリーズ
果汁感を重視した自然派チューハイ。ストロング系よりもナチュラルな飲み口が魅力。 - アサヒ 贅沢搾りプレミアム
フルーティーさと程よいアルコール感を両立した、飲みやすい系統。
これらはいずれも99.99(フォーナイン)とはコンセプトが異なりますが、「すっきりした飲み口」「果実感」「飲みごたえ」を求める層にはマッチします。特に“無糖系チューハイ”を求める人には、キリンやサントリーの新ラインが候補になるでしょう。
再販や限定復刻の可能性はある?
現時点でサッポロビールから99.99(フォーナイン)の再販に関する公式情報は出ていません。ただし、愛飲者の声が根強いことから、将来的に「限定復刻」や「記念発売」という形で一時的に復活する可能性はあります。
実際、他のアルコールブランドでは“期間限定での再登場”というケースが少なくありません。99.99(フォーナイン)が持つブランド価値はまだ十分高く、SNSでも再販を望む声が継続的に見られます。
再販される場合は、現代の健康志向や低アルコールトレンドに合わせ、「低糖質・無糖タイプ」や「アルコール度数控えめタイプ」としてリニューアルされる可能性もありそうです。
終売した99.99(フォーナイン)を探す方法と注意点
もし今も99.99(フォーナイン)を手に入れたい場合、以下のような方法が考えられます。
- 地方のスーパー・ドラッグストアを探す
都市部よりも在庫処理が遅く、偶然残っているケースがあります。 - ディスカウントショップ・業務スーパー系
賞味期限が近い商品を処分価格で販売している場合があります。 - ネット通販を活用する
楽天・Amazon・Yahoo!などでは、在庫限りの販売が続くことも。ただしプレミア価格に注意が必要です。
購入時は、保管状態や賞味期限を確認し、正規ルートかどうかもチェックしておきましょう。アルコール飲料は風味の劣化が早いため、古い在庫品は味が変わっている場合があります。
99.99(フォーナイン)終売が示すRTD市場の変化
99.99(フォーナイン)シリーズの終売は、RTD(Ready to Drink)市場の変化を象徴しています。かつてストロング系が主流だった時代から、現在は「低アルコール」「自然派」「無糖」「果実感重視」へとシフトが進んでいます。
また、消費者が“お酒との付き合い方”を見直す時代に入り、「たくさん飲む」よりも「質を楽しむ」「シーンに合わせて選ぶ」という流れが生まれました。
この変化は単なる流行ではなく、メーカーが商品戦略を変えるほどの大きなトレンドです。
99.99(フォーナイン)は、その過渡期に登場し、そして役割を終えたブランドとも言えます。
まとめ|99.99(フォーナイン)シリーズの終売は時代の転換点
99.99(フォーナイン)シリーズが終売となった背景には、ストロング系市場の飽和、健康志向の高まり、企業戦略の転換といった複数の要因がありました。
純度99.99%ウォッカを使ったクリアな味わいは多くのファンを魅了しましたが、時代の流れの中でその幕を閉じることとなったのです。
しかし、その存在が残した影響は決して小さくありません。ストロングチューハイの象徴的ブランドとして、多くの飲み手の記憶に残り続けるでしょう。
もしまた「99.99(フォーナイン)」の名前を冠した商品が復活する日が来れば、それはファンにとってまさに再会の一杯になるはずです。

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