「最近、あの“コクあり梅酒”が見つからない…」そんな声がSNSや酒好きの間で広がっています。実際に調べてみると、「ロックがおいしい コクあり梅酒」など一部シリーズがメーカー終売の扱いになっており、販売終了が現実のものとなっているようです。
なぜ人気があった商品が終売になってしまったのでしょうか?この記事では、その背景と真相、そして再販の可能性についてわかりやすく解説していきます。
「コクあり梅酒」とはどんな商品だったのか
「コクあり梅酒」は、サントリーが展開していた梅酒ブランドの一つ。特に「ロックがおいしい コクあり梅酒 パック1L」などが量販店で販売され、家庭でも手軽に楽しめる梅酒として人気がありました。
名前の通り、“コク”を感じられるしっかりとした味わいが特徴で、甘すぎず濃厚。ブランデー仕立ての深みがありながらも飲みやすく、ロックやソーダ割りで味の変化を楽しめる一本としてファンが多かったお酒です。
ただ現在、通販サイトや酒販店の在庫情報を確認すると「メーカー終売」「在庫限り」の表記が目立ちます。つまり新規製造は終了し、流通在庫のみの状態になっていると考えられます。
終売の背景①:ブランド整理とリニューアルの流れ
サントリーは近年、梅酒カテゴリーのブランド整理と刷新を進めています。
特に「山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド スーペリア」のように、ウイスキー樽熟成を活かしたプレミアムラインへとシフトしており、「コクあり梅酒」のような中価格帯の量販仕様は整理の対象になったと考えられます。
実際、2025年には「山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド スーペリア」という新商品が発表されており、従来の“コク”を重視した味わいをさらに上質に進化させたような方向性が見えます。
つまり、“終売”というよりも「ブランド転換」「ライン刷新」に近い形で役割を終えた可能性が高いのです。
終売の背景②:市場トレンドと販売構造の変化
梅酒市場自体もここ数年で大きく変化しています。
かつては「甘くて飲みやすいお酒」として幅広い層に支持されていましたが、最近では「糖質控えめ」「香料無添加」「樽熟成」など、より健康志向・高品質志向のニーズが高まっています。
その結果、コストを抑えた紙パック仕様の商品よりも、ボトルで味わいにこだわったタイプが売れ筋になりつつあります。
「コクあり梅酒」は味のバランスに優れた良品でしたが、市場全体の方向性と噛み合いづらくなったことが終売の一因と見られます。
終売の背景③:製造コストと供給体制の見直し
終売の背景には、製造や流通のコストも無視できません。
梅酒に使われる南高梅などの国産梅は、天候によって収穫量が左右されやすく、安定供給が難しい年もあります。加えて、酒税改正や物流コストの上昇も重なり、利幅が限られる中価格帯商品ほど打撃を受けやすい構造です。
紙パックタイプの酒類は製造ラインの維持コストも高く、販売数量が減れば採算が取りづらくなります。
こうした背景から、「コクあり梅酒」は製造終了の判断が下されたと考えられます。
終売の背景④:味わいの個性と市場ニーズのギャップ
「コクあり梅酒」の魅力は、その名の通り“深いコクとまろやかさ”。
ただしこの“コク”という特徴は、軽やかでスッキリした味わいを求める層にはやや重く感じられることもあります。近年はハイボールやレモンサワーなど、ドライ系のお酒が人気の中心。
そのため、濃厚系の梅酒がやや時代の潮流から外れてしまったとも言えるでしょう。
もちろん、ファンにとってはその濃さこそが魅力でしたが、大手メーカーのラインナップとしては「限定的な需要」と判断されたのかもしれません。
在庫状況と入手方法
現在、通販サイトや一部の実店舗ではまだ在庫が残っている場合があります。
ただし「メーカー終売」のため、在庫がなくなれば再入荷の見込みはほとんどありません。
見かけたら早めに購入しておくのが確実です。
また、同ブランドの他ラインナップや「ブランデー仕立て梅酒」「山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド」など、近い味わいの梅酒を試してみるのもおすすめです。
風味の方向性こそ違えど、“コク”を感じる深みのある味わいを求める方には満足できる選択肢でしょう。
再販・復活の可能性はある?
結論から言うと、「コクあり梅酒」そのものの再販の可能性は現時点では低いと考えられます。
メーカーが公式に「終売」として扱っている以上、同一仕様での再発売はほぼ見込めません。
ただし、サントリーのように定期的に限定品やリニューアル商品を投入している企業では、過去の人気商品をベースにした“復刻版”や“派生ライン”として再登場するケースもあります。
もし今後、濃厚系の梅酒が再びトレンドになれば、「コクあり」というコンセプトを再解釈した新商品が出る可能性も十分あるでしょう。
また、終売品は希少価値が上がる傾向があります。中古市場やオークションでは高値で取引されることもあり、愛好家の間では今も“幻の梅酒”として話題になることがあります。
「コクあり梅酒」の代わりに試したいおすすめの梅酒
「もう買えないなら、似た味わいのものを探したい」という方へ。
“コク”や“熟成感”を求めるなら、次のような梅酒が候補になります。
- 山崎蒸溜所貯蔵梅酒ブレンド スーペリア
ウイスキー樽で熟成させた、芳醇な香りと深みのある味わいが特徴。コクあり梅酒に通じる厚みを感じられます。 - チョーヤ 梅酒 The CRAFT
梅本来の旨味をしっかり残したクラフトスタイル。甘さ控えめでバランスが良い。 - 宝酒造 熟成梅酒 プレミアム
ブランデーベースでリッチな味わい。食後酒としても楽しめるタイプです。
いずれも「深み」「厚み」「コク」というキーワードに重なる味わいがあり、コクあり梅酒が好きだった人にはぴったりの代替候補といえます。
コクあり梅酒が終売になった理由と、今後の楽しみ方
「コクあり梅酒」は、長年愛されてきた味わいながら、ブランド再編や市場変化の波の中でその役目を終えた商品でした。
しかし、“コクのある梅酒”というコンセプト自体は、今も多くのメーカーが追求し続けています。
終売は寂しいニュースではありますが、それは新しい味わいが生まれるきっかけでもあります。
もし今後、限定復刻や派生モデルが登場したら、またあの懐かしい“深み”に出会えるかもしれません。
“コクあり梅酒 終売”という出来事は、時代の流れの中で変化を続ける日本の酒文化を象徴する一幕とも言えるでしょう。
次に出会う一杯も、きっとまた特別な味わいになるはずです。

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