アイラモルトの中でも圧倒的な個性を放つ「アードベッグ コリーヴレッカン」。その力強いスモーキーさと高アルコール度数が魅力の一本ですが、最近「終売したのでは?」という噂がファンの間で広がっています。
本記事では、コリーヴレッカンの現状や入手ルート、そして再販の可能性までを徹底的に掘り下げていきます。
コリーヴレッカンとはどんなウイスキー?
アードベッグ コリーヴレッカン(Ardbeg Corryvreckan)は、スコットランド・アイラ島のアードベッグ蒸留所が造るシングルモルトです。
アルコール度数は57.1%と高く、熟成年数を非公開にしたノンエイジ仕様。一般的なアードベッグ 10年よりも荒々しく、よりスパイシーでパワフルな味わいが特徴です。
名前の由来は、アイラ島北部の海峡に実在する巨大な渦潮「コリーヴレッカン」。その荒々しさを表すようなボトルデザインと味わいが、世界中のウイスキーファンから熱狂的な支持を集めています。
なぜ「終売」の噂が出たのか?
ここ数年、「コリーヴレッカンが店頭から消えた」「通販サイトで見つからない」といった声が急増しました。
実際、楽天市場や大手酒販サイトを確認しても「売り切れ」「在庫限り」「次回入荷未定」といった表記が多く、安定して供給されていないのが現状です。
さらに、海外のウイスキー掲示板(Redditなど)でも、「2023年ごろから価格が急騰した」「市場から姿を消した」といった報告が相次いでいます。
こうした状況から、「終売」あるいは「実質的に流通停止」と見なす愛好家が増えているわけです。
公式発表は?アードベッグの動き
結論から言えば、アードベッグ社から「コリーヴレッカンを正式に終売する」という明確な発表は出ていません。
しかし、2020年代以降のブランド戦略を見ると、コアレンジ(定番ライン)の再編が進んでいることが確認されています。
アードベッグの公式サイトでは、これまでコリーヴレッカンが「定番の一本」として掲載されていたのに対し、近年は限定品や新シリーズ(アードベッグ・ザ・アビスなど)のプロモーションが前面に出るようになっています。
特に「かつて存在したコリーヴレッカンの特別原酒を使って新たなボトルを造った」という説明が登場しており、ブランドとしての位置づけが変化していることは確かです。
実質「終売」状態?流通の現状
現在、国内で新品のコリーヴレッカンを入手するのはかなり難しくなっています。
酒販店を巡っても、以下のような状況が目立ちます。
- 正規輸入品はほぼ在庫なし
- 並行輸入品が中心(価格は1万円前後から高騰)
- ミニボトル(100ml)はほとんど売り切れ
- 一部の専門店・バーではまだ提供されているが数量限定
また、以前は1万円前後で購入できたものが、最近では1.5万円以上、海外通販では2万円を超えることも珍しくありません。
これは単なる価格調整ではなく、世界的な供給減少による「希少化」のサインと考えられます。
入手ルートはまだある?探すコツと注意点
「どうしてももう一度コリーヴレッカンを味わいたい」――そう思う人に向けて、現時点での入手方法を整理しておきましょう。
1. 並行輸入ショップをチェック
楽天市場やYahoo!ショッピングなどには、海外から直接仕入れた並行輸入品が時々出ます。
ただし、正規輸入ルートではないため、ボトルデザインやラベル仕様が異なる場合があります。信頼できるショップを選ぶことが大切です。
2. 専門店・ウイスキーショップの在庫を探す
都内や大阪などのウイスキー専門店では、バックヤード在庫や旧ロットを持っていることがあります。
公式サイトやSNSで「在庫あり」情報を見つけたら、すぐに問い合わせるのがおすすめです。
3. オークション・中古市場を活用
ヤフオクやメルカリなどでも取引例があります。未開封・箱付きならコレクターズアイテムとしても価値が高く、価格は定価を大きく上回ることもあります。
ただし、保管状態が悪いものや偽物のリスクもあるため、評価が高い出品者を選びましょう。
4. 海外通販サイトで購入
ニュージーランドやイギリスの通販サイトでは、まだ在庫が見つかることもあります。
ただし、関税・送料・輸入リスクを考慮し、価格を比較検討するのが賢明です。
コリーヴレッカンの味わいを改めて振り返る
改めて、このウイスキーの魅力をおさらいしておきましょう。
- 強烈なピート香とスモーキーさ
- 黒胡椒やクローブを思わせるスパイス感
- ダークチョコレートやベリー系の甘苦さ
- 高アルコールによる長い余韻
そのバランスは「アードベッグの真髄」とも評され、アードベッグ ウーガダールと並ぶ人気を誇りました。
まさに“海の渦潮”の名にふさわしい、飲み手を巻き込むような力強い一本です。
再販の可能性はあるのか?
アードベッグは過去にも限定ボトルを数年後に再構成して発売した例があります。
たとえば「スーパー・ノヴァ」や「オーリヴェルダイ」など、限定モデルが復活したケースは少なくありません。
そのため、**コリーヴレッカンの再販(またはリニューアル版)**が登場する可能性は十分にあります。
ただし、同じ原酒・同じ度数(57.1%)で再現することは難しく、仮に復活しても「新バージョン」扱いになる可能性が高いでしょう。
一方で、「伝説的なフレンチオーク新樽を使った最後のボトル」という表現が公式にあることから、完全同仕様の復刻は難しいとも考えられます。
代わりに楽しめるおすすめモデル
「終売に近いなら、代わりに何を飲めばいい?」という声も多いでしょう。
そんな方に向けて、同系統の味わいを持つモデルをいくつか挙げておきます。
- アードベッグ ウーガダール
シェリー樽由来の甘みとスモーキーさのバランスが絶妙。コリーヴレッカンよりも丸みのある味わい。 - アードベッグ 10年
蒸留所の王道モデル。力強いピートと塩気、海風の香りが楽しめる。入手もしやすい。 - ラフロイグ クォーターカスク
同じアイラ島の蒸留所による、濃厚スモーキーで樽由来の甘みが際立つ一本。
これらのボトルは今も比較的安定して流通しており、コリーヴレッカンの「系譜」を感じたい人におすすめです。
今後の動向とまとめ
アードベッグ コリーヴレッカンは、現時点で公式に終売と発表されているわけではありません。
しかし、流通量の減少・在庫枯渇・価格上昇など、市場の動きを見る限りでは**「実質的な終売状態」**にあると言えます。
再販があるかどうかは未知数ですが、仮にリニューアルや限定版として復活した場合、再び入手困難になるのは間違いありません。
もし今のうちに見つけたなら、それが最後のチャンスになるかもしれません。
アイラモルトの荒々しさと深みを象徴する「アードベッグ コリーヴレッカン」。
その名にふさわしい伝説的なウイスキーは、終売という言葉さえも飲み込むように、今なお多くのファンの心を渦巻かせています。

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