「最近、いつも買っていたスペシフィックがどこにも売っていない」
そんな声がSNSや通販サイトのレビューで相次いでいます。
犬猫の療法食として長年信頼されてきたブランドだけに、「終売になったの?」「もう買えないの?」と不安を感じる飼い主さんも多いでしょう。
ここでは、スペシフィックの販売終了(終売)に関する実際の経緯と背景、そして現在の入手状況や代替商品の選び方について、わかりやすく解説します。
スペシフィックとは?長く愛された療法食ブランド
スペシフィック(SPECIFIC)は、犬や猫のための療法食ブランドです。
北欧原産の高品質な原料を使用し、消化器・腎臓・皮膚・アレルギーなど、さまざまな疾患や体質に合わせたラインナップを展開していました。
特に、動物病院を通じて販売されていたため、獣医師の指導のもと安心して使えるフードとして高く評価されていました。
「消化器アシスト」「腎心肝アシスト」「皮膚アシスト」「低分子アシスト」「減量アシスト」など、疾患別に細かく分かれた商品設計が特徴です。
そんなスペシフィックが、2023年ごろから急に「販売終了」「終売」と表示されるようになり、多くの愛用者が困惑しています。
スペシフィックが「終売」と言われるようになった理由
一見すると「全商品が販売終了になった」と思われがちですが、実際には少し複雑な事情があります。
以下のような背景が重なり、「終売」という言葉が広まったと考えられます。
1. MSDアニマルヘルスによる販売終了と販売元の移行
2023年9月末、製造・販売元だったMSDアニマルヘルスが「スペシフィック全製品の販売を終了する」と正式に発表しました。
これにより、MSDによる国内販売は終了しましたが、ブランド自体がなくなったわけではありません。
翌10月からは、シグニ株式会社が新しい輸入・販売元としてスペシフィックの取扱いを引き継いでいます。
つまり、表現上は「終売」でも、実際は「販売元の変更」が起きただけなのです。
ただし、この切り替えにより一時的に在庫が不足したり、流通が止まった店舗が多く出たため、「買えなくなった=終売した」という誤解が広まりました。
2. 流通の混乱と在庫不足
販売元が変わるタイミングでは、旧体制での在庫処理や輸入ルートの調整が必要です。
スペシフィックは海外製品のため、船便・通関などの影響も受けやすく、実際に多くの通販サイトで「入荷未定」「在庫なし」と表示されました。
動物病院でも「今後入荷の見通しが立たない」と案内されたケースもあり、一時的に“幻の療法食”のような状態に。
こうした状況が、ユーザー間で「終売」という認識を強める結果になったのです。
3. 療法食という特性と販売ルートの制限
スペシフィックは一般的なペットフードではなく、「療法食」と呼ばれる医療補助的なフードです。
これは、獣医師の診断や指導に基づいて与えることを前提としており、通常の市販ルートよりも販売経路が限られています。
シグニ株式会社も公式に「ネットショップでの販売は弊社では把握していません。まずは動物病院にご相談ください」と案内しています。
つまり、今後は動物病院中心の流通にシフトしたため、Amazonや楽天などでは見つかりにくくなっているのです。
4. 一部商品のリニューアルやライン整理
スペシフィックは長い年月をかけて多くのラインを展開してきましたが、リニューアルや整理も進められています。
たとえば「犬用 皮膚アシスト(CDD)」や「GIコントロール(CED)」など、過去に販売されていた製品の中には既に終売となったものもあります。
製造元の見直しや海外の生産ラインの再編が進む中で、全ての製品が継続できているわけではありません。
こうした部分的な終売も、「スペシフィックが全体としてなくなる」という誤解を招く要因になっています。
5. 原材料価格や物流コストの上昇
原材料費や輸送コストの高騰も無視できません。
実際、2025年以降の一部案内では「原材料費・物流費の上昇により値上げを実施」との情報も出ています。
世界的な物流混乱や為替変動が影響しており、製造・輸入コストの上昇が在庫の不安定化につながっています。
現在の販売状況と購入時の注意点
では、2025年現在、スペシフィックは本当に手に入らないのでしょうか?
結論から言えば、「完全な終売ではなく、流通が限定的」という状態です。
新しい販売元であるシグニ株式会社は「日本国内で販売されていたラインナップについては、継続販売のためメーカーで生産中」と公式に案内しています。
つまり製造は続いており、流通も順次再開しています。
ただし、すべての店舗で安定供給されているわけではありません。
通販では在庫の波が大きく、動物病院を通じた注文のほうが確実なケースが多いです。
購入を検討している方は、次のポイントを意識しておきましょう。
- まずは かかりつけの動物病院に在庫や取り扱いを確認する
- ネットで購入する場合は 販売元・製造国・賞味期限 を確認
- 通常価格より極端に高い商品は転売や在庫処分の可能性あり
- 並行輸入品は日本向け製品と成分が異なる場合があるため注意
こうした点を押さえておくと、安全に正規ルートの製品を入手しやすくなります。
スペシフィックが手に入らない時の代替商品
スペシフィックが欠品・品薄の際は、他の信頼できる療法食ブランドを検討するのも一つの方法です。
代表的な代替ブランドを紹介します。
ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)ユリナリーS/O
国内外で最も流通量の多い療法食ブランドの一つ。
「ユリナリーS/O」「消化器サポート」「腎臓サポート」など、用途別のラインが豊富です。
動物病院の多くで取り扱いがあり、安定して購入できます。
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット c/d マルチケア
「c/d マルチケア」「k/d」「z/d」など、症状別に細分化された製品を展開。
成分バランスや臨床データに基づいた信頼性の高さで、スペシフィックからの切り替え先としても人気があります。
ピュリナ プロプラン ベテリナリーダイエット
日本でも徐々に認知が広がっているブランドで、食いつきや嗜好性を重視した療法食を提供。
ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)ユリナリーS/Oやヒルズ プリスクリプション・ダイエット c/d マルチケアよりも比較的価格が安定しているのも特徴です。
代替商品を選ぶときのポイント
療法食を選ぶときは、見た目や価格だけでなく、必ず獣医師に相談してから決めましょう。
症状や体質に合わないフードを自己判断で与えると、かえって健康を損ねる可能性があります。
チェックしたいポイントは以下のとおりです。
- 成分バランス(タンパク質・脂質・リン・ナトリウム量など)
- 対応する症状・疾患(尿路結石、腎臓病、皮膚トラブルなど)
- 原産国・製造元・販売ルートの信頼性
- 継続して入手できるかどうか
特に「腎臓ケア」や「アレルギー対応」のように継続性が重要な場合は、安定供給されているブランドを優先するのがおすすめです。
スペシフィックは本当に終売?今後の見通し
スペシフィックは完全に消滅したわけではありません。
販売元が変わり、供給体制が整理されている最中というのが現状です。
シグニ株式会社の公式サイトでも「継続販売のため生産を行っている」と明記されており、今後は動物病院ルートを中心に安定供給が進むとみられます。
また、一部ショップでは「ウェットタイプの販売を再開した」との案内も出ており、少しずつ復活の兆しが見えています。
一方で、旧パッケージや一部製品は完全に終売となる可能性が高く、今後はリニューアルモデルへの移行が進むと考えられます。
まとめ|スペシフィック終売の理由と、今できる最善の選択
スペシフィックの「終売」は、実際にはブランド終了ではなく「販売元の変更」と「一時的な流通の混乱」が主な要因でした。
今後も供給は続く見込みですが、購入経路が限られているため、入手には少し注意が必要です。
もし愛用していたフードが手に入らない場合は、獣医師に相談しながら代替ブランドを検討してみましょう。
ロイヤルカナン(ROYAL CANIN)ユリナリーS/Oやヒルズ プリスクリプション・ダイエット c/d マルチケアなどの療法食も選択肢に入れておくことで、ペットの健康を守りながら安心して食事管理を続けられます。
大切なのは「焦らず、確実に正規品を選ぶ」こと。
スペシフィックの再供給を待ちつつ、今できる最適なフード選びを進めていきましょう。

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