シャンパン好きの間で長年愛されてきた「アンリジロー エスプリ」。
その名前を聞くだけで、アルゴンヌの森の樽香やアイ村の豊かなピノ・ノワールを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
そんな「エスプリ」がついに終売になったという情報が広まり、SNSやワインショップでは「もう買えないの?」「次はどのボトルを選べばいいの?」という声が相次いでいます。
ここでは、「アンリジロー エスプリ 終売」の真相、入手方法、そして後継品・代替シャンパンまでを徹底的に解説します。
アンリ・ジローとは?アイ村が誇る名門メゾンの哲学
まずは、「アンリ・ジロー」というメゾンをおさらいしておきましょう。
1625年にフランス・シャンパーニュ地方のアイ村(Aÿ)で創業した老舗で、300年以上にわたり家族経営を貫いてきた名門です。
アンリ・ジローの特徴は、樽熟成に使用する木材を“アルゴンヌの森”から直接調達していること。
この森の樫を使うことで、シャンパンに繊細ながらも芯のある香ばしさと奥行きをもたらします。
化学肥料や農薬に頼らないブドウ栽培、そして「自然と人との共生」を掲げる姿勢が、近年ますます注目されています。
そんな伝統と革新を両立するメゾンの“顔”ともいえるのが、「エスプリ」シリーズです。
終売が発表された「エスプリ・ナチュール」とは?
今回、終売が話題となっているのは「エスプリ・ナチュール(Esprit Nature)」というキュヴェ。
アンリ・ジローのラインナップの中では“スタンダード・キュヴェ”に位置づけられ、ブランドの哲学を象徴する存在でした。
ピノ・ノワールを主体としたその味わいは、熟した果実の芳香、バニラやホワイトペッパーのニュアンス、そして余韻に感じるミネラル感が魅力。
華やかでありながら、食中酒としてのバランスも見事でした。
しかし2023年9月、正規輸入代理店の発表により、この「エスプリ・ナチュール」は在庫限りで終売とアナウンス。
「これで最後のチャンス」との文言も添えられ、長年のファンの間で大きな話題になりました。
終売の理由は?実はリニューアルによる“進化”だった
“終売”という言葉から、完全廃盤を連想する人も多いですが、実際には少し違います。
今回の終了は「リニューアルによる新仕様への移行」という意味合いが強いのです。
アンリ・ジローは、30年以上にわたって「エスプリ・ナチュール」の改良を続けてきました。
自然環境への配慮や気候変動への対応など、新しい時代のシャンパン造りを模索する中で、
「理想のスタイルに到達した」との確信から、新キュヴェ**『エスプリ・ナチュール G(Esprit Nature G)』**をリリースすることになったのです。
つまり、「エスプリ・ナチュール」は終売というより、“G”に進化したと言った方が正確でしょう。
新キュヴェ「エスプリ・ナチュール G」の特徴
後継となる「エスプリ・ナチュール G」は、従来のスタイルを受け継ぎながら、よりピノ・ノワールの個性を際立たせた仕上がり。
- ブドウ構成:ピノ・ノワール80%、シャルドネ20%
- 熟成方法:アルゴンヌの森の樫樽を使用
- 味わい:果実の凝縮感が増し、フレッシュな酸と複雑な香ばしさが共存
ボトルデザインやラベルも一新され、より現代的な印象に生まれ変わりました。
価格は旧エスプリよりやや高くなりますが、それも品質の進化とこだわりの証といえるでしょう。
旧「エスプリ・ナチュール」を手に入れるには?
「やっぱり旧エスプリを飲みたい」という方も少なくありません。
在庫限りと発表されたため、今後は流通在庫を探すしかない状況です。
購入時のポイントをいくつか挙げておきます。
- 正規輸入品かどうかを確認する
ラベルに日本語表記の正規輸入シールがあるかチェック。 - 旧ラベルか新ラベルかを見分ける
“G”の記載があるものは新仕様。旧ボトルを探すなら“Esprit Nature”単独表記を確認。 - 保存状態に注意
長期在庫や高温環境で保管されていた商品は避ける。 - 信頼できる販売店から購入する
公式取扱店や大手ワインショップの通販を中心に探すのが安心です。
楽天市場やワイン専門店サイトでは、まだ少数ながら旧エスプリの在庫を扱っている店舗も見られます。
ただし、今後は希少化・プレミア化する可能性が高く、価格が上昇するリスクも。
本当に欲しい方は、早めの入手がおすすめです。
終売で高まる「アンリ・ジロー エスプリ」の希少価値
「エスプリ・ナチュール」は、アンリ・ジローの哲学を最もストレートに体現したシャンパンとして、多くのファンに愛されてきました。
そのため、“終売”と聞いて一時的に市場から消えると、コレクションや贈答用としての価値が高まることが予想されます。
特に旧ラベルは、メゾンの過渡期を象徴するボトルとして**“幻のエスプリ”**になる可能性もあります。
シャンパン愛好家にとっては、飲むだけでなく保存・記念として手元に置いておきたい1本でしょう。
代替・比較候補となるシャンパンたち
「もう旧エスプリが手に入らない」という場合でも、近しい味わいやコンセプトを持つシャンパンは存在します。
アンリ・ジローの他キュヴェや他メゾンを含め、いくつか紹介します。
- エスプリ・ナチュール G(後継モデル)
最も直接的な代替品。よりピノ・ノワールの力強さが際立つ進化版。 - フュ・ド・シェーヌ
メゾンの象徴的な樽熟成シャンパン。よりリッチで熟成感のあるスタイル。 - ボランジェ スペシャル・キュヴェ
同じくアイ村を拠点とするメゾンで、ピノ・ノワール主体の力強い味わいが特徴。 - ルイ・ロデレール コレクション242
持続可能な栽培とブレンド哲学が似ており、フレッシュさと深みのバランスが絶妙。
味わいの系統で選ぶなら、ピノ・ノワール主体のシャンパンが「エスプリ」の代替として相性が良いでしょう。
まとめ:「エスプリの魂」は“G”へと受け継がれる
今回の「アンリジロー エスプリ 終売」は、単なる販売終了ではなく、
メゾンの哲学と技術が次のステージへと進む節目と言えます。
旧エスプリを愛する人にとっては名残惜しいニュースですが、
「エスプリ・ナチュール G」によって、その精神はしっかりと受け継がれています。
もし今、旧ボトルが見つかるなら、それは“シャンパンの歴史を味わう機会”でもあります。
そして新しい「G」を開けるとき、そこにはアンリ・ジローが目指した未来のエスプリが息づいているはずです。
次の特別な日に、どちらの“エスプリ”を選ぶか――それもまた、シャンパンを楽しむ醍醐味のひとつでしょう。

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