子どものころ、あの透き通るレモンライムの味に癒された――そんな記憶を持つ人も多いのではないでしょうか。爽やかで甘すぎず、どこか海外っぽさを感じさせる炭酸飲料「セブンアップ」。
しかし最近、「そういえば、もう見かけない」と感じた人が増えています。実際、店頭から姿を消してしまったのはなぜなのか。この記事では、セブンアップ終売の背景から、再販や入手方法までをじっくり追っていきます。
セブンアップとは?世界中で愛されたレモンライムソーダ
セブンアップ(7UP)は、1930年代にアメリカで誕生した炭酸飲料です。
特徴は、レモンとライムの香りを合わせた透明な炭酸ソーダ。甘さ控えめで飲み口が軽く、食事にもよく合うことから、世界中で長く親しまれてきました。
日本ではサントリーフーズがライセンスを取得し、長年にわたって製造・販売を行っていました。缶やペットボトルで手軽に買え、自販機でもよく見かけたあの緑のラベル。まさに「懐かしの炭酸」として記憶に残っている人も多いでしょう。
セブンアップが終売になった時期
日本でのセブンアップ終売は、2021年ごろに公式発表とともに明らかになりました。
サントリーは2021年1月をもって一般消費者向け製造を終了。続いて6月には公式サイト上で「製造を終了しました」と明記しています。これにより、スーパーやコンビニなどの店頭から徐々に姿を消し、現在はほとんど見かけることがなくなりました。
ただし、完全に“消滅”したわけではありません。サントリーによると、飲食店やファミレスのドリンクバーなど、業務用向けのセブンアップは引き続き提供されているとのこと。つまり、「家庭で買えなくなった」が正確な表現です。
なぜセブンアップは終売になったのか?
終売の理由については、公式な詳細説明はありませんが、複数の要因が重なったと考えられています。
1. 炭酸飲料市場の競争激化
日本のレモンライム系炭酸には「スプライト(コカ・コーラ)」「三ツ矢サイダー(アサヒ)」という強力なライバルが存在します。
これらのブランドがすでに深く定着しており、棚スペースや販路確保の面でセブンアップは不利な立場に立たされていたと見られます。
2. 採算・販売コストの問題
販売量が減ると、製造・流通コストの負担は相対的に重くなります。
一部の消費者からは「自販機で全然見なくなった」「仕入れが減った」という声もあり、採算性を理由に製造中止を判断した可能性が高いとされています。
3. サントリーのブランド戦略の転換
セブンアップはもともと米国のドクターペッパー・スナップル・グループ(現Keurig Dr Pepper)のブランド。日本ではサントリーがライセンス生産をしていました。
しかし、サントリー自身が多様な炭酸ブランドを抱えているため、外部ブランドの継続よりも自社商品への注力を優先したと考えられます。
4. 消費者ニーズの変化
健康志向の高まりにより、炭酸飲料の売上は全体的に伸び悩んでいます。
糖分を控えた飲料やフレーバーウォーターが増え、従来型の甘い炭酸ソーダはやや時代に合わなくなっていた面もあります。
セブンアップのようなシンプルな炭酸は、かつての「定番」から「懐かしの味」へと立ち位置が変わっていったのです。
終売後もまだ飲める?セブンアップを入手する方法
「どうしてももう一度飲みたい!」という人のために、現在でも入手可能な手段を紹介します。
● 並行輸入・海外版を通販で購入
Amazonや楽天などでは、アメリカ版・イギリス版のセブンアップが並行輸入商品として販売されています。
国内製造終了後も一定数のファンが輸入販売を続けており、味もほぼ同じ。ただし、価格はやや高めで、賞味期限や輸送コストの点で注意が必要です。
● 輸入食品店・コストコなどで探す
カルディや成城石井など、一部の輸入食品専門店でも見かけることがあります。
ただし入荷が不定期なため、見つけたら“即購入”がおすすめです。
● 飲食店・ドリンクバーで味わう
前述のとおり、業務用としては一部で提供が続いています。
ファミレスやバー、カラオケなどのドリンクバーで「7UP」を選べる場合があるので、懐かしい味を探してみるのも楽しいでしょう。
セブンアップの再販・復活はある?
現時点で、日本国内での再販予定は発表されていません。
ただし、セブンアップというブランド自体は世界中で健在です。アメリカやヨーロッパでは今も日常的に飲まれており、新フレーバーも登場しています。
ブランド力や知名度を考えると、今後、日本市場で復活する可能性はゼロではありません。
特に、再び“レトロブーム”が到来した際や、ノンシュガー・ゼロカロリー版の展開が検討されれば、再び注目を浴びることもありそうです。
セブンアップが恋しい人におすすめの代替ドリンク
セブンアップが手に入らない今でも、似たテイストの炭酸飲料は存在します。
- スプライト(コカ・コーラ社)
もっとも味が近いとされる定番レモンライムソーダ。カロリーオフ版もあり、爽快感は健在。 - 三ツ矢サイダー(アサヒ飲料)
甘さのバランスと炭酸のキレが日本人好み。セブンアップよりやや柔らかい印象。 - マウンテンデュー(ペプシコ)
やや甘く刺激的ですが、アメリカンな香りが好きな人には人気。セブンアップとは系統が違う“懐かし系”として注目です。
それぞれの特徴を知ることで、「セブンアップロス」を少しでも癒すことができるかもしれません。
ファンの声:「もう一度飲みたい」「懐かしい」
SNSでは、セブンアップの終売を惜しむ声が今でも続いています。
「セブンアップがもう売ってないなんて信じられない」
「あの軽い炭酸がちょうどよかったのに」
「子どものころ、親に買ってもらってた思い出の味」
こうした声は、単なる飲料以上の存在だったことを物語っています。
世代を超えて愛されたからこそ、今も“再販を望む声”が絶えないのです。
セブンアップ終売のまとめとこれから
日本では2021年に製造終了し、店頭から姿を消したセブンアップ。
しかし、海外では今も現役で、通販や輸入店を通じて手に入れることができます。
終売の背景には市場競争や採算性、消費者ニーズの変化などがありましたが、その爽やかな味の記憶は、多くの人の中で生き続けています。
「セブンアップ 終売」という言葉に少し寂しさを感じつつも、いつかまた新しい形で復活する日を期待したいですね。
あの懐かしいレモンライムの泡が、再びグラスの中で弾ける日を願って――。

コメント