ウイスキー好きなら一度は聞いたことがある「トリス エクストラ」。
手に取りやすい価格帯と親しみやすい味わいで、多くのファンを持つ銘柄です。
しかし近年、「店頭で見かけなくなった」「終売って本当?」という声が増えています。
今回は、トリス エクストラがなぜ終売になったのか、その背景や味の違い、後継品の情報までを丁寧に掘り下げていきます。
トリス エクストラとはどんなウイスキー?
トリス エクストラは、サントリーが展開するロングセラーブランド「トリス」シリーズの一つ。
トリス自体は戦後から続くブランドで、「トリスを飲んで人間らしくやりたいな」というキャッチコピーで知られています。
トリス エクストラはその中でも、トリスクラシックよりもやや上位の位置づけにあるブレンドウイスキー。
40度のアルコール度数と、軽やかで飲みやすい香味バランスが特徴でした。
ハイボールにしてもストレートでも楽しめる万能タイプで、価格は700mlあたり1,000円前後。
コスパの良い家庭用ウイスキーとして、長年愛飲されてきました。
トリス エクストラが終売になったという噂の真相
まず結論から言うと、「完全な廃盤」ではなく「リニューアルを伴う終売・切り替え」が行われたと見られます。
サントリーの公式サイトには「製造終了商品(在庫なくなり次第終了)」として一部のトリス商品が掲載されています。
また、酒販店の販売ページでも「終売予定」と明記されたトリス エクストラの記載がありました。
さらに、ネット上の口コミでは「2023年に一度生産終了し、同年9月にリニューアル版が発売された」という情報も。
つまり、旧仕様のトリス エクストラが終売し、新仕様として再登場した可能性が高いのです。
終売(リニューアル)に至った理由を探る
では、なぜリニューアルが必要だったのでしょうか。
明確な公式発表はないものの、ウイスキー業界の動向や流通状況からいくつかの要因が考えられます。
原酒不足と生産コストの上昇
サントリーを含む多くのメーカーが直面しているのが「原酒不足」。
ハイボールブーム以降、ウイスキー需要が高まり、熟成年数の長い原酒の確保が難しくなっています。
この影響で、エントリークラスの銘柄でも原酒の配合見直しやアルコール度数の調整が行われることがあります。
トリス エクストラも例外ではなく、従来の40度から37度に変更されたという情報があります。
これは原酒構成の見直しや風味調整を意味し、同時にコスト面の負担軽減にもつながります。
市場ニーズとブランド戦略の変化
トリスシリーズはトリスクラシックやトリス〈ハイボール缶〉など、幅広いラインアップを持っています。
サントリーは近年、飲みやすさを重視したマイルドな味わいの商品展開を強化しており、
その中で旧エクストラの“力強さ”をリニューアルのタイミングで再調整したと考えられます。
つまり、単なる終売ではなく「現代の嗜好に合わせた刷新」と捉えるのが自然でしょう。
味の違い:旧仕様と新仕様の比較
実際に飲んだ人のレビューをもとに、味の傾向を見てみましょう。
旧トリス エクストラ(40度仕様)
- 香り:カラメル、バニラ、青リンゴのような軽い甘さ。
- 味わい:ストレートではアルコール感がやや強く、後から甘みが追いかける。
- ロックでは苦味が際立ち、全体的にライトな印象。
「悪くはないが深みが物足りない」「値段相応」という声が多く、エントリークラスらしいシンプルな味わいでした。
リニューアル後(37度仕様)
リニューアル版は、アルコール度数が下がり、全体的にマイルドな飲み口に変化したとされています。
一部の販売サイトでは「原酒の配合を見直し、より飲みごたえのある味わいに」との説明も。
実際のレビューでは「ハイボールにしたときにスッキリ感が増した」「口当たりが柔らかくなった」との感想が見られます。
トリスらしい軽快さを維持しつつ、現代的な味覚に寄せた印象です。
トリス エクストラの後継品・代替商品は?
明確に「後継品」として発表されている商品は存在しませんが、
実質的なポジションを引き継いでいるのがリニューアル版のトリス エクストラ(新仕様)です。
また、より安価なトリスクラシックも代替候補として挙げられます。
ハイボール用途であれば、トリス〈ハイボール缶〉や角瓶など、
同社内の他ブランドへ移行する人も少なくありません。
サントリーとしては、「トリス」というブランドを残しつつ、
時代に合わせた味の再構築を図っていると見ることができます。
販売状況と今後の見通し
現在、旧仕様のトリス エクストラはほぼ市場から姿を消しています。
一部の通販サイトやオークションでは「終売品」「在庫限り」として出品されていますが、
価格は上昇傾向にあり、在庫も限られています。
一方、リニューアル版は通常の流通経路で引き続き入手可能。
ただし、パッケージや度数の違いから旧仕様と混同しやすいため、購入時は注意が必要です。
ウイスキー業界全体としても、原酒不足とコスト上昇の影響は続いており、
今後も仕様変更や新ブランド展開が起こる可能性があります。
“トリス エクストラの時代”は一区切りを迎えたものの、
その精神は新しいボトルの中で引き継がれていると言えるでしょう。
まとめ:トリス エクストラが終売になった理由と今後の楽しみ方
トリス エクストラが終売になった背景には、
原酒不足、コスト上昇、そして市場の味覚変化といった複数の要因が重なっていました。
しかし、それは「終わり」ではなく「新しい形への進化」。
リニューアル後のトリス エクストラは、よりマイルドで飲みやすい味わいへ。
ハイボールやロックで気軽に楽しめる日常ウイスキーとしての魅力は健在です。
もし旧仕様の味を懐かしむなら、在庫を見つけた際に一本確保しておくのもおすすめ。
そして、新しいトリス エクストラを味わいながら、
時代とともに変わるウイスキー文化を楽しむのもまた一興です。
トリス エクストラは「終売」しても、愛され続けるブランドであり続けるでしょう。

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