「フェイマス グラウス メロウ ゴールドって、もう売ってないの?」
ウイスキー好きの間で、そんな声を聞くことが増えました。実際、店頭や通販サイトでこのボトルを見かけることはほとんどなくなっています。この記事では、終売の背景や味の特徴、そして再販の可能性までをじっくり解説していきます。
「フェイマス グラウス メロウ ゴールド」とはどんなウイスキー?
まずは、この銘柄の立ち位置を整理しておきましょう。
「フェイマス グラウス」は、スコットランドを代表するブレンデッドウイスキーのひとつ。1896年創業、1905年に現在の名前となり、長年にわたり「親しみやすい日常の一杯」として愛されてきました。日本でもスーパーやバーで広く知られる存在です。
その中で「フェイマス グラウス メロウ ゴールド」は、より“リッチでまろやか”をコンセプトに生まれた上位仕様。通常のフェイマス グラウスよりもシェリー樽原酒の比率を高め、甘みと奥行きを強調したブレンドとして登場しました。
色はやや濃い琥珀。香りはドライフルーツ、ナッツ、バニラ、オレンジピール。味わいは、シェリー由来の甘さとウッディな余韻がバランスよく広がるタイプ。
「フェイマス グラウスらしい飲みやすさに、ほんの少し贅沢な深みを加えた一本」と言えるでしょう。
いつ終売になった?流通から消えた時期と背景
明確な公式発表はありませんが、日本国内での流通はおおむね2019年頃を境に途絶えたとされています。酒販店やネット通販でも在庫が見られなくなり、「終売」「廃盤」との表記が増えました。
ただし、ここで注意が必要です。
“終売”とは必ずしも「製造終了」を意味する言葉ではありません。特に海外ブランドの場合、日本での正規輸入が止まっただけでも、実質的に市場から姿を消すことがあります。
実際、フェイマス グラウス メロウ ゴールドも、正規輸入ルートの終了が大きな転機だったと見られています。輸入元のラインナップ整理により、国内での取り扱いが中止。その結果、「店頭から消えた=終売」という印象が広がったわけです。
終売理由①:ブランドのライン整理
ウイスキーブランドは、時代や市場のニーズに合わせてラインを見直すことがあります。
フェイマス グラウスも例外ではありません。
同ブランドでは、「ブラック グラウス」が「フェイマス グラウス スモーキーブラック」にリニューアルされたように、製品構成をシンプル化する動きが進んでいました。
フェイマス グラウス メロウ ゴールドは上位仕様とはいえ、販売量や知名度ではスタンダード版に及ばず、結果的に整理対象となった可能性が高いと考えられます。
特に、ブレンデッドウイスキー市場では「明確な差別化」が求められるため、似た価格帯・風味の製品を複数維持するのは難しいのです。
終売理由②:コストと原酒事情の変化
もう一つの理由として、原酒の確保とコスト上昇が挙げられます。
フェイマス グラウス メロウ ゴールドは、シェリー樽熟成原酒を多めに使用したブレンドでした。
しかし近年、世界的なウイスキーブームの影響で、熟成原酒やシェリー樽の確保が難しくなっています。
原材料費や輸送費の高騰も重なり、「リッチ仕様の低価格ウイスキー」は採算が取りづらい状況になっていました。
あるレビューでは「この味でこの価格は採算度外視では?」という声もあったほど。
つまり、品質を保ちながら販売価格を維持することが難しくなり、継続が難しかったと見るのが自然です。
終売理由③:日本市場での需要バランス
日本では「フェイマス グラウス ファイネスト」が長年定番として定着しており、フェイマス グラウス メロウ ゴールドは一部の愛好家向けという位置づけでした。
販売数が限られていたため、店側も在庫リスクを避けて仕入れを控えがちに。結果として、市場での回転率が低くなり、自然に消えていったと考えられます。
さらに2019年以降、円安や物流コスト上昇などの影響もあり、並行輸入品の扱いも減少。
このように、供給面・需要面の両方が縮小したことが、“実質的な終売”につながったわけです。
味の特徴を改めて振り返る
フェイマス グラウス メロウ ゴールドの魅力は、なんといってもその「まろやかさ」と「ほのかな甘み」。
以下のような香味バランスで、多くのファンを虜にしました。
- 香り:ナッツ、ハチミツ、オレンジピール、ドライフルーツ
- 味わい:バニラとシェリーの甘さ、ほのかなスパイス、ブラウンシュガー
- 余韻:ビターなチョコレート、オークの渋み、柔らかな後味
派手さよりも“穏やかな豊かさ”を重視したブレンドで、ストレートでもロックでも優しい飲み口。
ハイボールにしても甘みが引き立ち、「上品なデザートウイスキー」という表現もぴったりです。
スタンダードなフェイマス グラウスに比べると、よりシェリー香が強く、アルコールの角も丸い。
落ち着いた夜にゆっくり味わうタイプの一本でした。
再販の可能性はある?
現時点で、メーカーや輸入代理店から再販の公式情報は出ていません。
そのため、短期的に再登場する可能性は低いと見られます。
ただし、ウイスキー業界では「限定復刻」や「免税店限定ボトル」として再登場するケースもあります。
フェイマス グラウス自体は今もブランドとして健在で、新しいボトルを随時リリースしているため、フェイマス グラウス メロウ ゴールドのレシピを踏まえた“後継モデル”が登場する可能性はゼロではありません。
それまでは、現存する在庫を探すのが現実的な手段となります。
一部のオンラインショップやオークションでは、まだ少数ながら出品が見られます。
ただし、プレミア価格になっている場合もあるので、購入時は価格相場と状態の確認を忘れずに。
「代わりにどれを飲めばいい?」という人へ
もしフェイマス グラウス メロウ ゴールドに近い味わいを求めるなら、以下のような選択肢があります。
- フェイマス グラウス ファイネスト:ブランドの基本形。軽やかで飲みやすく、日常使いに最適。
- フェイマス グラウス スモーキーブラック:ピート香を加えたバリエーション。甘さよりも香ばしさ重視。
- **モンキーショルダーやデュワーズ12年**など、シェリー樽原酒をブレンドした中価格帯も候補です。
「メロウ ゴールドの代替」とまでは言えませんが、同じ方向性の“やわらかな甘さ・シェリー感”を楽しめるボトルを探すことは可能です。
今買うなら、どんな点に注意すべきか
もし今からフェイマス グラウス メロウ ゴールドを入手したい場合、次の3点に気をつけましょう。
- 価格の上昇
終売後のプレミア化で、かつての倍以上の価格になっているケースもあります。 - 並行輸入品の状態確認
海外保管のためボトルラベルや液面に差がある場合があります。写真・説明をよく確認しましょう。 - 飲む用かコレクション用かを明確にする
味わいたいのか、保存しておきたいのかで選ぶ基準は変わります。
保存用なら温度・光に注意し、開封予定があるなら早めに楽しむのがおすすめです。
フェイマス グラウス メロウ ゴールドの終売は惜しいが…
フェイマス グラウス メロウ ゴールドは、手頃な価格で本格的なシェリー香を楽しめる“隠れた名ボトル”でした。
その終売はウイスキー愛好家にとって残念なニュースですが、ブランドの進化の裏には常に市場変化があります。
原酒事情やコスト、需要バランスを考えれば、仕方のない決断だったとも言えます。
それでも、このボトルが残した「まろやかでやさしい味わい」は、多くの人の記憶に残っています。
もし再び復活することがあれば、きっと多くのファンが歓喜することでしょう。
フェイマス グラウス メロウ ゴールドの終売理由と再販の可能性まとめ
- 終売の主因は正規輸入の終了・ラインナップ整理・原酒コストの上昇
- メーカーの公式な「完全終了」発表はなし
- 再販の見込みは現時点で不明(限定復刻の可能性は残る)
- 現在は入手困難で、在庫は高騰傾向
- 味の特徴は“まろやかで甘く、シェリー樽由来の豊かさ”
「フェイマス グラウス メロウ ゴールドの終売理由は?味や再販の可能性を徹底解説」――
この一本を愛した人なら、もう一度あの香りに出会いたいと願うはず。
ウイスキーの世界は巡り巡るもの。いつか再び、グラスの中でその“メロウな金色”が輝く日を期待して待ちたいですね。

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