ウイスキー好きの間で密かに話題になっている「ホワイトアンドマッカイ13年」。近ごろ「どうやら終売になったらしい」という声を耳にした人も多いのではないでしょうか。
この記事では、その終売の真相や、愛され続けた理由、そして今からでも楽しめる代替銘柄をじっくり紹介していきます。
ホワイトアンドマッカイ13年とは？歴史あるブレンデッドの代表格
ホワイトアンドマッカイ（Whyte & Mackay）は、1844年にスコットランド・グラスゴーで創業した老舗ウイスキーメーカーです。創業者はジェームズ・ホワイトとチャールズ・マッカイ。長い歴史の中で、彼らは「モルトとグレーンの絶妙な融合」にこだわり続けてきました。
そんなブランドが手掛けた「ホワイトアンドマッカイ13年」は、ブレンデッドスコッチの中でも特に評価の高い1本。
12年熟成のモルトウイスキーをさらに1年間シェリー樽で追熟し、その後グレーンウイスキーと丁寧にブレンド。つまり、ただの“13年熟成”ではなく、「トリプルマチュアード」と呼ばれる工程で完成される、こだわりの逸品です。
香り・味わいの特徴：シェリー香とバニラの調和
ホワイトアンドマッカイ13年の最大の魅力は、その香りと味わいの“バランスの良さ”にあります。
一口含むと、まずシェリー樽由来の芳醇な香り。レーズン、蜂蜜、キャラメル、バニラが柔らかく広がり、奥にはナッツやオークのニュアンスが漂います。
味わいは滑らかで、ほどよくコクがありながらも飲み疲れしない。ストレートはもちろん、ロックや加水でも個性を崩さない懐の深さがあります。
実際に飲んだ人の間では「この価格でこれだけ上質なシェリー香が楽しめるのは奇跡」とまで言われたほど。飲みやすさと香ばしさを両立した、非常に完成度の高いブレンデッドウイスキーでした。
なぜ終売？ホワイトアンドマッカイ13年が消えた背景
「終売」と聞くと、まず気になるのはその理由ですよね。
実は、メーカーから正式な「生産終了のお知らせ」は出ていません。しかし、日本の酒販店では「メーカー製造分なくなり次第終売」との表記が相次ぎ、現在ではほとんど新品を見かけなくなりました。
理由として考えられるのは大きく3つ。
- 熟成年数13年の維持コスト
ブレンデッドといえど、13年熟成となると原酒確保が難しく、長期熟成によるコスト負担も大きい。特にシェリー樽を使用するとなれば、安定供給は容易ではありません。 - ブランド戦略の見直し
ホワイトアンドマッカイ社は、ダルモアやジュラなどのモルトブランドにも注力しています。ブランド再編の流れの中で、エイジ付きブレンデッドの整理が行われた可能性があります。 - 原酒不足と市場変化
世界的なウイスキーブームにより、熟成原酒が不足。特に長期熟成タイプは需要に追いつかず、ラインナップ整理の波に飲まれたと考えられます。
いずれにせよ「13年」という希少な熟成年数のモデルは姿を消し、現在では在庫限りの“幻のボトル”となってしまいました。
終売後の入手状況：見かけたら即確保が正解
終売の噂が出てからしばらくの間は、やまやや一部の酒販店で見かけることもありました。しかし、2025年現在では流通在庫が急速に減少しています。
ネット通販でも「終売品」「現行なし」「貴重なお品」という表記が並び、価格も上昇傾向。
かつて2,500円前後で買えたボトルが、今では9,000円近くで取引されるケースもあるほどです。
フリマアプリやオークションサイトでは未開栓品が出回っていますが、購入時は「保存状態」「液面の高さ」「キャップの劣化」などを必ず確認しましょう。古酒扱いとなるため、品質保持は個体差が出やすい点にも注意が必要です。
飲み方のおすすめ：ストレートから加水まで
このウイスキーの良さを最大限に感じたいなら、まずはストレート。
グラスに注ぐと、香ばしいシェリー香とバニラが立ち上がり、口に含むと優しい甘みが広がります。
次に少量の加水。ここで一気に香りが開き、ドライフルーツのような熟成感が際立ちます。
ロックでは冷却によって甘さが締まり、キレのある飲み口に変化。飲み方によって印象が変わるため、1本で何通りもの楽しみ方ができるのも魅力です。
ホワイトアンドマッカイ13年が愛された理由
なぜここまで人気を集めたのか。それは「手頃な価格で高級感を味わえる」からに他なりません。
・シェリー樽由来の深い香り
・熟成年13年のまろやかな舌触り
・クセが少なく飲みやすい味わい
・ブレンデッドらしい調和と滑らかさ
この4つの要素が揃ったウイスキーは、意外と多くありません。
「毎晩飲める上質な1本」として愛飲者が多かったのも納得です。
レビューでも「バランスが良く、価格以上の満足感」との声が多数。特にウイスキー初心者にも受け入れられやすい飲み口が、人気の秘密でした。
代替銘柄の探し方：味の方向性で選ぶのがポイント
残念ながらホワイトアンドマッカイ13年はもう手に入りにくいですが、似た味わいの銘柄を探すことはできます。
ポイントは「シェリー系熟成」「10〜15年熟成」「ブレンデッドタイプ」という3条件。
以下のような銘柄は、方向性が近いとされています。
- ホワイトアンドマッカイ12年
同ブランドの下位モデルながら、13年と同系統のバランスの取れた味わい。 - フェイマスグラウス シェリーカスクフィニッシュ
シェリー樽特有の甘みと香ばしさが際立つ人気ブレンデッド。価格も手頃です。 - ジョニーウォーカー ブラックラベル12年
スモーキーさがやや強めですが、熟成感とバランスの良さが近い立ち位置。 - バランタイン12年
ややライトな印象ながら、飲みやすく毎晩の1杯にぴったり。 - モンキーショルダー
ブレンデッドモルトならではの厚みと華やかさ。シェリー香ではないが、似た深みが楽しめます。
完全に同じ味わいではありませんが、“飲みやすくて芳醇”という軸で探せば、ホワイトアンドマッカイ13年の魅力を追体験できるはずです。
コレクションとしての価値：終売品の魅力をどう活かすか
終売品は、飲む楽しみだけでなく“持つ喜び”も大きい存在です。
ホワイトアンドマッカイ13年は、今後再販の見込みが薄いため、未開栓の状態で保管すれば希少ボトルとしての価値が上がる可能性もあります。
保管の際は、直射日光を避け、温度変化の少ない場所で保管するのが基本。
栓やラベルの状態を保つことで、将来的に売却や譲渡を考える際にも価値を保てます。
とはいえ、ウイスキーは「飲んでこそ楽しめる」もの。
“今飲む用”と“保存用”に分けて手元に置いておくのが、一番幸せな選択かもしれません。
ホワイトアンドマッカイ13年が終売？希少スコッチの魅力を今こそ味わいたい
ホワイトアンドマッカイ13年は、シェリー樽由来の豊かな香りと13年熟成のまろやかさを併せ持つ、完成度の高いブレンデッドスコッチでした。
終売によって入手が難しくなった今、その価値はむしろ高まっています。
もし酒販店やネットで偶然見つけたら、迷わず確保しておくのがおすすめ。
そして、似た味わいの代替銘柄を探して、自分好みの「次の一本」を見つけてみるのも楽しい時間です。
ウイスキーは、出会いも一期一会。
ホワイトアンドマッカイ13年という名ボトルが残した余韻を、次の一杯へつなげていきましょう。
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