「ホワイトホース12年が終売したらしい」という噂を耳にして、驚いた方も多いのではないでしょうか。
長年愛飲してきたスコッチファンにとって、このニュースはまるで突然の別れのよう。
でも実際のところ、本当に終売してしまったのか、それとも一時的な品薄なのか——。
今回は、ホワイトホース12年の販売状況や背景、そして再販の可能性までをじっくり掘り下げてみます。
ホワイトホース12年とはどんなウイスキー?
ホワイトホースといえば、スコットランドを代表するブレンデッドスコッチ。
その中でも「ホワイトホース12年」は、日本市場向けに特別にリリースされたプレミアムラインとして知られています。
キリンビールの公式サイトでは「和食にも合う12年」と紹介され、上品でバランスの取れた味わいが特徴。
ブレンドの中心には、アイラ島のラガヴーリン蒸溜所のモルトが使われているとも言われ、ほんのりスモーキーで奥行きのある香りが楽しめます。
“ホワイトホースらしさ”を残しつつも、12年熟成ならではのまろやかさを備えた、完成度の高い一本です。
「終売した」という噂はどこから広まったのか?
SNSや一部ウイスキーブログで「ホワイトホース12年が終売」と投稿されたことが、噂の出発点のようです。
特に、ウイスキー専門サイトの中には「終売が発表された」「もう手に入らない」といった見出しを掲げた記事もあり、ネット上で急速に広がりました。
しかし、これらの情報の多くは“公式発表”ではなく、あくまで「店頭で見かけなくなった」「仕入れ先が在庫切れと言っていた」といった状況報告レベル。
つまり、流通上の一時的な在庫減少が「終売」と誤って解釈された可能性が高いのです。
現在も販売されている?公式サイトと流通状況をチェック
結論から言うと、ホワイトホース12年は2025年現在も販売が続いています。
キリン公式ブランドサイトには今も「ホワイトホース12年(和食にも合う12年)」の紹介ページが存在。
そこでは、他のラインナップ(ファインオールドなど)と並んで、現行商品として掲載されています。
また、楽天市場やAmazonなどの通販サイトでも、在庫がある店舗が確認できます。
ただし、以前よりも出品数は少なくなっており、価格帯も2,000円台から3,000円前後に上昇している傾向が見られます。
「売り切れ」「再入荷待ち」となっているショップもあるため、安定供給が難しくなっているのは確かです。
このように、完全に終売したわけではないが、流通量は減少している——それが現状の正確な姿といえます。
では、なぜ「終売に近い」と感じる人が増えたのか?
実際のところ、終売とまではいかなくても、“終売のように見える”理由はいくつかあります。
1. 原酒不足とコスト高騰
12年という長期熟成を要するため、原酒在庫の確保は容易ではありません。
ウイスキーブームの影響で世界的に熟成年数付き原酒が不足しており、ブレンド構成を維持するのも難しくなっています。
加えて、輸送費・原材料費の高騰も重なり、採算ラインが厳しくなっている点も背景にあります。
2. ブランド戦略の見直し
ホワイトホースは「手頃で親しみやすいスコッチ」というブランドイメージを大切にしています。
そのため、近年はファインオールドなどのスタンダード品を中心に訴求しており、12年はあくまで“上位ライン”扱い。
販売量が少ないため、取り扱う店舗が減ってきたことが「終売に見える」一因になっています。
3. 店舗ごとの仕入れ停止
スーパーや量販店では、売上が安定しない高価格帯商品を取り扱わないケースも増えています。
ホワイトホース12年は、一般的なファインオールドに比べて価格が倍近くするため、棚落ち(棚から外す)する店舗が増えています。
このため「見かけなくなった=終売した」と誤認されることも多いようです。
1998年にも“終売”があった?意外な過去
実はホワイトホース12年には、過去にも終売の歴史があります。
1998年、当時の「ホワイトホース12年(旧仕様)」が販売終了し、現行モデルにリニューアルされたことがニュースとして報じられました。
つまり「12年」という名前は続いていても、中身やラベルが変わった“新バージョン”として再登場した経緯があります。
この前例があるため、今回の噂も「リニューアルや仕様変更の前触れなのでは?」という憶測につながっているようです。
再販・リニューアルの可能性はあるのか?
もし仮に一時的に出荷停止や縮小が行われている場合、再販の可能性は十分にあります。
ウイスキー業界では、熟成原酒の回復や供給体制が整ったタイミングで“再登場”するケースが多いからです。
再販の条件としては、
- 原酒在庫の安定化
- 為替・コスト面の改善
- ブランド戦略上の再評価
この3点が大きな鍵を握ります。
特にホワイトホースはキリンを通じて日本市場で根強い人気を誇るブランド。
企業としても12年という象徴的なラインを完全に失うことは避けたいはずです。
そのため、もし一時的な供給調整であれば、今後リニューアルや数量限定の再販が行われる可能性も考えられます。
ファンができること:見つけたら早めに確保を
現時点で確実に言えるのは、「在庫はまだあるが、いつまで安定して入手できるかは分からない」ということ。
すでに一部の店舗ではプレミア価格で販売されており、今後さらに入手困難になるおそれもあります。
ホワイトホース12年は、日常飲みにもギフトにも使える万能な一本。
もし店頭や通販で見つけたら、今のうちにストックしておくのも悪くありません。
再販があったとしても価格が上がる可能性は高く、今の相場が“最後のチャンス”になるかもしれません。
ホワイトホース12年が終売って本当?まとめと今後の注目点
改めて整理すると、
- 公式には終売発表は出ていない
- 一部店舗で品薄・在庫切れが発生している
- 流通量の減少が“終売”という誤解を生んでいる
- 再販やリニューアルの可能性は残されている
つまり、ホワイトホース12年は完全に終売したわけではないが、実質的に入手が難しくなりつつあるというのが現実です。
今後、キリンやブランドオーナーから新しい動きが発表されるかもしれません。
長年愛されてきたこのスコッチが、再び安定して手に入る日が来ることを願いつつ、
ホワイトホース12年の今後の動向に注目していきたいところです。

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