シャンパン好きの間で長年愛されてきた「ルイ・ロデレール ブリュット プルミエ」。
近ごろ「終売したらしい」「もう手に入らない」といった噂が広がっています。
本当に終売なのか?その理由は?そして今でも買えるのか?
今回は、その真相を詳しく掘り下げていきます。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエとは
まず、このシャンパンの基本を押さえておきましょう。
ルイ・ロデレール(Louis Roederer)は1776年創業、フランス・シャンパーニュ地方の老舗メゾン。
世界的にも高い評価を受ける生産者で、「ルイ・ロデレール クリスタル」などの高級キュヴェでも知られています。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエは、そんなルイ・ロデレール社が長年造り続けてきた“看板キュヴェ”。
複数年のブドウをブレンドする「マルチ・ヴィンテージ」スタイルで、
ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエを絶妙なバランスで配合。
豊かな果実味とミネラル感、そして繊細な泡立ちが魅力でした。
つまり、メゾンの哲学や技術が凝縮された一本。
「シャンパーニュ入門にして王道」とも呼ばれてきたのです。
終売の噂は本当なのか?
結論から言えば、**ルイ・ロデレール ブリュット プルミエ**は実際に終売しています。
2021年末、輸入元やワイン誌などが相次いで発表した内容によると、
ルイ・ロデレールはこの定番キュヴェの生産を終了。
その後継として「ルイ・ロデレール コレクション 242」シリーズを新たに展開し始めました。
公式のアナウンスでは、
「ブリュット プルミエの時代に幕を下ろし、よりテロワールを重視した新しいブレンドへ」
と説明されています。
つまり単なる“製品リニューアル”ではなく、
メゾンの思想そのものを刷新する大きな転換だったのです。
なぜ終売になったのか?4つの理由
長年愛された定番をなぜ終売に?
背景には複数の理由が絡んでいます。
1. 新スタンダード「コレクション」への刷新
最大の理由は、新シリーズ「ルイ・ロデレール コレクション 242」への切り替え。
メゾンは「毎年同じ味を再現する」のではなく、
その年のブドウや気候を生かした“自然体のブレンド”を目指す方向に舵を切りました。
第一弾が「コレクション 242」。
この数字は、1776年創業から242回目の収穫年を意味します。
以降、243、244…と続く予定で、年ごとに個性が変化していくシリーズなのです。
2. 気候変動への対応
近年、シャンパーニュ地方では気候変動の影響が深刻です。
夏の気温上昇や冬の暖化により、ブドウの成熟度や酸のバランスが変化。
これまでの「固定的なブレンド」では理想の味わいを維持しにくくなりました。
ルイ・ロデレールはそれを正面から受け止め、
「自然の恵みに寄り添うスタイル」へと切り替えたのです。
3. 品質と表現の追求
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエは安定感が魅力でしたが、
一方で「完成されすぎて個性が見えにくい」との声もありました。
新シリーズでは、リザーヴワインを増やし、
樽熟成やソレラシステム的な要素を取り入れることで、
より奥行きある味わいを表現しています。
つまり、終売は“劣化”ではなく“進化”のための決断でした。
4. ブランド戦略の再構築
もうひとつの理由がブランドの再設計。
ラベルデザインも一新し、より現代的で持続可能なイメージを強調。
若い世代にも届くシャンパーニュとして再スタートを切ったのです。
現在の在庫・販売状況
「もう買えないの?」という方のために、現状を整理します。
日本国内ではすでに正規輸入は終了していますが、
一部の酒販店やオンラインショップでは「在庫限り」で販売中です。
- 酒のやまや、かめやなどのオンラインストアでは「終売予定在庫限り」と表記。
- ワイン通販サイトでは「売り切れ」表示も多く、残り在庫はごくわずか。
- 並行輸入品や旧ラベルの在庫を扱うショップも一部存在。
価格帯は以前より上昇傾向にあり、
定価6,000円台後半だったものが、現在は1万円前後で出ているケースもあります。
つまり、**今が本当に“最後のチャンス”**です。
気になる方は早めのチェックをおすすめします。
購入時の注意点
終売品を探すときは、いくつか注意が必要です。
- 正規品か並行品かを確認する
ラベル表記や輸入元情報を確認。信頼できる販売店での購入が安心です。 - 保管状態に注意
終売から数年経っているため、保存環境によって品質差があります。
ワインセラー管理などを明示している店舗を選びましょう。 - 価格の妥当性をチェック
プレミア価格で出回ることも。相場を比較し、納得して購入することが大切です。
終売後の後継シリーズ「コレクション」との違い
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエに代わって登場した「ルイ・ロデレール コレクション 242」は、
味わいの方向性こそ異なりますが、共通点もあります。
- フレッシュさと奥行きの両立
- 果実味と酸のバランスの良さ
- エレガントで食事に合わせやすいスタイル
一方で、より現代的で力強い印象を与えるのがコレクションの特徴。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエが「クラシックな美しさ」なら、
コレクションは「今の時代を映した進化系」といえるでしょう。
飲み比べると、ルイ・ロデレールがどんな思想で変化を遂げたかが実感できます。
終売によって生まれた“特別な価値”
「もう造られない」という事実は、ワインの世界では大きな意味を持ちます。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエは、ルイ・ロデレールが長年築いてきたスタイルの集大成。
その最終ロットを味わえるのは、今だけの贅沢です。
コレクションシリーズが進化を続ける中、
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエは“クラシック・ロデレール”を象徴する存在として、
今後ますます希少性が高まるでしょう。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエ終売まとめ
・終売は公式に発表されており、国内正規ルートでは生産・輸入ともに終了
・理由は気候変動、品質向上、ブランド刷新など複合的要因
・後継シリーズ「ルイ・ロデレール コレクション 242」がスタンダードとして登場
・在庫は残りわずかで、プレミア化の兆しあり
・購入時は正規品・保存状態・価格を要確認
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエ終売を惜しみつつ
長年、世界中の食卓や祝いの席を彩ってきたルイ・ロデレール ブリュット プルミエ。
その幕引きは寂しくもありますが、
メゾンが未来へ進むための新たな一歩でもあります。
もしまだ味わったことがない方は、
在庫が残っているうちにぜひ一度手に取ってみてください。
そして、新しい「ルイ・ロデレール コレクション 242」シリーズと飲み比べながら、
ルイ・ロデレールという偉大なメゾンの変化を感じてみるのも一興です。
ルイ・ロデレール ブリュット プルミエが築いた歴史と、新時代の息吹。
その両方を味わえる今こそ、最高のタイミングかもしれません。

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