「最近、新政グリーンラベルを見かけなくなった…」
そんな声がじわじわと広がっています。秋田の地酒として根強い人気を誇ったこの一本が、本当に終売になってしまったのか。
この記事では、新政グリーンラベルの終売に関する現状や背景、そしてまだ購入できる在庫情報までを、わかりやすくまとめていきます。
新政グリーンラベルとは？秋田限定の“幻の定番酒”
まず、新政グリーンラベルがどんなお酒だったのかをおさらいしておきましょう。
新政酒造といえば、「No.6」シリーズや「Colors」シリーズなど、木桶仕込み・生酛造りで知られる革新的な蔵元。そんな新政の中でも新政グリーンラベルは、秋田県内限定流通という珍しいポジションにあった銘柄です。
容量は一升瓶（1800ml）のみ。火入れタイプで、冷蔵保管を必要としない常温流通が特徴でした。
使用している酵母は、蔵の象徴ともいえるきょうかい6号酵母。香り控えめながらも透明感のある酸味と旨味を持ち、地元では日常酒として愛されてきた存在です。
「派手さはないけれど、飽きずに飲める」。
そんな声が多く、秋田の食卓を支えてきた新政グリーンラベルは、いわば“地元限定のスタンダード”といえるでしょう。
「終売」の噂が広がったきっかけ
ここ数年、SNSや酒好きのブログで「新政グリーンラベルが終売らしい」という話題が急速に広まりました。
2024年の夏頃から、秋田県内でも入手困難になってきたという声が多く見られます。
「地元スーパーで最後の1本を見つけた」
「酒販店から“もう入荷はない”と言われた」
といった投稿が目立つようになり、やがて“終売確定”という噂に発展していきました。
一部のブログ記事でも、「原料米の不作により、一升瓶限定の新政グリーンラベルが姿を消すのでは」という記述があり、さらに信憑性を高めています。
ただし、新政酒造から公式な終売発表が出されたわけではなく、現状は“流通停止・在庫限り”の状態と見るのが現実的です。
新政グリーンラベルが終売と考えられる理由
なぜ、新政グリーンラベルは姿を消してしまったのか。
考えられる要因を、いくつかの観点から整理してみましょう。
1. 原料米・生産量の制約
新政酒造は、秋田県産米を使用し、木桶仕込みや生酛造りといった手間のかかる製法を採用しています。
このスタイルを維持するためには、仕込み量や原料確保に限界があります。
特に、2023〜2024年は東北地方で米の収穫量が減少傾向にあり、生産全体のバランスを取るために新政グリーンラベルが優先度を下げられた可能性があります。
2. 一升瓶限定という流通上の負担
新政グリーンラベルは一升瓶限定で流通しており、4合瓶のような小容量タイプがありません。
地方限定・大型瓶という条件は、全国的な需要が高まる中では流通コストの面で非効率となります。
蔵としても、新しいシリーズにリソースを集中するため、こうした“地元限定モデル”を整理したと考えられます。
3. ブランド戦略の再構築
新政酒造はここ数年でブランド全体を再編成し、高品質ライン（No.6やColorsシリーズ）に注力しています。
結果として、新政グリーンラベルのような従来型ラインは徐々に姿を消す方向へ。
同蔵の他の定番銘柄「瑠璃」「生成」などと比較しても、価格帯・製法の差別化が進んでおり、新政グリーンラベルはブランド内での位置づけを失いつつありました。
実際に終売している？現場からの声を検証
秋田県内の複数の酒販店では、すでに「新政グリーンラベルは入荷終了」との案内が出ています。
オンライン上でも、楽天市場やAmazonなどでの取り扱いはほぼ確認できません。
一方、SNS上では「2022年瓶詰の在庫を買えた」という報告が散見され、どうやら2023年末頃までは一部流通が続いていたようです。
レビューサイトでも「2022年11月製造・2023年8月出荷」を最後に更新が途絶えており、これを最後のロットとする見方が濃厚です。
つまり、実質的には終売状態と見て差し支えない状況です。
今買える在庫情報と入手のコツ
「どうしても飲みたい」「もう一度手に入れたい」という方も多いはず。
ここでは、2025年現在でも入手のチャンスが残っている場所を紹介します。
1. 地元秋田の酒販店
秋田市や大仙市など、蔵に近い地域の酒販店にはわずかな在庫が残っているケースがあります。
ただし、電話問い合わせや店頭限定販売が多いため、通販での購入は難しいのが現状です。
2. フリマアプリ・オークションサイト
メルカリなどの二次流通では、時折「新政グリーンラベル 2022年製造」といった出品が見られます。
ただし、保管状態や出荷時期を確認せずに購入すると、品質にばらつきが出る可能性もあります。
購入前には、出品者が「未開栓・冷暗所保管」などの詳細を明示しているか確認しましょう。
3. 一部の酒専門通販サイト
ごくまれに、在庫僅少としてオンラインショップに残っているケースもあります。
ただし、価格はプレミアム化しており、定価の2〜3倍で販売されている場合も。
それでも「最後にもう一度飲みたい」という方にとっては、現実的な選択肢といえるでしょう。
新政酒造の今と、これからの展開
新政グリーンラベルが姿を消した一方で、新政酒造はブランド全体の質をさらに高める方向に舵を切っています。
代表的なのが「No.6」シリーズの進化や、「亜麻猫」「陽乃鳥」などの人気銘柄の再定義です。
これらはいずれも数量限定・高品質志向で、希少性が年々増しています。
新政グリーンラベルのような“日常酒”がなくなるのは寂しいですが、その分、蔵としては「本質的な酒造り」に集中する姿勢が見えます。
消費者としては、蔵の方向性を理解しながら、次に登場する可能性のある新シリーズに期待するのも良いでしょう。
代替として楽しめる新政酒造ラインナップ
「新政グリーンラベルが買えないなら、他に似た味わいのものは？」
そんな疑問を持つ方のために、代替的に楽しめる新政酒造のラインを紹介します。
- 生成（エクリュ）：純米酒ベースで、柔らかく穏やかな酸味。食中酒向け。
- 瑠璃（ラピス）：華やかで軽快、ややフルーティー。グリーンラベルより上位クラス。
- No.6 R-type：モダンな味わいながら、6号酵母らしいキレを堪能できる一本。
いずれも入手難易度は高いですが、タイミング次第では通販や抽選で手に入ることもあります。
新政グリーンラベル終売のまとめ：在庫は「見つけたら即買い」
ここまで紹介してきた通り、新政グリーンラベルは現在ほぼ市場から姿を消しています。
正式な終売発表こそないものの、実質的な生産終了・在庫限りと考えてよいでしょう。
まだ在庫を扱っている店舗があるなら、迷わず確保しておくのが賢明です。
特に2022年〜2023年瓶詰のロットは、状態さえ良ければ十分に美味しく楽しめます。
そして、もし入手が叶わなかったとしても、新政酒造は次々と新しい挑戦を続けています。
新政グリーンラベルの系譜を感じさせる新作が登場する日を、楽しみに待ちましょう。
「新政グリーンラベル 終売」は、ひとつの時代の終わりを告げるニュースかもしれません。
しかし、それは同時に、新政酒造が次の時代へ進むための“節目”でもあります。
いつかまた、あの緑のラベルが復活する日を願いながら、今は残された一本を静かに味わいたいものです。
コメント