「白加賀梅酒、もう売ってないの？」──そんな声が最近SNSや酒好きの間で増えています。長年愛されてきたあの上品な香りとバランスのとれた味わいが、もう店頭で見つからない。今回は、サッポロが手がけた「白加賀梅酒」の終売の真相と、今からでも手に入る方法、さらに代わりに楽しめる後継梅酒までを詳しく紹介していきます。
白加賀梅酒とは？群馬生まれの名品「白加賀」を使った梅酒
まずは「白加賀梅酒」がどんなお酒だったのかを振り返りましょう。
白加賀梅酒は、サッポロビールが販売していた梅酒ブランドのひとつで、群馬県榛名山麓で育った梅の名品「白加賀」を100％使用していました。この白加賀という品種は、果肉が厚くて酸味と甘みのバランスがよく、梅酒づくりに理想的な梅として知られています。
瓶を開けると、ふわっと上品な梅の香り。味わいは濃厚なのにくどくなく、食後酒にもぴったり。アルコール度数は約12％で、ロックやソーダ割りでもしっかりと梅の風味を感じられる仕上がりでした。特に「熟成濃厚梅酒 白加賀」や「白加賀でつくった梅酒」といったシリーズは、家庭用から贈答用まで幅広く愛されていました。
白加賀梅酒が終売に…サッポロ公式も明記
サッポロの公式サイトでは、すでに「熟成濃厚梅酒 白加賀」について「製造・販売を終了いたしました」と明記されています。製造終了商品一覧にも掲載されており、メーカーとしての生産は完全にストップしている状態です。
つまり、公式には「終売」と判断して間違いありません。
2024年頃から徐々に市場で見かける機会が減り、2025年現在では在庫限りの販売になっています。楽天市場や一部のリカーショップでは「終売予定」「在庫限り」との記載が見られ、現時点で入手できるのは本当にラストチャンスと言えるでしょう。
なぜ終売？白加賀梅酒が姿を消した背景
メーカーからは具体的な理由の公表はありませんが、いくつかの要因が考えられます。
1. 原料となる「白加賀梅」の供給難
白加賀梅は群馬県榛名山麓の特産で、生産量が限られています。気候変動や高齢化による農家減少などの影響で、近年は収穫量が不安定になっているとされます。高品質な梅の確保が難しくなれば、商品としての継続は難しいのが現実です。
2. 梅酒市場の競争激化
チューハイやRTD（Ready To Drink）系ドリンクの人気拡大で、梅酒の需要がやや落ち着いてきていることも一因でしょう。かつては家庭の定番だった梅酒も、若年層ではカクテルや低アルコール飲料にシフトしています。
3. ブランドラインの整理
サッポロでは他のリキュールブランドや新シリーズの開発も進んでおり、商品ラインの統合・整理の一環として終売になった可能性もあります。メーカーが“全体最適”を図るなかで、販売ボリュームが一定以下の製品が整理されることは珍しくありません。
今からでも買える？白加賀梅酒の入手方法
終売と聞くともう手に入らないと思いがちですが、実はまだ手に入るチャンスはあります。ここでは、安全に入手できる可能性のある方法を紹介します。
1. ネット通販の在庫を探す
楽天市場やAmazonなどの大手ECサイトでは、在庫限りの商品がまだ出品されていることがあります。「白加賀でつくった梅酒」「熟成濃厚梅酒 白加賀」などの名称で検索すると、1.8Lや720mlボトルがヒットすることも。
ただし、表示が「在庫あり」となっていても、購入タイミングによっては完売していることが多いので注意が必要です。気になったらすぐに確保しておくのがベターです。
2. 地方の酒販店や業務用卸をチェック
都内や大都市圏ではすでにほぼ姿を消していますが、地方の酒店や業務用卸では在庫を抱えている場合があります。電話で問い合わせると、倉庫に数本だけ残っているケースもあるので、諦めずに探してみましょう。
3. 古酒・リカー専門店
終売品を扱う専門店では「プレミア価格」で販売されることもあります。購入時は保存状態をしっかり確認し、未開封であること、直射日光を避けて保管されていたことをチェックしましょう。
4. フリマ・オークションサイト（注意点あり）
メルカリやヤフオクなどでも見かけますが、酒類の転売は法律上の制約があります。保存状態や出品者の信頼性を確認し、安全性を最優先に判断してください。
終売品の白加賀梅酒、どう飲むのがベスト？
せっかく入手できたなら、最後の一本は大切に味わいたいですよね。白加賀梅酒は香りと酸味のバランスが絶妙なので、飲み方によって印象が大きく変わります。
・ロック：梅の香りをストレートに感じたいときにおすすめ。氷でゆっくりと溶かしながら味わうと、香りの変化を楽しめます。
・ソーダ割り：白加賀梅酒の上品な酸味が引き立ち、食中酒にも合います。軽やかに飲みたい方にぴったり。
・カクテルベース：「梅トニック」「梅モヒート」など、ミントやトニックウォーターと合わせても爽やかです。
・ホット梅酒：冬におすすめ。香りがふんわりと広がり、心も体も温まります。
また、開封後は冷暗所で保存し、なるべく早めに飲み切るのがベスト。時間が経つと香りが弱まり、風味が変化していくためです。
白加賀梅酒の代わりに楽しめるおすすめ梅酒
白加賀梅酒の味が忘れられないという方に、味わいや原料に近い後継・代替梅酒を紹介します。
ぐんま白加賀うめ
群馬県産の白加賀梅を使用した梅酒で、白加賀梅酒の系譜を継ぐ一本。熟成焼酎で仕込み、上品な香りとキレのある後味が特徴です。白加賀特有の酸味をしっかり感じられるので、まさに“直系の後継”といえる存在。
加賀梅酒
石川県産紅映（べにさし）梅を使用。加賀の地でじっくり熟成させたプレミアム梅酒で、芳醇な香りと深い甘みが魅力です。白加賀梅酒よりもやや重厚で、飲みごたえを求める方におすすめ。
紀州梅酒 南高梅仕込み
白加賀とは品種が違うものの、フルーティーでまろやかな甘みがあり、飲みやすさという点では通じるものがあります。梅酒初心者にも人気の定番品です。
終売は寂しいけれど、“白加賀”の味は受け継がれていく
白加賀梅酒がなくなるのは残念ですが、白加賀という梅の魅力そのものが消えたわけではありません。群馬県では今も白加賀梅の栽培が続いており、地元の蔵元やメーカーがこの梅を使った新しい商品を開発しています。
また、梅酒は自家製でも楽しめるお酒。もし手に入るなら、白加賀梅を使って自分だけの“白加賀梅酒”を仕込んでみるのも一つの方法です。時間とともに深まる味わいを自分の手で確かめるのも、終売後の楽しみ方として素敵ですね。
白加賀梅酒終売の今、ファンができること
終売という言葉は寂しく聞こえますが、同時に「記憶に残る名品」として語り継がれる瞬間でもあります。まだ店頭やネットで在庫があるうちに入手し、思い出の味をもう一度楽しむ。
その上で、白加賀梅酒が好きだった人ほど、“次に出会う梅酒”にも敏感であってほしいと思います。
群馬の梅文化や白加賀梅の再評価、そしてクラフト梅酒の広がり──白加賀梅酒が残した足跡は、確実に次の時代につながっています。
これをきっかけに、あなたもぜひ“梅酒の奥深さ”を改めて感じてみてください。
白加賀梅酒の終売は、終わりではなく、新しい梅酒との出会いの始まりです。
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