最近、「白加賀でつくった梅酒が店頭から消えた」「どこにも売っていない」という声をよく聞きます。長年ファンに愛されてきたあの上品な梅酒が、ついに終売になってしまったのでしょうか?この記事では、サッポロビールが手掛けた「白加賀でつくった梅酒」シリーズの現状、生産終了の背景、そして再販や代替商品の情報を詳しくまとめます。
白加賀でつくった梅酒とは?群馬の名梅「白加賀梅」を使った逸品
まずは、「白加賀でつくった梅酒」とはどんなお酒だったのかを振り返ってみましょう。
製造元はサッポロビール。群馬県榛名山麓で育った梅の名品「白加賀梅」を100%使用してつくられた梅酒です。果肉が厚く果汁が豊富な白加賀梅は、梅酒や梅シロップづくりに最適とされる高品質な品種。その爽やかな酸味と奥行きのある香りを活かし、甘みとのバランスが絶妙な仕上がりが特徴でした。
アルコール度数は12%前後。ロックでもソーダ割りでも、まろやかで飲みやすい味わい。自宅で気軽に“ちょっと贅沢な晩酌”を楽しめる1本として人気を集めていました。
中には、長年「白加賀でつくった梅酒」一筋というリピーターも多く、スーパーや酒屋で見かけるたびに買い置きしていたという声も少なくありません。
実はシリーズ40年超の歴史があった
「白加賀でつくった梅酒」のルーツをたどると、その歴史は意外に古く、1979年発売の「梅原酒 白加賀」にさかのぼります。サッポロビールが手掛ける梅酒ブランドの中でも特に長寿シリーズで、時代に合わせて何度もリニューアルされてきました。
2019年には「熟成濃厚梅酒 白加賀」としてリニューアルされ、無添加・長期熟成を特徴とする本格派梅酒として再登場。群馬県産白加賀梅を収穫後3日以内に仕込み、18か月以上熟成させた原酒を50%以上使用するという贅沢な仕様でした。
透明瓶にリニューアルされたボトルデザインも印象的で、梅の実の色をそのまま楽しめる上品なビジュアル。発売40周年を記念した商品として注目を集めました。
終売情報:公式に「製造・販売を終了」と明記
そんなロングセラー商品ですが、サッポロビール公式サイトの「製造終了商品一覧」に「熟成濃厚梅酒 白加賀」が掲載されています。そこには「製造・販売を終了いたしました。ご愛飲ありがとうございました。」の一文。
つまり、サッポロが手掛けてきた「白加賀梅を使った梅酒」シリーズは、少なくとも現行ラインでは終売となったことが公式に確認できます。
通販サイトでも「終売」「販売終了」「メーカー在庫なし」といった表記が相次いでおり、店頭でも在庫限りの状況。
一部ネットショップでは「残り1本」などの表記も見られ、すでに手に入りにくい状況となっています。
なぜ「白加賀でつくった梅酒」は終売になったのか?
では、なぜこの人気商品が終売してしまったのでしょうか。公式な理由は明示されていませんが、いくつかの背景が考えられます。
1. 原料「白加賀梅」の供給減少
白加賀梅は、群馬県や神奈川県などで栽培される青梅の高級品種です。
しかし近年、梅農家の高齢化や気候変動の影響で収穫量が減少傾向にあると報告されています。
農家の中には「南高梅」など他品種へ転換する動きもあり、白加賀梅の確保が年々難しくなっている状況です。
サッポロのように特定産地の白加賀梅を100%使用する商品にとっては、原料確保が経営上のリスクになりやすいと考えられます。
2. 梅酒市場の縮小と需要変化
リニューアル時の2019年にも指摘されていたように、梅酒市場全体は一時期に比べて停滞傾向にあります。
若年層のアルコール離れや、甘いお酒よりも低糖質・低アルコール志向へのシフトが進み、梅酒全体の需要は減少。
その中で「高価格帯の本格梅酒」に絞って戦略を取るメーカーも増えています。
サッポロとしてもラインナップ整理の一環として、定番商品を段階的に縮小した可能性があります。
3. コストと採算の問題
白加賀梅は果肉が厚く、香りも豊かですが、収穫・選果に手間がかかります。
また「収穫後3日以内に仕込む」という製法もコストが高く、採算が取りづらかったと推測されます。
原料高騰と人件費上昇、物流コストの増加が重なり、長期的な継続が難しくなったとみられます。
4. ブランド再編と市場戦略
サッポロビールは近年、RTD(缶チューハイ)やプレミアムリキュールの分野でブランド再構築を進めています。
その中で「白加賀梅」を冠した伝統的な瓶入り梅酒は、販促コストや流通効率の観点から再評価された可能性があります。
つまり、「終売=撤退」ではなく、「ブランド整理と再構築の一環」という見方もできます。
飲みやすさと上品さが魅力だった
「白加賀でつくった梅酒」は、単なる梅酒とは一線を画す上品な味わいでした。
白加賀梅特有のすっきりとした酸味、厚みのある果肉由来の旨味、そして程よい甘さのバランスが絶妙。
香料を控えめにし、自然な香りを活かしている点も評価されていました。
ロックやソーダ割りはもちろん、バニラアイスにかけたり、ホットで楽しむなどアレンジも豊富。
「甘すぎず食事にも合う」と評され、食中酒として愛飲していた人も多かったようです。
長年のファンにとっては、まさに「自宅の定番梅酒」と呼べる存在でした。
再販の可能性はある?
現時点で、サッポロビールから再販の公式発表は出ていません。
公式サイトにも「製造・販売を終了いたしました」とのみ記載されています。
過去には一度リニューアルを経て再登場した経緯があるため、今後別ブランドや限定版として復活する可能性はゼロではないものの、短期的には期待薄と考えられます。
ただ、梅酒市場では地域ブランドやクラフト梅酒の人気が高まっており、群馬県産の白加賀梅を使った新商品が他メーカーから登場する可能性も。
原料となる白加賀梅自体の魅力は根強く、今後も形を変えて商品化されることはあり得ます。
代替商品や類似テイストを探すなら
「白加賀でつくった梅酒」が手に入らない今、近い味わいを求めて探している方も多いでしょう。
ポイントは「青梅系のすっきりとした酸味」「果肉感のある旨味」「控えめな甘さ」の3つです。
おすすめの方向性としては:
- 白加賀梅を使用した他メーカーの梅酒
群馬県や神奈川県産の白加賀梅を使ったクラフト梅酒は、地酒蔵や地域限定ブランドなどで見つかることがあります。 - 無添加・長期熟成タイプの梅酒
果実の自然な香りを楽しみたいなら、香料や酸味料を使わない“純梅酒”タイプを選ぶのがおすすめ。 - 手作り梅酒に挑戦
梅の実が出回る季節に、白加賀梅や南高梅を購入して自家製梅酒を仕込むのも楽しい選択肢です。
白加賀梅は果汁が多く、すっきりとした風味の梅酒に仕上がると人気です。
代替を探す際は、原料表記をチェックし「白加賀梅使用」や「国産青梅100%」などの表記があるかを確認すると良いでしょう。
入手できるうちに…在庫限りの可能性も
通販サイトの一部では、まだ「白加賀でつくった梅酒」が在庫として販売されている場合があります。
ただし、「終売品」のため、販売ページに「在庫1」「メーカー在庫なし」「取り寄せ不可」などの注意書きがあるケースがほとんど。
購入を検討している場合は、早めの確認が必要です。
また、終売商品の一部はプレミア価格で取引されることもあるため、価格変動には注意しましょう。
保存期間を考えると、未開封であっても風味を維持できるうちに楽しむのがおすすめです。
終売の寂しさと、白加賀梅のこれから
長い歴史を持つ「白加賀でつくった梅酒」が姿を消すのは、やはり寂しいものです。
しかし、白加賀梅そのものは今も群馬県や関東圏で生産されており、梅酒文化の中で確かな存在感を放っています。
この品種を使ったクラフト梅酒や自家製レシピが新たに注目されるきっかけにもなっているようです。
「お気に入りの味がなくなっても、梅酒の楽しみ方は広がっている」
そんな前向きな視点で、次の一杯を探してみるのもいいかもしれません。
白加賀でつくった梅酒終売まとめ:名品の終幕と新しい楽しみ方
白加賀でつくった梅酒が終売となった今、その背景には原料の供給難や市場の変化といった現実的な事情がありました。
とはいえ、その味わいと香りは今も多くのファンの記憶に残り続けています。
もし店頭で偶然見かけたら、それは本当に貴重な1本。
手に入るうちにぜひ味わい、そして次に自分好みの梅酒を探す旅に出てみてください。
終売は寂しいけれど、梅酒の魅力は終わりません。

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