「最近、ジャスミン焼酎の茉莉花（まつりか）を見かけなくなった」と感じた人も多いのではないでしょうか。あの華やかな香りとすっきりした後味が恋しくて、探しても見つからない……。実は、茉莉花は一部仕様が**終売（販売終了）**となっています。この記事では、終売の背景や今も買える方法を、わかりやすく解説します。
茉莉花ってどんなお酒だった？
「茉莉花（まつりか）」は、サントリーが2004年に発売したジャスミン焼酎 茉莉花。乙類焼酎にジャスミン茶葉を使い、甲類焼酎をブレンドした混和焼酎です。焼酎らしいまろやかさと、ジャスミンティーの上品な香りをあわせ持つ独特の味わいで、発売当初から“飲みやすい”和リキュールとして注目を集めました。
鹿児島県の大隅酒造で製造されており、焼酎乙類に麦とジャスミン茶葉を加え、華やかな香りと軽やかな後味を演出。飲食店では「ジャスミン茶割り（JJ）」のベースとして人気を博し、女性客を中心に“焼酎初心者でも飲みやすいお酒”として愛されてきました。
茉莉花が終売になったって本当？
はい、一部の仕様が終売しています。とくに、かつて主力だった「660ml瓶」が「在庫限りで販売終了」となりました。
2023年秋ごろから、サントリーは茉莉花のパッケージとラインナップを見直し、新たに500ml瓶と1.8L紙パックを投入しています。つまり、茉莉花というブランド自体が消えたわけではなく、「旧仕様（660ml瓶）」が生産終了となり、新仕様へと移行したのです。
ネット上では「茉莉花 終売」と検索されることが多くなっていますが、それはあくまで“旧ボトルサイズがなくなった”という意味合いが正確です。現在はリニューアル後の新パッケージで販売が続いています。
なぜ茉莉花は終売になったのか？
では、なぜサントリーは660ml瓶をやめたのでしょうか。公式には明確な理由は公表されていませんが、いくつかの背景が見えてきます。
1. 容量・パッケージ戦略の見直し
小売市場では「飲み切りやすいサイズ」が重視される傾向が強まっています。特に家庭飲み需要が増えた今、660ml瓶よりも500mlのほうが扱いやすいのです。さらに、居酒屋など業務用向けには紙パック（1.8L）が好まれるため、消費者と業務店の双方に最適化したサイズ変更と考えられます。
2. 流通チャネルの再編
茉莉花はもともと業務用に強いブランドでした。しかしコロナ禍を経て家庭需要が急増。サントリーは飲食店中心から家庭向けチャネルにシフトしており、その過程で容量や包装を見直した可能性があります。結果的に旧仕様が「終売」となった形です。
3. コスト・生産体制の効率化
ジャスミン茶葉を使う特殊な製造工程を持つ茉莉花は、原料・製造コストの影響を受けやすい商品です。生産ラインを再構築し、新仕様へ切り替えることで製造の安定化とコスト効率の改善を狙ったと考えられます。
4. ブランドの再定義
2004年発売から約20年。茉莉花はロングセラー商品ですが、市場の嗜好やデザインの変化に合わせてリフレッシュを図る時期に来ていました。実際、リニューアル後はパッケージデザインも洗練され、若年層や女性層を意識したモダンな印象に。終売というより、**ブランド再生のための“区切り”**だったと見るのが自然でしょう。
茉莉花はもう買えない？再入手の方法を紹介
「もう飲めないの？」と思うかもしれませんが、安心してください。茉莉花は今も手に入ります。ここでは3つの入手ルートを紹介します。
1. 新仕様（500ml・1.8Lパック）を購入
最も確実なのは、新仕様の茉莉花を購入する方法。500ml瓶は家庭用にぴったりで、味や香りの方向性も旧仕様とほぼ同じ。ジャスミンの華やかさとスッキリ感をそのまま楽しめます。
公式サイトや大手通販サイト、酒販店などで普通に購入可能です。
2. 旧仕様（660ml瓶）を探す
旧仕様をどうしても入手したい人は、「在庫限り」「終売品」として出品している店舗を探してみましょう。地方の酒屋や業務卸店では、まだ一部在庫が残っているケースもあります。
ただし、プレミア価格になっている場合もあるため、購入時には注意が必要です。
3. 飲食店ルートで味わう
意外な穴場が居酒屋です。ジャスミン焼酎の「JJ（ジャスミン茶割り）」が人気の店舗では、ボトルキープとして茉莉花を扱っていることも。もしメニューに“ジャスミン焼酎割り”と書かれていたら、思い切って店員さんに聞いてみましょう。旧ボトルが残っている可能性があります。
茉莉花が愛された理由
茉莉花の人気は、何といっても「香り」。焼酎のクセをやわらげるように漂うジャスミンの香りが、リラックス感を与えてくれます。甘すぎず、どこか透明感のある後味が特徴的で、「お茶感覚で飲める焼酎」として多くのファンを生みました。
さらに、“JJ”という新しい飲み方が広がったのもポイント。ジャスミン茶割りはすっきりとした口当たりで、油っぽい料理とも相性抜群。特にアジアン料理や中華、焼き鳥などとのペアリングが人気です。
このように、「飲みやすいのに奥行きがある」という絶妙なバランスが、茉莉花を長年支持される存在にしてきたのです。
SNSで広がる“JJブーム”と茉莉花の再注目
ここ数年、若者の間で“JJ（ジャスミン焼酎×ジャスミン茶）”が再び注目を集めています。SNSでは「ジャスミン焼酎うますぎ」「香りが最高」といった投稿が増え、茉莉花を知る新世代が急増中。
こうしたブームの影響もあり、リニューアル後の茉莉花は再び注目され始めています。終売という言葉の裏で、実は“再評価のタイミング”を迎えているのです。
終売から見える、茉莉花のこれから
「終売＝消滅」ではありません。茉莉花の660ml瓶が終売となったのは、むしろ進化の一歩でした。容量やパッケージを見直し、今の市場に合わせた形へ生まれ変わったのです。
新仕様は、家庭でも飲みやすく、飲食店でも扱いやすい設計。結果として、より多くの人がこの独特の香りと味わいを楽しめるようになりました。
ブランドの命は、変化を恐れず続くこと。茉莉花はその好例といえるでしょう。
茉莉花 終売のまとめとこれからの楽しみ方
・茉莉花は「660ml瓶」仕様が終売
・現在は「500ml瓶」「1.8L紙パック」で販売中
・味や香りの方向性は継続しており、飲みやすさはそのまま
・再入手するなら、新仕様の購入か、在庫店舗・飲食店をチェック
・“JJ（ジャスミン茶割り）”ブームで再び注目中
終売のニュースに驚いた人もいるかもしれませんが、茉莉花は姿を変えて生き続けています。かつてのボトルを懐かしみつつ、新しい茉莉花を手に取って、あの華やかな香りをもう一度味わってみてはいかがでしょうか。
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