「最近、カールを全然見かけないんだけど…」「子どもの頃によく食べてたのに、もう売ってないの?」
そんな声をよく耳にします。あのサクサク軽い食感とチーズの香りで愛されたスナック菓子「カール」。実は、今も一部地域では販売されているのをご存じでしょうか?
この記事では、「カールが売ってない」と言われる理由から、販売終了の背景、再販や代替商品の情報までを詳しく紹介します。
カールが売ってないと感じるのはなぜ?実は“地域限定販売”になっている
まず最初に結論を言うと、カールは完全に生産終了したわけではありません。
2017年に株式会社明治が「全国販売を終了し、西日本限定での販売に切り替える」と発表したことで、東日本ではほぼ店頭から姿を消しました。
販売が続いているのは、主に以下の地域です。
京都・滋賀・奈良・和歌山・兵庫・大阪・鳥取・岡山・島根・広島・山口・四国4県・九州各県・沖縄など。
一方で、関東や東北、北海道では通常ルートでの販売が行われていないため、「もう売ってない」と感じる人が増えたのです。
東京のスーパーやコンビニを探しても見つからないのは、この流通制限が理由なんですね。
全国販売終了の背景にあった3つの理由
1. 売上の低下と採算の悪化
かつて年間190億円もの売上を誇っていたカールですが、2010年代には約60億円まで減少。
ポテトチップスや新興スナック商品の台頭により、コーンスナック市場のシェアが大きく縮小しました。
生産コストや物流費を考えると、全国販売を続けるには採算が合わなくなっていたのです。
2. スナック市場の変化
ここ十数年で、消費者の嗜好は「軽さ」や「カロリー控えめ」から「濃厚な味わい」や「食感の多様性」へとシフトしました。
ポテト系やチップス系の新商品が次々と登場し、棚スペースも奪われる形に。
その結果、昔ながらのコーンスナックであるカールは、売り場での存在感を保ちにくくなりました。
3. 生産体制の効率化
明治は全国5か所あった製造拠点を統合し、四国明治(愛媛県松山市)に一本化。
全国流通を支えるには物流コストが高くなりすぎるため、西日本中心の供給体制に再編しました。
「地域を絞ってブランドを残す」という選択だったわけです。
東日本ではなぜ手に入らない?“幻のスナック”化の現実
2017年以降、東日本ではカールの仕入れルートが途絶え、店頭から姿を消しました。
現在では、以下のような理由でさらに入手が難しくなっています。
- コンビニ・スーパーの仕入れ対象外になった
- 西日本からの取り寄せは物流コストが高く、量販店が扱わない
- ネット通販では在庫が不安定で、価格が高騰することもある
つまり、「売ってない」というより「販売地域外」になっているだけなのです。
一方、西日本では今もスーパーやドラッグストアで普通に買える地域もあります。
関東の人にとっては“懐かしの味”、関西の人にとっては“今も現役”という不思議な地域差が生まれています。
現在販売されているのは「カール チーズあじ」と「カール うすあじ」のみ
かつてのカールには、「カール カレーあじ」「大人の贅沢カール」「小つぶカール」など多彩なラインナップがありました。
しかし、現在販売されているのは以下の2種類のみです。
いずれも西日本エリア限定で、四国明治の松山工場で生産されています。
味の種類が減ったことで、全国的な注目度も下がり、「いつの間にかなくなった」という印象が強まったのかもしれません。
2025年以降の動き:製造拠点閉鎖と今後の懸念
2025年10月、明治は「四国明治・松山工場を2026年12月に閉鎖予定」と発表しました。
この工場はカールの唯一の生産拠点であり、閉鎖が実施されればブランド存続が危うくなる可能性があります。
現時点で「カール自体が完全終売になる」との正式発表はありませんが、
「製造体制の見直し」や「ブランド再構築」が進む可能性は高いと見られています。
ファンの間では「今のうちに買っておこう」と買いだめする動きも出ています。
期間限定コラボや復刻企画の可能性も?
完全な全国再販は難しい状況ですが、明治はこれまでにも期間限定で関連商品を展開してきました。
たとえば2025年夏には「きのこの山×カール」のコラボ菓子が発売され、話題を集めました。
こうした動きからも、ブランドとしての「カール」を完全に消すのではなく、
形を変えて継続・復活させようとする意図が感じられます。
また、SNSでは「ご当地フェア」や「復刻希望キャンペーン」も定期的に話題になります。
ファンの熱量が高いだけに、今後も限定的な復刻やコラボ再販の可能性は十分にありそうです。
カールが買える場所・入手方法
どうしても食べたい!という人は、以下の方法で手に入る可能性があります。
- 西日本のスーパー・ドラッグストア
大阪・四国・九州方面では通常の菓子コーナーで購入可能。 - お土産店や地方物産展
西日本フェアなどで限定販売されることもあります。 - ネット通販・フリマアプリ
Amazonや楽天市場での取り寄せが可能な場合がありますが、在庫や価格に注意。 - ふるさと納税の返礼品
愛媛県松山市の返礼品として「カール詰め合わせ」が登場した時期もあります。
ただし、転売目的の高額出品もあるため、公式ルートでの購入を推奨します。
カールの代替商品・似ているスナックを楽しもう
「どうしてもカールが食べたいけど手に入らない…」
そんなときは、似た食感や風味のスナックで代用してみるのもおすすめです。
- うまい棒 チーズ味
同じコーンベースで、軽い食感とチーズの香りが近い。 - チーズビット(カルビー)
濃厚なチーズ風味とザクザクした食感。 - とんがりコーン(ハウス食品)
コーンの香ばしさをしっかり楽しめる定番スナック。
これらは全国どこでも入手しやすく、「カールロス」を埋める存在として人気を集めています。
カールが売ってない今、私たちができること
カールが全国から姿を消したのは、単なる“終売”ではなく、時代とともに変化した結果です。
それでも、半世紀以上続いたブランドが今もどこかで生きているというのは、すごいことですよね。
「もう一度、全国でカールを食べたい」という声が多ければ、再び復活のチャンスもあるかもしれません。
懐かしの味を守り続けるために、応援の気持ちを持ち続けたいところです。
まとめ:カールが売ってないのは地域限定と時代の流れが理由
改めて整理すると――
- カールは全国販売を終了し、西日本限定で継続中。
- 売上の低下・市場の変化・物流コストが背景にある。
- 現在販売されているのは「カール チーズあじ」と「カール うすあじ」のみ。
- 東日本では事実上“幻のスナック”状態。
- 製造拠点の閉鎖予定により、今後の継続には不透明感も。
それでも、多くのファンに愛され続けているカール。
「またあの味に会いたい」と願う声が広がれば、きっと未来のどこかで再び私たちの前に現れるはずです。

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