「最近、スーパーでクリープの瓶タイプを見かけなくなった」と感じた方、多いのではないでしょうか。
あのキッチンに馴染む丸い瓶、スプーンでサッとすくえる手軽さ——長年愛されてきた形が、気づけば棚から消えています。
いったいなぜ、クリープの瓶タイプは売っていないのでしょうか?今回はその真相と今後の販売予定について詳しく見ていきます。
クリープ瓶タイプが店頭から消えた背景
まず結論から言うと、森永乳業による商品リニューアルによって「瓶タイプ(ボトルタイプ)」が生産終了になったことが理由です。
2023年9月、森永乳業は「クリープ」シリーズの容器を一新。従来のボトルタイプやチャックなし袋を廃止し、チャック付きスタンドパウチ袋に統一しました。
公式発表によると、このリニューアルには大きく3つの目的があります。
- プラスチック使用量の削減(年間約27トン減)
- 詰め替え作業の手間を省く利便性向上
- 環境配慮と流通効率の改善
つまり、瓶がなくなったのは単なる在庫切れではなく、メーカーの意図的な仕様変更によるものなのです。
なぜ瓶タイプをやめたのか?その理由を掘り下げる
長年親しまれてきた瓶をなぜやめてしまったのか。背景には、複数の社会的・経済的な要因が絡んでいます。
1. 環境配慮とサステナビリティの強化
森永乳業はプラスチック削減や環境負荷低減の取り組みを進めています。
瓶タイプ(実際はプラスチックボトルが中心)を廃止することで、素材の使用量を減らし、より軽量でリサイクルしやすいパウチ形態に移行しました。
この変更により、年間約27トンものプラスチック削減が見込まれるとされています。
時代の流れとしても、「エコ包装」「簡易包装」が主流です。コーヒーや調味料、粉ミルクなど、各社がスタンドパウチ化を進めており、クリープもその流れに沿った形といえるでしょう。
2. 消費者ニーズの変化と利便性重視
瓶タイプは見た目の安心感こそありますが、「詰め替えが面倒」「かさばる」「最後まで使い切りにくい」といった声も多くありました。
新しいチャック付き袋なら、開けてすぐ使え、保存も簡単。
冷蔵庫や棚のスペースも取らないため、現代のライフスタイルによりフィットしています。
また、詰め替え用としての「袋→瓶」文化も薄れてきました。かつては瓶を繰り返し使う家庭が多かったものの、今は詰め替えよりもそのまま使い切るパウチが主流。メーカーとしても、その現実的な使われ方に合わせた形態へシフトしたといえます。
3. 市場の縮小とコストバランスの問題
インスタントクリーミングパウダー市場全体が年々縮小傾向にあります。
カフェオレ・ラテベース・液体ミルクなど、代替商品が増えたことで、粉末タイプの需要は徐々に減少。
そんな中で、瓶やボトルなどコストの高い容器を維持するのは難しくなっていました。
瓶タイプは重量や破損リスク、輸送コストが高いという課題もあります。
そのため、コスト削減と効率化を両立できる包装への転換が、メーカーとして合理的な選択だったのです。
4. 若年層へのリブランディング戦略
森永乳業はリニューアルと同時に、「泡立つミルク」などの新シリーズを展開。
これまで「家でコーヒーを飲む中高年層」中心だった層から、カフェ感を楽しむ若年層へターゲットを拡大しています。
新しいデザインはシンプルで明るく、キッチンにも映える印象。瓶の“昭和感”をあえて手放し、現代的で軽やかなブランドイメージを打ち出した形といえるでしょう。
瓶タイプは完全に廃止?まだ買える可能性はある?
現状、メーカー公式には「ボトルタイプおよびチャックなし袋を終了」と発表されています。
そのため、瓶タイプ(またはボトルタイプ)はすでに生産終了済み。
再販予定や復刻情報は出ていません。
ただし、以下のようなケースでは手に入る可能性があります。
- 一部ネットショップでの旧在庫
- オークションサイトやフリマアプリでの未使用品
- 地方の小型スーパーなどに残る店頭在庫
とはいえ、流通在庫が尽き次第、新品の瓶タイプは入手困難になるでしょう。
価格が高騰しているケースもあり、購入時には賞味期限や保存状態の確認が欠かせません。
今後の販売予定と代替商品
森永乳業のクリープシリーズは、今後も袋タイプ中心に展開される予定です。
現行ラインナップでは以下のような形態が主力となっています。
- チャック付き袋タイプ(180gなど)
- スティックタイプ(個包装で持ち運びしやすい)
- 新提案商品「泡立つミルク」シリーズ
瓶タイプこそ姿を消しましたが、中身の味・品質は変わらず。
むしろ保存性や使いやすさが向上しており、日常使いにはパウチの方が実用的です。
消費者の反応と“瓶ロス”の声
SNSや口コミでは、「瓶が可愛くて好きだった」「詰め替え用に使っていたのに残念」という声が多数あります。
特に、あの丸みを帯びたフォルムやラベルの懐かしさに、**“瓶ロス”**を感じるファンも少なくありません。
一方で、「チャック袋の方が便利」「倒しても安心」といった肯定的な意見も見られます。
リニューアルは賛否が分かれるものの、時代に合わせた進化として受け入れられつつあるようです。
クリープ瓶タイプが売ってない今、どうすればいい?
もし「やっぱり瓶で使いたい」という方は、以下の方法もあります。
- 旧クリープ瓶を再利用して、袋タイプを詰め替える
- 100円ショップや雑貨店で似た形の保存瓶を探す
- 陶器やガラスのキャニスターを代用する
お気に入りの瓶を自分で用意すれば、使い勝手も見た目も損なわず、今後もクリープを楽しめます。
また、他社のクリーミングパウダーを試してみるのも一つの選択肢。
市場には無糖タイプやラクトフェリン入り、オーガニック素材の粉末ミルクなど、選択肢が広がっています。
「瓶がない=不便」ではなく、**“使い方をアップデートする時期”**と捉えるのが前向きです。
まとめ:クリープ瓶タイプが売ってない理由とこれから
クリープ瓶タイプが売っていないのは、環境配慮・利便性・市場変化に対応するためのリニューアルが行われたからです。
2023年の森永乳業による容器統一によって、瓶やボトル形状は正式に終了しました。
今後はチャック付き袋やスティックタイプが主流となり、瓶タイプの再販予定はありません。
ただし、「瓶のクリープ」を愛した人たちの記憶や温かい日常風景は今も残っています。
お気に入りの容器に詰め替えて使うなど、自分らしいスタイルでクリープを楽しむのも素敵ですね。
時代が変わっても、コーヒーに入れた瞬間のまろやかな香りは変わりません。
瓶タイプが消えても、クリープの“やさしさ”はこれからも続いていきます。

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