最近、模型づくりやガレージキット製作をしている人の間で「パテ革命モリモリが売ってない」「どこにも在庫がない」という声が増えています。あの定番ポリエステルパテがなぜ消えてしまったのか、販売終了なのか、それとも一時的な品切れなのか——。この記事では、現状の販売状況から考えられる理由、そして代替品や今後の展望までを詳しくまとめます。
パテ革命モリモリとは？愛用者が多い理由
「パテ革命モリモリ」は、模型・造形分野で定評のあるWAVE（ウェーブ）社が販売してきたポリエステルパテです。粘度が高く、盛り付けや造形がしやすいことから「盛りパテの定番」として長年支持されてきました。
用途としては、ガレージキットの整形やスジ彫り前の下地処理、部品の補修、ディテール造形など幅広く活用されてきた製品です。
通常タイプのほか、「パテ革命モリモリ 低収縮タイプ」「パテ革命モリモリ 低臭タイプ」といった派生モデルも存在し、作業環境や目的に合わせて選べる点も人気の理由でした。とくに“モリモリ”という名称の通り、しっかり盛れて削りやすい作業性は、他のポリパテにはないバランスを持っています。
パテ革命モリモリが売ってない？広がる入手困難の声
ここ1〜2年ほど、通販サイトや模型店で「モリモリが売ってない」「次回入荷未定」といった表示が目立つようになっています。ヨドバシ.comやAmazonなどの大手通販では販売終了の表記があり、ホビーショップでも「在庫限り」や「生産休止中」という案内を見かけます。
SNSでも「原材料が入らず生産停止中らしい」「メーカーに問い合わせたら出荷の見通しが立っていない」といった情報が散見され、実際に多くのユーザーが在庫を探し回っている状況です。
メーカー公式サイトでも「パテ革命モリモリ 低収縮タイプ［生産休止］」という記載が確認されており、少なくとも一部の製品は正式に生産が止まっていることが分かります。現時点では、再生産の明確な発表はありません。
なぜ売ってないのか？考えられる主な理由
1. 原材料の高騰や調達難
モリモリはポリエステル樹脂を主成分とするパテで、化学原料の価格変動に大きく影響されます。ここ数年の原材料高騰や海外サプライチェーンの混乱により、コストや調達が難しくなっている可能性があります。
実際、模型業界全体で溶剤系素材の価格上昇が続いており、原価に見合わない製品は一時的に生産を止めざるを得ないケースもあります。
2. 製造コストと需要バランスの悪化
長年販売されてきた定番商品である一方、市場全体の模型需要はピーク時より減少傾向にあります。ポリパテを使うユーザー層も限られており、販売量の減少と製造コスト上昇が重なると採算が取りづらくなります。メーカー側としては、採算の取れない製品を一時停止またはリニューアル検討するのが自然な流れです。
3. 環境・安全規制の強化
ポリエステルパテにはスチレンなどの揮発性有機化合物が含まれ、臭気や安全性の面で規制対象となることがあります。特に、近年のVOC規制や作業環境基準の見直しによって、従来仕様のままでは継続生産が難しくなった可能性があります。
実際、モリモリの派生商品には「モリモリ 低臭タイプ」が登場しており、環境・安全性に配慮した新仕様への移行が進められていたことがうかがえます。
4. 製品ラインの整理・リニューアル準備
「生産休止」は必ずしも「終売」を意味しません。メーカー側が製品を刷新するタイミングで旧仕様を止めるケースもあります。モリモリシリーズの場合、「モリモリ 低収縮タイプ」や低臭など複数ラインを展開していたため、仕様統合や新配合への移行準備として一時的に生産を停止している可能性も考えられます。
販売中止か？それとも一時休止？
現状の情報を総合すると、「完全な販売終了」と断定するのは早い段階です。
公式サイトで“生産休止”とされている点や、在庫が一部で流通していることを踏まえると、「生産ラインの見直しや原料調達の遅れによる一時休止」という見方が有力です。
ただし、再開時期やリニューアル予定が発表されていない以上、実質的には「入手困難＝終売状態」に近いのも事実です。モデラーの間でも「もう再販はないのでは」との声が出ており、ユーザーとしては代替製品を検討する時期に来ているといえるでしょう。
パテ革命モリモリの代替品を探すなら
1. 同シリーズの派生品をチェック
もし在庫が見つかれば「モリモリ 低臭タイプ」や「モリモリ 低収縮タイプ」も試す価値があります。低臭タイプは室内作業でも扱いやすく、作業環境を選ばない設計。低収縮タイプは硬化後の変形が少なく、精密造形に向いています。
ただし、これらも在庫僅少のため、見つけたら早めに確保するのがおすすめです。
2. 他社のポリエステルパテを活用
模型用・自動車補修用を含め、同系統のポリパテは複数メーカーから出ています。特にタミヤ ポリエステルパテやGSIクレオス ポリエステルパテ、あるいは造形補修向けの工業用パテも選択肢に入ります。
使用感や硬化速度、削りやすさに違いはありますが、慣れれば十分モリモリの代替として機能します。
3. エポキシパテへの切り替え
エポキシ系パテは2液混合タイプで、臭気が少なく扱いやすい製品が増えています。乾燥時間は長めですが、硬化後の収縮がほぼなく、造形の精度を保ちやすいのが利点。
用途によっては「モリモリの代わりにエポキシを使う方が安定する」という声も多く、最近はプロモデラーの間でも主流になりつつあります。
4. 古在庫を購入する際の注意点
フリマサイトやオークションで「モリモリ 1kg」などが出回っていますが、古い在庫は硬化剤の劣化や分離が進んでいる場合があります。使用前に少量を混ぜて硬化テストを行い、問題がなければ使うようにしましょう。
また、開封済みや期限不明の商品は避けるのが無難です。
今後の再販や新製品の可能性
WAVE社はこれまでにも人気製品のリニューアルを行ってきた実績があります。そのため、「パテ革命モリモリ」シリーズが完全に消えるとは限りません。
原材料が安定した段階で新配合による再生産、あるいは「モリモリ2」といった新ブランドとして再登場する可能性もあります。
一方で、メーカーが静かにラインナップ整理を進めている可能性もあり、今後の動向は公式発表や模型イベントなどで注視しておくのがよいでしょう。
もし今後リニューアル製品が出る場合、低臭・環境配慮型の仕様になることが予想されます。
模型ファンとして今できること
モリモリを長年使ってきたモデラーにとって、この入手困難は痛手かもしれません。しかし、同等の仕上がりを得られる材料は確実に存在します。
これを機に他社製パテや新しい素材に挑戦するのも良い選択です。むしろ、新素材を試すことで作業効率や仕上がりが向上することもあります。
どうしてもモリモリが必要な場合は、在庫を扱っている専門店や中古市場をこまめにチェックしましょう。そして、購入時は保存状態や硬化剤の有無を必ず確認することが大切です。
パテ革命モリモリが売ってない現状まとめ
・WAVE社の定番ポリエステルパテ「パテ革命モリモリ」は現在、生産休止または在庫枯渇状態。
・原材料の高騰、環境規制、製造コストなどが主な原因とみられる。
・メーカー公式では一部製品を「生産休止」と明記しており、再生産時期は未定。
・代替としては「モリモリ 低臭タイプ」「エポキシパテ」「他社ポリパテ」などが有力。
・今後のリニューアルや新製品登場の可能性もあり、情報を追う価値がある。
モデラーとしては、現状に焦らず、今ある素材をどう活かすかを工夫することが大切です。
「パテ革命モリモリ」が再び市場に戻る日を期待しつつ、自分に合ったパテを見つけて造形を楽しみましょう。
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