「化物語の小説、どこにも売ってないんだけど？」──そんな声を最近よく見かけます。
アニメや漫画で大ヒットした〈物語〉シリーズの原点ともいえる作品だけに、読もうと思って書店に行ったら見つからない、という人も多いようです。
では実際のところ、化物語の小説は本当に販売中止になってしまったのでしょうか？ この記事では、販売状況や流通の背景、そして確実に入手するための方法を分かりやすく解説します。
まず「化物語」とは？小説版の基本情報
『化物語』は、西尾維新さんによる〈物語〉シリーズの第1作。
2006年に講談社BOXレーベルから「上巻」「下巻」の2冊構成で発売されました。
イラストを担当しているのは台湾出身のイラストレーター・VOFANさんで、独特の色彩と光の描写がファンの間で高く評価されています。
その後、シリーズは『偽物語』『猫物語』『傷物語』などへと展開し、アニメ化や漫画化を通じて爆発的な人気を獲得しました。
しかし、シリーズの始まりであるこの「化物語」の原作小説は、今や店頭でなかなか見つからない作品になっています。
化物語の小説が「売ってない」と言われる理由
SNSやQ&Aサイトでは、「どこを探しても化物語が売っていない」という声が多数あります。
では、なぜそんな状況になっているのでしょうか。主な要因を順に見ていきましょう。
1. 書店での在庫・入荷数が減っている
化物語は2006年刊行とかなり前の作品。
刊行から時間が経過した書籍は、出版社や取次（本の流通業者）の在庫が減り、書店が積極的に仕入れなくなることがあります。
人気シリーズとはいえ、最新刊や話題作を優先的に並べる店舗では、古いタイトルが棚から消えていくのは自然な流れです。
2. レーベルの分類が特殊で棚に並びにくい
『化物語』はライトノベルと一般小説の中間に位置する「講談社BOX」レーベルの作品。
多くの人は「ラノベ棚」にあると思って探しますが、実際は文芸コーナーの端や講談社文庫棚の近くに置かれることもあります。
そのため、「探したけどなかった」というケースが少なくありません。
3. 一部書店では絶版・品切れ状態
出版社が公式に「絶版」と明言していない場合でも、在庫がなく重版予定も未定の状態を「実質的な販売終了」と呼ぶことがあります。
講談社の公式サイトでも『化物語（上・下）』の商品ページが一部閲覧できなくなっており、通常ルートでの新規入荷が難しい状況です。
つまり、「売ってない＝販売停止」ではないものの、「流通在庫が尽きている」状態に近いと考えられます。
4. 電子版・漫画版への移行
〈物語〉シリーズは漫画版や電子書籍版も展開されており、特に電子書籍市場の拡大により、紙の在庫が縮小しているケースも。
電子版なら在庫切れがなく、出版社側もコストを抑えられるため、紙より電子を中心に流通を続けている可能性があります。
「販売中止」というのは本当？公式発表の有無
結論から言うと、『化物語』小説版の販売中止や絶版が公式に発表された事実はありません。
講談社や作者の西尾維新さんから「販売終了」との告知は確認されていません。
ただし、出版業界では「明言されないまま実質的に流通が止まる」ケースが多くあります。
取次在庫がなくなり、書店の棚から消えると、読者の目には「売ってない＝販売中止」に映るというわけです。
この点を誤解して、「もう読めない」と思ってしまう人もいますが、実際にはまだ入手可能な手段があります。
化物語の小説を入手する方法
見つかりにくくなっているとはいえ、完全に入手不可能ではありません。
ここからは、今でも読める・買える方法をいくつか紹介します。
1. 中古書店やオンライン古書市場で探す
最も確実なのが中古市場の活用です。
ブックオフオンラインやメルカリなどでは、状態の良い中古本が比較的安価で出回っています。
ただし人気タイトルゆえ、コンディションや付属品（帯・カバーなど）で価格が上下する傾向があります。
2. 電子書籍版を購入する
電子書籍ストア（Amazon Kindle、楽天Kobo、BookWalkerなど）では、『化物語』を含む〈物語〉シリーズが配信されています。
電子版なら在庫切れがなく、購入後すぐに読めるため、初めて読む人にもおすすめです。
紙にこだわらなければ、電子版が最も確実な選択肢といえるでしょう。
3. 書店で取り寄せを依頼する
どうしても新品の紙版がほしい場合は、最寄りの書店で「出版社在庫照会」をお願いしてみましょう。
在庫があれば取次ルート経由で取り寄せてもらえることがあります。
ただし、講談社BOXレーベルは一般書とは流通経路が異なることもあるため、時間がかかる可能性があります。
4. フリマサイト・オークションを活用
ヤフオクやラクマなどの個人出品サイトでも、時折セット販売や初版帯付きなどのコレクター向け商品が出品されます。
希少性が高いものは価格が高騰することもあるため、相場をチェックしてから購入するのが安心です。
似たタイトル・関連商品に注意
『化物語』には漫画版・Blu-ray・特装版など、多数の関連商品があります。
通販サイトで検索すると、これらが混在して表示されるため、「小説版」だけを探したい場合は注意が必要です。
特にAmazonや楽天などでは「化物語（上）」で検索すると、アニメBlu-rayやコミックスも同じタイトルで並びます。
購入前に「著者：西尾維新」「講談社BOX」などの情報を確認しておくと安心です。
再販・重版の可能性はある？
シリーズの人気を考えると、再販や文庫化の可能性はゼロではありません。
実際、西尾維新さんの他作品（『刀語』『掟上今日子の備忘録』など）は文庫版として再刊行された例もあります。
また、〈物語〉シリーズの新作アニメや企画が動くタイミングで、関連書籍が復刻されるケースも多いです。
最新情報を追いたい場合は、講談社の公式サイトや「西尾維新公式Twitter」をチェックしておくとよいでしょう。
読むならどの順番？シリーズ入門者向けメモ
これから〈物語〉シリーズを読み始める人は、まず『化物語（上・下）』から入るのが王道です。
その後、『偽物語』『傷物語』『猫物語（黒・白）』と続く流れで読むと、キャラクターの成長や時系列のつながりを自然に追うことができます。
アニメから入った人も、小説版では内面描写の深さや語り口の妙が味わえるので、原作を読む価値は十分あります。
化物語の小説が売ってない？まとめと今できること
ここまで見てきたように、「化物語の小説が売ってない」と言われるのは、
公式な販売中止ではなく、流通の縮小と在庫減少が原因です。
探すなら以下の方法が現実的です。
- 電子書籍版を利用する（確実・即読可能）
- 中古市場で探す（価格・状態に注意）
- 書店で取り寄せを依頼する（在庫があれば対応可能）
紙で読む楽しみも、電子で手軽に読む利便性も、それぞれに魅力があります。
入手が難しくなっている今だからこそ、改めて〈物語〉シリーズの原点に触れてみる良いタイミングかもしれません。
「化物語の小説が売ってない」と感じたら、諦める前に一度検索や電子版をチェックしてみてください。
まだあなたの手に届く場所に、この名作はちゃんと存在しています。
