「数学の良問問題集を探しても、どこにも売ってない……」
そんな声が受験生の間で急増しています。書店を巡っても、Amazonを見ても「在庫なし」「入荷未定」と表示されることが多く、「絶版なのでは？」と心配になる人も多いようです。今回は、この人気参考書がなぜ売ってないのか、その背景と再販の予定について詳しく調べてみました。
「数学良問問題集」とはどんな本？
まず、この本を知らない人のために簡単に紹介します。
正式タイトルは『大学受験数学の良問問題集［数学Ⅰ・A・Ⅱ・B・Ⅲ・C］』（著：佐々木巧、発行：旺文社）。受験生の間では「良問集」や「数学良問」と略して呼ばれています。
この参考書の特徴は、過去の入試問題から“良問”を厳選し、難しすぎず、かといって簡単すぎない「実戦力を鍛える」バランスにあります。
構成もよくできており、「確認→必須→レベルアップ」の三段階でステップアップできる点が高く評価されています。
その完成度から、SNSや予備校講師のブログでも「受験数学の定番」として紹介され、発売以来ずっと人気が続いているシリーズです。
書店や通販サイトで売ってないのはなぜ？
最近、この良問問題集がほとんどの書店や通販サイトで「品切れ」「在庫なし」となっています。
その主な理由は次の通りです。
① 改訂版への切り替え時期だから
旺文社の公式サイトでは、新課程に対応した改訂版が2025年2月27日に発売予定であることが告知されています。
つまり現在の「売ってない」状態は、旧版から改訂版へ切り替わる前の一時的な空白期間にあたります。
出版社や書店では、改訂版の発売前になると旧版の補充を止める傾向があります。
これは在庫リスクを避けるためで、「旧版を仕入れてもすぐ新版が出るなら、返品になる可能性が高い」という事情があるからです。
そのため、旧版の在庫が一斉に引き上げられ、結果的に全国的に「売ってない」状態になってしまったわけです。
② 需要が集中して売り切れた
「数学良問問題集」は毎年人気が高く、受験期前後にはまとめ買いする人が多い参考書です。
特にSNSや口コミで評判が広がり、在庫がある店舗でもあっという間に完売してしまうケースが目立ちます。
また、年度の切り替わりや模試シーズン前には需要が急増するため、出版社の供給が追いつかず、在庫切れが続くこともあります。
人気書籍ゆえの「品薄スパイラル」が発生していると考えられます。
③ 出版・流通のタイムラグ
書籍流通には「取次」という中間業者が存在します。出版社から直接書店に本が届くのではなく、全国の取次会社を通して配送・在庫管理が行われます。
改訂や増刷の時期になると、こうした流通ラインの切り替えが起き、店頭に本が届くまで数週間かかることがあります。
この間、オンライン書店でも「入荷未定」や「お取り寄せ中」の表示が続くことがあります。
実際の在庫状況とユーザーの声
SNS上では、以下のような投稿が目立ちます。
- 「どこの書店を探しても見つからない」
- 「Amazonも楽天も売り切れ、メルカリで高騰してる」
- 「高校の先生に薦められたけど、もう売ってなかった」
中古市場では、一時的に価格が高騰している例もあり、定価1,600円前後の本が2,000円〜3,000円で取引されているケースも見られます。
これは、需要に対して供給が不足している典型的なパターンです。
一方で、一部の学参専門書店や大学生協では少数の在庫が残っていることもあります。
ただし旧版の可能性があるため、購入時は「版次（改訂版かどうか）」を確認するのが安心です。
改訂版はいつ買える？再販情報まとめ
旺文社の公式発表によると、新課程対応の改訂版は2025年2月27日発売予定です。
この新しいバージョンでは、大学入試の新課程（数学Cなどを含む）に対応した内容に刷新されるとのこと。
これにより、今後の共通テスト・二次試験に向けた最新傾向に合わせた良問が収録されると期待されています。
すでに一部のオンライン書店では予約受付が始まっているため、確実に入手したい人は早めに予約しておくのがおすすめです。
発売直後はアクセス集中で品切れになる可能性もあります。
旧版を探すなら中古市場も選択肢
「どうしても旧版を使いたい」「改訂版を待てない」という場合は、中古市場を活用する方法もあります。
ブックオフオンライン、メルカリ、ヤフオクなどでは、まだ一定数の旧版が流通しています。
ただし注意点もあります。
- 書き込みがある場合が多い
- 解答編が欠品していることがある
- 古い版では内容が現行課程と異なる場合がある
特に数学Cを含む新課程入試を受ける人は、旧版では対応できない範囲が出る可能性があるため、あくまで「過去問練習用」や「補助教材」として使うのが安全です。
代替教材・類似問題集の候補
良問問題集が手に入らない間、代替として使える教材もいくつかあります。
- 『Focus Gold（フォーカスゴールド）』（啓林館）
網羅性が高く、解説も丁寧。教科書＋演習に最適。 - 『一対一対応の演習』（東京出版）
良問集よりやや難しめだが、大学入試対策として定番。 - 『大学への数学・新スタンダード演習』（東京出版）
論理的な思考力を養いたい人向けの上級レベル問題集。
これらを組み合わせて学習を進め、改訂版が発売されたら乗り換える、というのも一つの方法です。
数学良問問題集が再び手に入る日は近い
結論として、「数学良問問題集が売ってない」のは、絶版ではなく「改訂版切り替え期」による一時的な品薄状態と考えられます。
旺文社の公式スケジュールによれば、2025年2月27日に改訂版が発売予定であり、その直後には流通が回復する見込みです。
旧版を探しても見つからない場合は、予約や中古市場の活用を検討しつつ、代替教材で学習を進めておきましょう。
人気の高い参考書だけに、再び書店に並べばすぐに売り切れる可能性もあります。早めのチェックがおすすめです。
数学良問問題集が売ってない？改訂版の発売に期待して待とう
今の「売ってない」状況は、受験生にとって少し不安かもしれません。
しかし、実際には改訂版の発売が目前まで迫っています。
これまでの高評価を維持しつつ、新課程に対応した最新版が出るのは朗報と言えるでしょう。
手に入らないからと焦らず、今できる学習を継続しながら、新版が登場する日を楽しみに待ちたいところです。
