スマホの通信契約も、いまや“SIMカードを入れ替える時代”から“データをダウンロードする時代”へ。
最近よく聞く「eSIM(イーシム)」は、旅行や出張、サブ回線利用などにとても便利な仕組みです。とはいえ、いざ使おうとすると「どのプランが自分に合っているのかわからない」と迷う人も多いはず。
この記事では、国内と海外それぞれのeSIMおすすめプラン、料金、選び方をわかりやすく比較していきます。
eSIMとは?仕組みとメリット・デメリット
まずは簡単に、eSIMの基本を押さえておきましょう。
「eSIM」とは “embedded SIM” の略で、スマートフォンやタブレットなどの端末にあらかじめ組み込まれた電子的なSIMのこと。
従来のように物理カードを差し替える必要がなく、QRコードを読み取るだけで通信契約を切り替えられる仕組みです。
メリットは明確です。
契約から開通までがオンラインで完結し、郵送を待つ必要がありません。
複数の回線を1台で使えるので、メイン回線とは別に「旅行用」「仕事用」「データ専用」などを追加しやすいのも魅力。
海外に行く際も、現地でSIMカードを購入して入れ替える手間が省けます。
一方で注意点もあります。
対応していない端末では使えず、機種によっては設定に少し手間がかかることも。
またプリペイド型のeSIMは購入後のキャンセルができない場合が多く、「とりあえず試してみる」感覚では使いにくい面もあります。
国内で使うならどのeSIMがいい?
日本国内で使う場合は、契約の柔軟さと料金バランスを重視すると選びやすくなります。
ここでは主要なeSIMサービスを比較しながら、それぞれの特徴を見ていきましょう。
楽天モバイル
3GBまで月1,078円、20GBまで2,178円、無制限で3,278円という従量制プラン。
データをたくさん使う人でも上限なく利用でき、楽天会員ならポイント還元もあります。
eSIMの設定も簡単で、iPhoneや多くのAndroid端末に対応しています。
日本通信SIM
「合理的プラン」で知られる格安ブランド。
1GB290円から利用でき、ドコモ回線を使用しているため通信エリアが広いのが強みです。
必要な分だけ容量を選べるので、サブ回線として持つ人にも人気があります。
povo2.0(au系)
基本料金0円で、使いたい時だけ「データトッピング」を購入する仕組み。
たとえば「3GB/30日990円」「無制限1日390円」といった使い切り型が選べます。
出張や旅行など「一時的に通信量を増やしたい」という場面にぴったり。
Glocal eSIM
プリペイド型の国内専用eSIM。
700円から使えて契約の縛りなし。
アプリ上で即時開通でき、解約手続きも不要なので気軽に利用できます。
エアトリeSIM・JAPAN & GLOBAL eSIM
一時帰国者や短期滞在者向けのサービス。
「3GB/5日間750円」「1日無制限(毎日高速3GB)1,480円」など、日数単位で使えるプランがあります。
訪日外国人や出張者にも人気です。
国内eSIMを選ぶときのポイント
- データ容量:普段どのくらい通信するかを確認。3GBで足りる人もいれば、動画視聴で20GB以上必要な人も。
- 契約形態:月額制かプリペイドか。縛りがないプランなら気軽に切り替え可能。
- 回線品質:ドコモ・au・ソフトバンク・楽天のどのネットワークを使っているかでエリアや速度が変わります。
- 5G対応:今後を考えるなら、5Gが使えるかもチェック。
- サポート体制:オンライン手続きだけで完結するか、日本語サポートがあるか。
たとえば「普段はWi-Fi中心でスマホデータは最低限」という人は日本通信SIMの1GBプランが十分。
逆に「動画もテザリングも使う」という人なら楽天モバイルの無制限プランが安心です。
用途を整理してから比較すると、最適なeSIMが見えてきます。
海外で使うならどのeSIMがいい?
ここ数年で、海外旅行者向けのeSIMが一気に増えました。
物理SIMを現地で買うより安く、面倒な手続きなしで現地回線に接続できます。
海外旅行向けeSIMの代表例
- Airalo:世界200か国以上対応。1GB700円前後から購入でき、アプリで簡単に設定可能。
- Nomad:短期旅行向けの人気サービス。数日単位のプランが充実しており、通信品質の評判も良好。
- trifa・SkyeSIM・World eSIM:ヨーロッパ周遊プランなど、複数国を移動する人に便利。料金は350円〜1,000円台と幅広い。
- Glocal eSIM(海外版):日本企業運営で日本語サポートあり。3,480円〜と少し高めだが安心感が強い。
たとえば、韓国なら1日696円、台湾なら777円、タイは298円で無制限4Gプランが利用できる例もあります。
海外ローミングに比べると、1日数百円〜千円程度安くなることが多いです。
海外ローミングとeSIM、どっちが得?
キャリアが提供する海外ローミングは、申し込みが簡単で普段の電話番号もそのまま使える点が魅力。
しかし料金面では、ドコモの「世界そのままギガ」で3日2,480円、auの「海外ダブル定額」で1日1,980円〜2,980円など、やや高め。
一方、eSIMなら3日500円前後で使えるプランもあり、短期旅行やデータ通信メインなら圧倒的にコスパが良いです。
ただし、通話やSMSを頻繁に使う人は、キャリアローミングの方がトラブルが少なく安心。
つまり「短期・データ重視ならeSIM」「通話重視・長期滞在ならローミング」が基本の使い分けになります。
海外eSIMを選ぶ際の注意点
- 対応国の確認:自分が行く国がプランに含まれているか必ずチェック。
- データ容量と期間:1日・7日・30日などプランによって有効期限が違う。
- 通信速度制限:「無制限」とあっても一定量を超えると速度制限がかかる場合あり。
- 設定方法:アプリで簡単にできるものもあれば、QRコードを読み取る手動設定のものも。
- 返金・サポート:購入後の返金不可が多いので、口コミやサポート言語を確認。
特に海外eSIMは現地に到着してからの設定になるため、出発前に手順を確認しておくことが大切です。
飛行機の中で「開通できない」と焦らないよう、QRコードを保存しておくと安心です。
eSIMを選ぶときに重視すべきポイントまとめ
- 使う場所:国内中心か、海外メインか。
- データ量:月数GBで足りるか、動画やテザリング中心か。
- 期間と料金:月額制か日数指定か。コスパを比較。
- 回線の信頼性:ドコモ・au・ソフトバンクなど、どのネットワークか。
- サポート:特に海外では日本語対応があると安心。
- 端末の対応:eSIM非対応機種やキャリアロックには注意。
これらを踏まえて、「自分の使い方に合ったプランを選ぶ」ことが一番のポイントです。
安さだけで選ぶと、通信が不安定だったり、容量不足で途中から使えなくなったりすることもあります。
信頼できる事業者を選び、必要なデータ量を見極めて契約しましょう。
eSIMはどれがいい?まとめと選び方のコツ
eSIMは、国内でも海外でも“自由度の高さ”が最大の魅力です。
日本国内では楽天モバイルや日本通信SIM、povo2.0などがコスパに優れ、海外ではAiraloやNomadなどの旅行者向けサービスが人気。
「頻繁に出張する」「サブ回線がほしい」「海外旅行の通信費を抑えたい」など、目的によって最適なプランは変わります。
どれがいいか迷ったときは、以下のように整理すると分かりやすいでしょう。
- 日常使いなら:楽天モバイル(無制限) or 日本通信SIM(格安)
- 短期利用なら:povo2.0(トッピング制) or Glocal eSIM(プリペイド)
- 海外旅行なら:Airalo、Nomad、trifaなど国別・地域別eSIM
最後にもう一度。
eSIM選びで大切なのは「自分に合った使い方を見極めること」。
契約も解約もオンラインで完結する時代だからこそ、焦らず比較して、自分にぴったりのeSIMを見つけてみてください。
