最近「電磁波が気になる」「家の中の電磁波を測ってみたい」という声が増えています。スマホやWi-Fi、家電製品など、私たちの生活は常に電磁波に囲まれていますよね。そんな中、「電磁波測定器を買ってみたいけれど、どれを選べばいいのかわからない」という方も多いはず。
この記事では、初心者でも扱いやすい電磁波測定器の選び方と人気モデルをわかりやすく紹介します。
そもそも電磁波測定器は何を測るもの？
まず、「電磁波測定器で何がわかるの？」という基本から確認しておきましょう。
電磁波とひと口にいっても、実は「電界」「磁界」「高周波」「低周波」など、複数の種類があります。
- 電界（電場）：電圧がかかっているときに発生。電源を入れていなくてもコンセントに差してあるだけで出ることがあります。
- 磁界（磁場）：電流が流れたときに発生。電子レンジやドライヤーなど、電力を多く使う家電で強くなる傾向があります。
- 低周波：主に家庭内の電気製品や送電線などが発生源。50Hz〜60Hz程度の比較的低い周波数。
- 高周波：スマホ・Wi-Fi・Bluetoothなど通信機器に多い数MHz〜数GHz帯の電磁波。
つまり、測定器を選ぶ際には「どんな種類の電磁波を測りたいのか」を明確にするのが第一歩です。
家電の電磁波を調べたいのか、Wi-Fiやスマホの影響を見たいのかで、必要な周波数帯や対応機能が変わります。
初心者が電磁波測定器を選ぶときのポイント
電磁波測定器は一見どれも似て見えますが、実際には性能や用途が大きく異なります。ここでは初心者が失敗しないための選び方を紹介します。
1. 測定できる周波数帯をチェック
測定器には「低周波用」「高周波用」「両方対応」などのタイプがあります。
家庭内の家電や送電線などを測るなら低周波対応機種を、スマホやWi-Fiの影響も測りたいなら高周波対応機種を選びましょう。
「マルチフィールド対応」と書かれているものは、電界・磁界・高周波のすべてを一台で測れるタイプです。
2. 1軸よりも3軸タイプが扱いやすい
1軸タイプは測る方向を変えながら何度も測定しなければなりません。
一方、3軸タイプは3方向すべての磁界を自動的に測定できるため、初心者でも簡単で誤差も少なめです。
3. 操作のしやすさ・表示の見やすさ
数字が大きく表示されるか、バックライト付きか、ピーク値を保持できるかなども重要です。
また、USB接続でデータを記録できるタイプなら、後で数値を整理するのにも便利です。
4. 信頼性・精度を確認
安価な製品ほど、測定範囲や誤差の記載が曖昧なものもあります。
仕様欄で「測定周波数」「精度」「校正の有無」などをチェックすると安心です。
5. 価格と用途のバランスを考える
「まず試してみたい」程度なら、1万円以下でも十分測定できるモデルがあります。
一方で「データを記録したい」「複数の周波数を測りたい」なら、2〜3万円台のモデルが候補になります。
人気の電磁波測定器モデルを比較
ここでは、初心者にも人気があり、実際の使用レビューや専門サイトで評価の高いモデルをいくつか紹介します。
GQ EMF-390
電界・磁界・高周波の3種類を1台で測定できる高機能モデル。
3軸対応で、USB接続によりPCでログを取ることも可能です。
価格は2万円前後ですが、多機能なので「1台で全部測りたい」という方におすすめ。
Tenmars TM-190
台湾の計測器メーカーTenmars社のモデル。
電界・磁界・高周波のマルチフィールド対応で、測定範囲が広いのが特徴です。
ボタン操作もシンプルで、液晶表示が見やすい点も好評。
入門〜中級者まで幅広く支持されています。
ERICKHILL EMFメーター
手のひらサイズの小型測定器。価格は5,000円前後と非常に手頃で、家庭内の家電チェックにぴったり。
高機能ではないものの、気軽に電磁波を“見える化”できます。
まず試してみたいという初心者に人気です。
FNIRSI ERD-10
充電式で持ち運びやすく、画面も見やすいコンパクトモデル。
低価格ながら、電界・磁界の両方を測定可能。
「おおまかな目安を知りたい」「高周波は不要」という方におすすめです。
用途別のおすすめ選び方
電磁波測定器といっても、使う目的によって最適なモデルは異なります。自分の使い方をイメージして選びましょう。
家の中の電磁波をチェックしたい
冷蔵庫、電子レンジ、ドライヤーなどの家電からの低周波磁界を確認したいなら、低周波対応の3軸モデルが最適。
測定範囲が50Hz〜60Hzをカバーしている機種を選びましょう。
スマホやWi-Fiの影響を測りたい
携帯基地局やルーターの高周波を測るには、GHz帯まで対応した機種が必要です。
GQ EMF-390やTenmars TM-190のようなマルチフィールド機が向いています。
とりあえず手軽に試してみたい
まずは安価なハンドヘルドタイプで十分。
ERICKHILL EMFメーターやRZなどのモデルで「電磁波の強弱を体感的に掴む」ことから始めましょう。
データを保存・分析したい
USBでPCに接続できるタイプなら、測定値を時系列で記録できます。
環境の変化を追いたい場合や、対策の効果を検証したいときに便利です。
測定時の注意点とコツ
電磁波測定器を使うときは、いくつか気をつけたいポイントがあります。
- 一度の測定で判断しない：時間帯や環境で値が変わるため、複数回測定するのが基本です。
- 測定対象に近づきすぎない：過剰に近づくと数値が極端に高くなることがあります。使用説明書の距離を守りましょう。
- 値の意味を正しく理解する：「高い＝危険」「低い＝安全」と単純に決めつけないこと。測定値はあくまで“現状把握”の目安です。
- 対策を考えるなら専門家の意見も参考に：測定結果をもとに遮蔽シートや距離調整を行う場合は、信頼できる情報を確認しましょう。
「測れば安心」ではない、数値の使い方
電磁波測定器は、数値を出すだけで“安全”を保証するものではありません。
たとえば、同じ家電でも使うタイミングや周囲の環境で値が変わります。
また、安価な機種では測定精度に限界があるため、「ゼロだから安心」とは言い切れません。
重要なのは、「今の環境がどんな状態かを知る」こと。
数値を参考に、家電との距離を取ったり、使う時間帯を工夫したりすることが、現実的な対策につながります。
まとめ：自分の目的に合った電磁波測定器を選ぼう
電磁波測定器を選ぶときのコツは、まず「何を測りたいのか」をはっきりさせること。
低周波を中心にチェックしたいのか、Wi-Fiやスマホの高周波まで知りたいのかで、最適な機種は変わります。
初心者なら、まずは操作が簡単な3軸タイプで、電界と磁界の両方を測定できる入門モデルを選ぶと失敗が少ないでしょう。
使い方を理解すれば、家の中の環境を客観的に把握できる便利なツールになります。
あくまで測定器は「安心を得るための手段のひとつ」。
正しく選び、正しく使うことで、日々の暮らしをより快適に整えることができます。
