「筋トレにいいお肉ってどれ?」──そう聞かれて真っ先に思い浮かぶのは、鶏むね肉かもしれません。でも、実際のところ豚肉や牛肉にもそれぞれ違った強みがあります。
この記事では、豚肉・牛肉・鶏肉のタンパク質量や栄養、筋トレ効果の違いを比較しながら、「目的別にどれを選ぶのがいいのか」を分かりやすく解説していきます。
たんぱく質の基本をおさらい:筋トレに欠かせない理由
筋肉を作る材料となるのが「たんぱく質」。筋トレをしても、材料が足りなければ筋肉はつきません。
また、たんぱく質は筋肉だけでなく、髪・爪・皮膚・ホルモンなど体のあらゆる部分を作る重要な栄養素。運動習慣がある人ほど消耗しやすく、意識的に摂る必要があります。
1日の目安量は、一般的に体重1kgあたり1〜2gほど。例えば体重60kgの人なら60〜120gのたんぱく質が理想とされます。
とはいえ、食事だけでこの量を摂るのはなかなか大変。だからこそ、「どの肉で効率よく摂れるか」が大事になるのです。
豚肉・牛肉・鶏肉のタンパク質量を比較
では、100gあたりのたんぱく質量をざっくり比較してみましょう(部位や皮の有無によって変動あり)。
見てのとおり、たんぱく質量だけを見れば鶏肉が一歩リード。特に「むね肉」「ささみ」は高たんぱく・低脂質で、筋トレ勢の定番です。
ただし、豚や牛もほぼ同等の水準にあり、どれを選んでもたんぱく質摂取には十分役立ちます。
カロリー・脂質量の違いも要チェック
たんぱく質量が多くても、脂質やカロリーが多ければダイエットや減量期には不向きです。
肉の種類ごとにおおまかな傾向を見てみましょう。
鶏肉
皮を除けば脂質が非常に少なく、100gあたりのカロリーも100kcal前後と低め。高たんぱく低脂質の代表格です。
豚肉
部位によって差が大きいのが特徴。豚ヒレやももは脂質が少なく、バラや肩ロースは脂質が多め。選び方で印象が大きく変わります。
牛肉
赤身は20g前後のたんぱく質を含み、栄養価が高いですが、脂身の多い部位は脂質が増えます。サーロインやリブロースは高カロリーなので注意が必要です。
同じ100gでも、鶏むね肉(皮なし)108kcalに対し、牛もも赤身は211kcal前後。
脂質の差が倍近くあるため、目的によって選び分けが大切です。
栄養面の特徴を比較:それぞれの得意分野
肉はたんぱく質以外にも、体に欠かせない栄養を含んでいます。それぞれの得意分野を見てみましょう。
牛肉の特徴
・鉄(ヘム鉄)や亜鉛、ビタミンB12が豊富
・造血作用、貧血予防、ホルモン合成をサポート
・カルニチンが脂肪代謝を促す働きも
豚肉の特徴
・ビタミンB1が非常に多く、糖質代謝を助ける
・疲労回復や集中力維持にも有効
・筋トレ後のエネルギー補給や日常使いに向く
鶏肉の特徴
・低脂肪・高たんぱくでダイエット向き
・イミダゾールジペプチドが疲労回復をサポート
・価格が安く、調理のバリエーションも豊富
つまり、「牛=スタミナ」「豚=疲労回復」「鶏=引き締めボディ」というイメージを持っておくとわかりやすいです。
筋トレ・ボディメイク視点で見る最適な肉の選び方
筋トレで理想の体を作るには、目的別にお肉を使い分けるのが効果的です。
減量期・脂肪を落としたい人
脂質をできるだけ抑えたいこの時期は、鶏むね肉や鶏ささみがベスト。高たんぱくで低脂質、しかもコスパも良い。
調理時に油を使わず、蒸す・茹でるなど脂を落とす調理法を選ぶとさらに◎。
筋肥大・増量期
しっかりカロリーをとりたいなら、牛肉が向いています。牛ももなら余分な脂を抑えつつ、鉄・亜鉛・カルニチンで筋合成をサポート。
豚ロースもバランスが良く、たんぱく質とエネルギーの両方を効率よく摂れます。
疲労回復・エネルギーチャージ期
トレーニングが続いて疲労が抜けにくいときは、ビタミンB1豊富な豚ヒレを。炭水化物と一緒に摂ると代謝をスムーズにします。
また、鶏むね肉のイミダゾールジペプチドも疲労回復に役立つといわれています。
部位・調理法で差が出る!賢い食べ方のコツ
同じ肉でも、部位や調理法で栄養バランスが大きく変わります。ポイントを押さえておきましょう。
- 脂身の少ない部位を選ぶ
鶏むねは皮なし、豚ヒレ・もも、牛もも。脂肪を減らしてたんぱく質効率を上げます。 - 余分な脂を落とす調理法を選ぶ
グリル・ゆで・蒸し調理で脂質をカット。炒め物は油を控えめに。 - 味付けはシンプルに
塩・ハーブ・レモンなどで風味を引き立て、ソースやマヨネーズでカロリーを上げないようにします。 - 複数の肉をローテーションする
鶏むね肉ばかりに偏らず、豚ヒレや牛ももステーキも組み合わせることでミネラルやビタミンの偏りを防げます。
コスト・調理のしやすさで見る日常使いの優先順位
毎日の食事に取り入れるには、価格や調理の手間も大事。
鶏肉は価格が安く、調理も簡単。週のメインたんぱく源として使いやすい存在です。
豚肉は疲労回復に役立ち、和洋中どのメニューにも応用しやすい万能タイプ。
牛肉は少し高価ですが、牛赤身を週に1〜2回取り入れるだけでも栄養補強になります。
「今日は鶏むね、明日は豚ヒレ、週末は牛ももステーキ」といったローテーションを組むと、飽きずに続けられます。
目的別まとめ:あなたに合う「最適肉」はこれ!
すべてのお肉にメリットがあり、「これが絶対」という正解はありません。
大切なのは、自分の体調・目的・好みに合わせてバランスよく取り入れることです。
豚肉・牛肉・鶏肉はどれがいい?目的に合わせて食べ分けよう
「豚肉・牛肉・鶏肉はどれがいい?」という問いの答えは、あなたの目的によって変わります。
筋肉を増やしたいなら牛肉、脂肪を減らしたいなら鶏肉、疲れを癒したいなら豚肉──どれも頼れるたんぱく源です。
筋トレやダイエットは、日々の積み重ねが大切。お肉をうまく食べ分けながら、栄養バランスの取れた食事で理想の体を目指していきましょう。
