最近よく耳にする「髪質改善トリートメント」。SNSや美容室のメニューでも見かけるけれど、実際どんな効果があるのか、どれを選べばいいのか分からない人も多いですよね。
「普通のトリートメントとは何が違うの?」「本当に髪質が変わるの?」という疑問に、美容師の視点から分かりやすく答えていきます。
髪質改善トリートメントとは?通常のトリートメントとの違い
一般的なトリートメントは、髪の表面をコーティングして手触りを一時的に良くするもの。
一方、髪質改善トリートメントは「髪の内部補修」を目的にしており、ダメージやうねり、パサつきを根本から整えるのが特徴です。
たとえば、カラーやパーマで傷んだ髪、加齢や乾燥で広がる髪などを、芯からなめらかに整えることでツヤとまとまりを取り戻します。
「朝のブローがラクになった」「湿気でも広がりにくくなった」という声も多く、持続性の高さが人気の理由です。
種類はいろいろ!代表的な髪質改善トリートメントのタイプ
実は「髪質改善」とひとことで言っても、薬剤や仕組みの異なるタイプがいくつもあります。ここでは代表的な3種類を紹介します。
酸熱トリートメント
酸性の薬剤(グリオキシル酸など)を使い、熱アイロンを併用して髪内部の結合を整える施術。
髪の形を変えずに内部を補修し、ハリ・コシ・ツヤを出します。
「カラーやブリーチで傷んだ髪」「うねりや広がりを抑えたい人」に向いています。
仕上がりはしっとり・つるんとした質感で、1〜2ヶ月ほど持続することも。ただし、施術には高い技術が必要で、アイロン操作や薬剤選びを誤ると逆効果になることもあります。
水素トリートメント
活性酸素を除去する「水素」の力を利用した最新タイプ。
髪の酸化ダメージを抑え、潤いや柔らかさを取り戻します。
「乾燥」「パサつき」「エイジング毛」におすすめで、軽やかで自然なツヤが出るのが特徴です。
髪を真っ直ぐにする効果はありませんが、触ると驚くほどサラサラ。ナチュラル志向の人に人気です。
サイエンスアクアなどの電解水系トリートメント
アルカリ電解水と脂質系アミノ酸を組み合わせ、水分と栄養を髪の内部に浸透させるタイプ。
「髪を傷めずにツヤを出したい」「熱ダメージが気になる」という人に合います。
クセを伸ばす力は弱いものの、柔らかくまとまりのある仕上がりになります。
髪質改善トリートメントで得られる効果
効果を一言でまとめると、「髪が扱いやすくなる」こと。
髪内部に栄養分や結合を補うことで、うねりや広がりが落ち着き、自然なまとまりとツヤが出ます。
具体的には以下のような変化が期待できます。
- パサつきやゴワつきが減り、指通りがなめらかになる
- 湿気による広がりを防ぎ、まとまりやすくなる
- 髪にハリ・コシが出て、根本のボリュームも自然に整う
- カラーやパーマの持ちが良くなる
ただし、これは「髪の質感を整える」ものであって、「くせ毛をまっすぐにする縮毛矯正」ではありません。
うねりが強い人は、トリートメントだけでは理想の仕上がりにならないこともあるため、美容師と相談しながらメニューを決めるのがおすすめです。
効果を長持ちさせるコツとホームケアのポイント
せっかく施術しても、間違ったケアをしてしまうと効果は長持ちしません。
持続期間をのばすために、以下のポイントを意識しましょう。
- 洗浄力の強すぎないシャンプーを選ぶ
髪質改善トリートメントの成分は熱や摩擦に弱いため、アミノ酸系やノンシリコンなど、やさしいシャンプーを使うのが理想です。 - ドライヤーでしっかり乾かす
濡れたまま放置するとキューティクルが開いた状態になり、せっかくの補修成分が流れ出してしまいます。
根本から毛先まで丁寧に乾かす習慣を。 - アイロンやコテは低温で
高温すぎる熱は逆に髪を硬くしてしまうため、130〜150℃を目安に。熱を当てすぎないよう注意します。 - サロンでの定期メンテナンス
1回でも効果は出ますが、3〜4回続けることでベースが整い、髪の中に補修成分が定着しやすくなります。
月1回〜2ヶ月に1回程度のペースが目安です。
美容師が教える、失敗しないサロン選び
「どのサロンで受けても同じ」ではないのが髪質改善トリートメント。
失敗を防ぐために、次の点をチェックしておきましょう。
- カウンセリングが丁寧かどうか
髪の状態やダメージの原因をしっかり見極めてくれる美容師を選びましょう。
薬剤の強さや熱処理の有無などをきちんと説明してくれるサロンが安心です。 - 薬剤の種類を明示しているか
「酸熱系」「水素系」など、どのタイプを使うのか明確にしているサロンを選ぶとトラブルを防げます。 - デメリットも説明してくれるか
色落ちの可能性や、クセが完全には伸びない点など、リスクを正直に伝えてくれる美容師は信頼できます。 - 口コミ・実績をチェック
公式サイトやSNSのビフォーアフターを見ると、技術の傾向や得意分野が分かります。
注意点とリスクも理解しておこう
髪質改善トリートメントは万能ではありません。
特に酸熱系の施術では、カラーが抜けやすくなる・一時的に髪が硬く感じる・繰り返しすぎると負担が出る、などの報告もあります。
また、ブリーチやパーマで極度に傷んだ髪には、薬剤の反応が不安定になることも。
事前に「髪の履歴」をしっかり伝えることが大切です。
ホームケアでも、合わないシャンプーや高温のアイロンを使うとせっかくの効果が台無しになってしまいます。
施術後のケア方法をきちんと美容師に確認しておくと安心です。
髪質改善トリートメントの費用と施術時間の目安
相場はサロンによって異なりますが、だいたい1万円〜2万円前後が一般的。
髪の長さやダメージ状態によっては、さらにプラス料金がかかる場合もあります。
施術時間はおおよそ1.5〜2.5時間ほど。
酸熱系などの熱処理を伴うタイプは、仕上げまで時間をかける必要があります。
「少し高いかな」と感じるかもしれませんが、仕上がりの持ちが長い分、通常のトリートメントを繰り返すよりコスパが良いという声もあります。
どれがいいかは「髪の悩み」で選ぶのが正解
髪質改善トリートメントにはそれぞれ得意分野があります。
目的別に選ぶと、失敗しにくく満足度も高くなります。
どのタイプも、続けることで少しずつ髪のベースが整っていきます。
1回で劇的な変化を求めるより、定期的にケアして“扱いやすい髪”を育てていく意識が大切です。
髪質改善トリートメントはどれがいい?まとめと今後のケアのヒント
結論として、“どれが一番いい”かは髪の状態や悩み、そして美容師の技術によって変わります。
髪のクセを伸ばしたいのか、ツヤを出したいのか、乾燥を防ぎたいのか――目的を明確にして選ぶことがポイントです。
理想の髪質を目指すには、
・自分の髪に合うタイプを知る
・信頼できる美容師を見つける
・施術後のケアを続ける
この3つが欠かせません。
髪質改善トリートメントは、一度体験するとその違いに驚く人が多い人気メニュー。
ダメージを補修しながら、髪本来の美し
さを引き出すために、ぜひ自分に合った方法を選んでみてください。
