「G5X Mark IIってもう販売終了なの?」――最近、カメラ好きの間でそんな声をよく聞くようになりました。実際、店頭や通販サイトで在庫が消えているのを見て不安になった人も多いはずです。今回は、Canon PowerShot G5 X Mark IIがなぜ販売終了となったのか、その背景や後継モデルの噂、そして今後の再販や代替の可能性まで、じっくり掘り下げていきます。
G5X Mark IIとはどんなカメラだったのか
まず、このモデルがどんなカメラだったのかを振り返っておきましょう。
G5X Mark IIは2019年にキヤノンが発売した、高級コンパクトカメラ「PowerShot G」シリーズの一員です。1.0型CMOSセンサーを搭載し、F1.8〜2.8の明るいズームレンズ、24〜120mm相当の焦点距離、そしてポップアップ式の電子ビューファインダー(EVF)を備えていました。
このサイズでここまでのスペックを詰め込んだ機種は貴重で、旅行やスナップ撮影に最適。スマートフォンでは出せない描写力とボケ味が魅力でした。
特に、DIGIC 8エンジンによる高速処理や4K動画撮影への対応など、当時としてはかなり先進的な性能を備えていたのが特徴です。持ち歩きやすく、それでいて本格的な写真が撮れる「ちょうどいいカメラ」として多くのファンを獲得していました。
公式でも販売終了が確認されている
そんなG5X Mark IIですが、現在ではキヤノン公式サイトや直販ストアで「販売終了」「在庫なし」と表示されています。
キヤノンマーケティングジャパンのオンラインストアでも、かつてセット販売されていた商品ページに「【販売終了】」の文字が確認できます。量販店や通販サイトでも同様に、取り扱い終了・在庫限りの表記が増えています。
つまり、メーカーとしての生産はすでに終了し、在庫が尽きつつある段階に入っているということです。
ただし、「販売終了しました」といった明確なプレスリリースは出ていません。キヤノンではこのように、公式発表をせず静かに生産を終えるケースも少なくありません。
G5X Mark IIが販売終了になった主な理由
では、なぜ人気の高級コンパクト機が姿を消してしまったのでしょうか。理由はいくつか考えられます。
1. コンパクトデジカメ市場の縮小
ここ数年で、スマートフォンのカメラ性能は大きく進化しました。夜景やポートレート、動画まで手軽に高画質で撮れるようになり、一般ユーザーの多くが「カメラを別に持つ必要がない」と感じるようになっています。
その結果、コンパクトデジタルカメラ市場は急速に縮小。かつて数百万台規模だった出荷台数は、現在その数分の一にまで減っています。キヤノンをはじめとする大手メーカーも、開発リソースをより需要の高いEOS Rシリーズや動画機に集中させる方向へシフトしています。
2. 部品調達とコストの問題
高級コンパクト機は小型ながら高性能なパーツを多数搭載しており、製造コストが高めです。さらに、2020年以降は世界的な半導体不足や物流の混乱もあり、カメラ業界全体が供給難に陥りました。
その影響で、コストや生産ラインの維持が難しくなり、利益の出にくい機種から順次生産を終了していったと考えられます。
3. ミラーレスへの注力
キヤノンは現在、EOS Rシリーズなどのミラーレスカメラに大きく舵を切っています。これらのモデルはレンズ交換ができ、動画性能やAFの進化も著しい。
同じ1型センサーを搭載したコンパクト機よりも、高付加価値で売上が見込めるため、会社としてもリソースをそちらに集中させるのは自然な流れでしょう。
Gシリーズ自体もここ数年新モデルが登場しておらず、シリーズとしての活動が一時停止している印象です。
4. 在庫の枯渇と販売店の整理
実際、2021年頃からすでに「G5X Mark IIがどこにも売っていない」との声がネット上に増えていました。販売店でも再入荷の予定がないケースが多く、公式ショップでも在庫が消滅。
一部では「生産終了扱いでキャンセルになった」という購入報告もあり、販売ルート全体で終息に向かっていたことがわかります。
後継モデルは登場するのか?
気になるのは、「G5X Mark IIの後継モデルは出るのか?」という点ですよね。
現時点(2025年11月)では、キヤノンからG5X Mark IIIや新しいGシリーズの正式な発表はありません。
ただし、海外のカメラ情報サイトでは「新しいPowerShot Gシリーズを開発中」との噂が出ています。2025年末までに発表される可能性があるという話もありますが、あくまで未確認情報です。
もし次のモデルが出るとしても、スマートフォンとの差別化や、動画・Vlog用途に対応した形になる可能性が高いでしょう。実際、キヤノンは近年「PowerShot V10」「PowerShot V1」といった動画配信向けカメラを展開しており、静止画メインの高級コンパクト機は影を潜めています。
再販や在庫復活の可能性はある?
現時点では、G5X Mark IIの再販や増産の予定は発表されていません。公式オンラインストアが「販売終了」と明記していることからも、再生産の可能性はほぼゼロに近いと見てよいでしょう。
とはいえ、中古市場や一部の並行輸入店では、まだ新品同様の個体が出回っています。ただし数量は非常に少なく、価格も高騰傾向にあります。
もし購入を検討しているなら、早めに信頼できる販売店で在庫を確認するのが得策です。中古品を選ぶ場合は、シャッター回数や液晶の焼け、ズーム機構の状態などをしっかりチェックしましょう。
G5X Mark IIを今から購入する価値はある?
「もう販売終了なら、今さら買うのはどうなの?」と思う人もいるかもしれません。
結論から言えば、撮影スタイルによっては今でも十分“買い”の機種です。
G5X Mark IIは、ポケットに入るサイズでありながら、センサーサイズが大きく、ボケや高感度画質が非常に優秀です。風景や街歩きスナップ、旅行先の記録などには今でも理想的なバランス。
また、動画撮影にも対応しており、Vlog入門機としても使えます。
ただし、将来的な修理対応やバッテリー・アクセサリーの入手は徐々に難しくなる可能性があります。長く使いたい人は、予備バッテリーなどを早めに確保しておくと安心です。
代替候補として検討できるカメラ
もしG5X Mark IIを手に入れられなかった場合、同等クラスの機種を検討するのもおすすめです。たとえば次のようなモデルが候補に挙げられます。
- Canon PowerShot G7 X Mark III
同じ1型センサーを搭載し、より動画配信を意識したモデル。USB給電にも対応しています。 - Sony RX100 VII
1型センサーの定番機。AF性能やズームレンジが優秀で、携帯性も抜群。 - Panasonic LUMIX LX100 II
少し大きめですが、マイクロフォーサーズセンサーを搭載し、さらに高画質を求める人におすすめです。
これらはいずれも「コンパクトかつ本格的に撮れる」タイプ。価格や用途を考えながら、自分の撮影スタイルに合った1台を選ぶといいでしょう。
まとめ:G5X Mark II販売終了の背景と今後の展望
G5X Mark IIが販売終了となった理由は、スマートフォンの進化による市場縮小、製造コストや部品調達の問題、そしてキヤノンの戦略転換といった複合的な要因によるものと考えられます。
現時点で後継モデルは登場していませんが、新しいGシリーズ開発の噂もあるため、今後の動きに注目が集まります。
このモデルが残したのは、「小さなボディで本格的に撮れる楽しさ」という価値。
販売終了は惜しいですが、まだ中古市場などで入手できるチャンスはあります。興味がある人は、今のうちにチェックしておくといいかもしれません。
時代の流れとともにカメラの形は変わっていきますが、「G5X Mark IIが販売終了した理由は?」という問いが示すように、その存在は今なお多くの写真愛好家の記憶に残り続けています。
