「X S20が販売終了って本当？」
カメラ好きのあいだでそんな声が増えています。
発売からまだそんなに経っていないのに、どうしてもう店頭から姿を消してしまったのか。
この記事では、富士フイルムの人気ミラーレス「X S20」が販売終了となった背景や、現在も購入できる在庫情報を詳しくまとめていきます。
そもそもX S20とはどんなカメラ？
X S20は、富士フイルムの「Xシリーズ」の中でも、スチルと動画の両方をしっかり楽しみたいユーザー向けに設計されたハイブリッドモデルです。
2023年6月に登場し、コンパクトボディに高性能を詰め込んだことで話題になりました。
・有効約2,610万画素の「X-Trans CMOS 4」センサー
・新世代エンジン「X-Processor 5」搭載
・最大7.0段分の5軸ボディ内手ブレ補正
・6.2K/30p動画撮影対応
・AI被写体検出による高速オートフォーカス
重さはわずか約491g。
それでいて手ブレ補正も動画性能も充実しており、「持ち歩けるハイエンド」として多くのカメラファンから支持されていました。
とくにVlogやYouTube撮影に使いたい人たちの間で人気を集め、「X S10からの乗り換え組」も多かったモデルです。
X S20の販売終了が話題になったきっかけ
2024年の春ごろから、カメラショップや量販店のオンラインストアで「在庫なし」「販売終了」「取り扱い終了」といった表示が相次ぎました。
「富士フイルム公式サイトでも購入ボタンが消えている」「受注停止の案内が出た」とSNS上でも騒がれ、実質的な販売終了ではないかと話題になりました。
実際の経緯を振り返ると、まず2023年10月に富士フイルムがX S20とX T5の受注を一時停止。
その理由は「予想を上回る注文により、生産が追いつかないため」とされていました。
その後、2024年2月には受注が再開されたものの、再び供給が追いつかず、春には販売終了扱いとなった店舗が増えていきます。
一部の販売店では「数量限定」「生産完了品」の文字も確認されました。
早期販売終了となった背景を考える
発売から約1年ほどで「販売終了」という流れは、カメラとしてはやや早い印象です。
ではなぜX S20は短命モデルになってしまったのか。
複数の要因が重なっていたと考えられます。
1. 供給不足と生産体制の制約
富士フイルムは、Xシリーズ全体で需要の高まりに生産が追いつかない状況が続いています。
特にセンサーや電子部品の調達難が長引き、供給が不安定だったと見られます。
X S20も人気が集中した結果、生産数を大きく増やせず、早期に「在庫限り」となった可能性があります。
2. モデルサイクルの短縮化
近年、富士フイルムは新しいエンジン「X-Processor 5」を採用したモデルを続々投入しています。
X-H2、X-H2S、X-T5といった上位機が充実してきたことで、ラインアップの整理が進められている最中でした。
そのため、X S20のポジションを見直し、次期モデル「X S30（仮）」への移行準備に入ったとも推測されています。
3. 販売計画の保守的運用
DCライフなどの業界サイトによると、富士フイルムはエントリー～中級機クラスのモデルについて、生産を慎重に行っていたとされています。
つまり、需要を見ながら限定的な数を出荷し、一定数が行き渡った段階で製造を終了する方針だった可能性が高いです。
結果として、供給が安定する前に店頭から姿を消してしまったというわけです。
4. 価格帯と需要のバランス
X S20の発売価格はボディ単体で約18〜19万円前後。
手軽な見た目に反してミドルクラス寄りの価格設定だったため、エントリー層には少し高く感じられたかもしれません。
「欲しいけど手が届きにくい」という層が一定数いたことも、販売スピードを鈍らせた要因と言えそうです。
現在の在庫・購入可能ルート
販売終了といっても、完全に市場から消えたわけではありません。
2025年時点でも、探せばいくつかのルートで入手が可能です。
・家電量販店の店頭在庫（ヨドバシ・ビック・カメラのキタムラなど）
・アウトレット扱い商品
・未開封・展示品の在庫処分セール
・中古販売店（マップカメラ・フジヤカメラなど）
新品を探す場合は、在庫が残っているかをこまめに確認するのがポイント。
「再入荷通知」設定をしておくのもおすすめです。
ただし、販売終了モデルはメーカー保証や修理対応期間が短くなる傾向があるため、保証内容をよく確認してから購入するのが安心です。
中古市場の動きと価格変動
X S20は人気モデルだったこともあり、中古市場ではすでに動きが活発です。
2025年現在、状態が良い中古品はおおむね13〜16万円前後で流通しています。
人気のレンズキット付きは、状態によっては新品時とほとんど変わらない価格で取引されているケースもあります。
生産完了後のカメラは、中古市場でプレミア化することがあります。
特に、軽量ボディと手ブレ補正・動画性能を両立しているモデルは数が少ないため、X S20も今後希少化していく可能性があります。
後継モデル「X S30」登場の可能性は？
海外のカメラニュースサイトでは、すでに「X S30が登場するのでは？」という噂が報じられています。
X S20の生産終了時期と、富士フイルムの開発サイクルを考えると、2025年内～2026年初頭に新モデルが出る可能性もありそうです。
もしX S30が登場するなら、さらなる動画機能の強化や新センサー採用、連写性能の改善などが期待されます。
一方で、価格が上昇することも想定されるため、今のうちにX S20を確保しておくのも一つの判断です。
購入時に注意したいポイント
- 正規販売店からの購入を優先する
販売終了品は、並行輸入品や保証なしの中古も出回ります。保証書の有無を確認しておきましょう。 - 動作確認と付属品の欠品チェック
中古を購入する際は、シャッター回数・ボディのスレ・液晶の焼けなどを確認することが大切です。 - 価格相場を比較して焦らない
在庫限りになると価格が一時的に上がることがあります。複数の店舗を比べて、適正価格を見極めるのがコツです。
X S20が今も愛される理由
販売終了となった今でも、X S20の評価は非常に高いです。
特に以下のポイントは、多くのユーザーから支持されています。
・軽量ボディなのに高画質
・動画・静止画どちらも得意
・富士フイルムらしい色再現（フィルムシミュレーション）
・初心者でも扱いやすい操作性
このバランスの良さが「X S20の完成度の高さ」として語り継がれている理由です。
後継機が出たとしても、今後も中古市場では安定した人気を保つでしょう。
まとめ：X S20が販売終了？今買うなら早めの判断を
X S20の販売終了は、突然のニュースに感じられた人も多いでしょう。
しかし背景を追ってみると、部品供給の制約や次期モデルへの移行など、複数の事情が重なっての判断だったと考えられます。
現時点では新品の在庫が少なく、中古市場もじわじわと価格が上がりつつあります。
どうしても手に入れたい人は、早めに在庫をチェックするのが賢明です。
今後、もしX S30が登場すれば、その性能比較や乗り換えタイミングも注目ポイントになりそうです。
富士フイルムのXシリーズは、世代ごとに確実に進化しています。
販売終了というニュースも、次の一歩に向けた通過点。
X S20が築いた軽量高性能というコンセプトは、これからのモデルにも受け継がれていくはずです。
