ウイスキー好きの間で「ロングモーン25年が終売したらしい」という話題が広がっています。SNSでも「もう買えないの?」「どこにも在庫がない」といった声が目立ち、希少ボトルとして注目度が一気に上昇しました。
では本当に終売なのか?理由や背景、そして今でも手に入る方法について、じっくり掘り下げていきましょう。
ロングモーンとは?知られざる“通好み”の蒸留所
ロングモーン(Longmorn)は、スコットランドのスペイサイド地方にある蒸留所。1893年に創業し、現在はペルノ・リカール社の傘下「シーバスリーガル・ブラザーズ」が所有しています。
ブレンデッドウイスキー「シーバスリーガル」などの原酒としても知られており、蒸留所としての評価は非常に高いものの、シングルモルトとしての知名度はやや控えめ。しかし、実は多くのウイスキー愛好家から“隠れた名酒”として支持されています。
その理由は、スペイサイドらしいフルーティーでまろやかな香りと、熟成によって生まれる奥深い甘み。リンゴや洋梨、蜂蜜、トフィーのようなニュアンスが感じられ、飲み口は滑らかで上品。まさに“通好みの一杯”です。
ロングモーン25年とはどんなボトル?
ロングモーン25年は、同蒸留所のフラッグシップのひとつ。「Secret Speyside Collection」としてリリースされた限定シリーズの中でも特に注目されたボトルです。
熟成年数は25年。アメリカンオークの樽を中心に、ホグスヘッドやバットなど複数の樽で長期熟成。アルコール度数52.2%と高めで、香り・味ともに凝縮感があります。
テイスティングでは、熟したプラムやドライフルーツ、蜂蜜、スパイス、そして柔らかい樽香が絶妙に混ざり合い、非常に完成度の高い味わいに仕上がっています。まさにロングモーンの真価を感じられる一本です。
「終売」と言われる背景とは?
現在、ロングモーン25年の公式サイトや輸入元では“販売終了”の明確な発表は確認されていません。
それでも「終売」「在庫なし」とされる理由には、いくつかの背景があります。
1. 熟成原酒の枯渇
25年ものの熟成には当然25年以上の時間がかかります。近年のウイスキーブームで長期熟成原酒の在庫が減少しており、ブランド側も安定供給が難しくなっています。これにより、25年クラスのボトルは数量限定でのリリースに留まり、実質的に“終売状態”となるケースが増えています。
2. ブランド戦略の転換
ロングモーンは近年、ブランドイメージを刷新。これまでの「ロングモーン18年」「23年」「ロングモーン25年」ラインを一新し、「ロングモーン18年」「ロングモーン22年」を中心に再構築しました。
つまり、25年モデルは新ラインナップには含まれず、リニューアルの中で自然消滅的に姿を消した形です。
3. 市場のプレミア化
世界的なウイスキー人気の高まりで、長熟モルトは投資・コレクション対象として高値で取引されています。ロングモーン25年もその例外ではなく、二次流通市場では定価を大きく上回るプレミア価格が付くようになりました。
現在の流通状況と価格相場
日本国内では、ロングモーン25年の新品正規流通品はほぼ見かけなくなっています。
大手ECサイトや専門店では「在庫なし」表示が多く、あっても10万円〜30万円前後と高額。海外サイトでは約£450(日本円で約8万円前後)という価格も見られますが、輸入コストを含めると国内価格と大差ありません。
オークションやリユースショップでは、状態の良いボトルがさらに高値で取引される傾向があります。外箱・冊子付きや未開封品であれば20万円を超えることも珍しくありません。
ただし、希少化が進むほど真贋リスクも高まるため、購入の際は信頼できる業者を選ぶことが大切です。
今でも買える?入手方法と注意点
1. 専門ショップをチェック
ウイスキー専門店や輸入酒サイトでは、まれに在庫が再入荷することがあります。国内では正規代理店経由の流通が限られているため、信頼できるショップを定期的にチェックしておくのがおすすめです。
2. 二次流通・オークションサイト
オークションやプレミアムリカー系のサイトでは、コレクター放出品が出ることも。状態や付属品を細かく確認し、偽物や劣化ボトルを避けるためにも、写真付き・保証ありの出品を選びましょう。
3. 海外通販を活用
イギリスやヨーロッパのウイスキー専門サイトでは、比較的在庫が見つかることもあります。ただし、輸入時には関税・送料がかかり、さらにアルコール輸入の規制にも注意が必要です。購入前に日本への発送可否を必ず確認してください。
4. インディペンデントボトラーを狙う
ロングモーン25年と同等の熟成原酒を使った「インディペンデントボトラー(独立瓶詰業者)」による限定ボトルも存在します。
「ゴードン&マクファイル」「ダグラスレイン」など信頼あるボトラーズブランドのものなら品質も安定。公式25年に比べて個性豊かな味わいが楽しめる可能性もあります。
終売の真相をどう見るか
「終売=もう作られない」と断定するのは難しいですが、現時点で25年モデルが再発売される兆しは見えていません。
ロングモーンは今後、「ロングモーン18年」「ロングモーン22年」など新たなプレミアムラインを軸に展開していく方針を示しており、25年の復活は当面なさそうです。
一方で、ブランドが再び熟成年数の長い原酒を確保できれば、数年後に“限定復刻版”として再登場する可能性もゼロではありません。
実際、他のスペイサイド系ブランド(マッカランやグレンリベットなど)でも、熟成原酒の確保状況に合わせて再リリース例が見られます。
ロングモーンを楽しむなら今がチャンス
もし「25年はもう手が届かない…」と思う方も、ロングモーンの魅力を味わう手段はまだあります。
現行品の「ロングモーン18年」「ロングモーン22年」も高品質で、スペイサイドの華やかさと滑らかさをしっかり感じられるボトルです。特に18年はコスパ面でも人気があります。
また、ウイスキー愛好家の間では「ロングモーン12年(旧ボトル)」や「ロングモーン16年」も再評価されています。熟成年数こそ異なりますが、蒸留所の個性を十分に堪能できる一本です。
まとめ|ロングモーン25年が終売?その理由と今後の展望
「ロングモーン25年 終売」という噂には、いくつかの要因が絡んでいます。
長期熟成原酒の不足、ブランド戦略の変更、そして世界的なウイスキー市場の高騰。これらが重なり、実質的に入手困難な状態となっているのです。
とはいえ、ロングモーンというブランド自体は今も健在。ロングモーン18年やロングモーン22年といった新ラインで、より洗練された味わいを楽しむことができます。
もし25年ボトルを手に入れたいなら、今が最後のチャンスかもしれません。信頼できるショップで在庫を確認し、慎重に選びながら、ロングモーンの深い世界を味わってみてください。

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