「最近、ZONe(ゾーン)の500ml缶を全然見かけないけど、もしかして販売終了したの?」――そんな声がSNSでもちらほら聞かれるようになりました。以前はコンビニやスーパーのエナジードリンク棚にずらりと並んでいたのに、いつの間にか姿を消しています。
この記事では、ZONe 500mlがなぜ販売終了(あるいは実質的な販売停止)状態になっているのか、その理由を原材料・コスト・販売戦略・消費者動向などの観点から掘り下げていきます。
ZONeとはどんなブランドだったのか
ZONeは2020年に登場したサントリーのエナジードリンクブランドです。キャッチコピーは「飲む者を無敵のゾーンへ」。
当初は500mlという大容量で登場し、「ガッツリ飲めるエナジードリンク」として一気に人気を集めました。パソコン作業中やゲームプレイ時に長時間飲み続けられるのが特徴で、eスポーツやVTuberなどのデジタル文化を背景に若年層を中心にファンを獲得していきました。
しかし、発売から数年が経ち、徐々に市場から500ml缶が姿を消していきます。その背景には、いくつかの明確な変化がありました。
原材料とコスト構造の変化が影響?
ZONeの500ml缶は、砂糖・ぶどう糖・パラチノース・高麗人参エキス・アルギニン・カフェインなど、エナジードリンクに定番の成分をふんだんに使用していました。
これらの原材料は価格変動が大きく、特に近年は砂糖やカフェイン原料の国際相場が上昇しています。
500mlという大容量仕様は、当然ながら原材料の使用量も増えます。つまり、原価負担が他サイズに比べて高くなりやすい。さらに、缶素材や流通コストの上昇も重なり、企業としては「利益率が下がりやすいサイズ」になっていた可能性が高いのです。
また、500ml缶は飲み切るのに時間がかかり、開封後に炭酸が抜けやすいという弱点もありました。コストに加えて「消費者の飲み残しリスク」という課題も抱えていたと考えられます。
消費者ニーズの変化:大容量より「飲みきりサイズ」へ
ここ数年、エナジードリンク市場では「小容量化」が進んでいます。
例えば、レッドブルやモンスターなども主力サイズは250ml前後。ZONeのような500ml大容量タイプは、他ブランドと比べると明らかに大きく、ライトユーザーには手を出しにくいサイズ感でした。
エナジードリンクは一気に飲むよりも短時間でエネルギーを補給する用途が多く、「500mlは多すぎる」「半分で十分」という声も増えていました。
健康志向の高まりもあり、カフェインや糖分の摂取量を気にする層が増えたことも影響しています。
こうした市場環境の変化に合わせて、メーカーは「より手軽に飲み切れる容量」への転換を進めていったと見られます。
容量変更と容器リニューアル:400mlボトル缶へのシフト
ZONeの公式サイトや通販ラインナップを見ると、現在主力となっているのは「ZONe 400mlボトル缶」。
蓋付きのボトル缶は再封可能で持ち運びしやすく、カフェやワークスペースなど多様なシーンに対応できます。これは、長時間デスクワークやゲームをする層の「少しずつ飲みたい」というニーズに応える形です。
つまり、ZONeは「500ml缶の完全終了」ではなく、「より利便性の高い400mlボトル缶への置き換え」を進めていると考えられます。
実際、通販では400ml仕様の商品が主力として販売され、500ml缶は在庫限り・旧仕様扱いとなっています。
店舗で見かけなくなった理由
店頭で500ml缶が消えた背景には、物流や棚割りの事情もあります。
大きな缶は陳列効率が悪く、1本あたりの売上効率も下がる傾向があります。特にコンビニでは、1本分のスペースで250ml缶を2本置けるため、販売回転率の観点から小型サイズが優先されるのです。
また、2024年頃からコンビニ各社は新しいエナジードリンクや炭酸飲料を次々と投入しており、限られた棚スペースで競争が激化。結果的に、旧仕様のZONe 500ml缶が棚落ちした店舗が増えたと考えられます。
一方で、一部の地方スーパーや通販ではまだ在庫を扱っている例もあるため、「完全に販売終了」というよりは「流通縮小・販売エリア限定化」という段階と見るのが妥当でしょう。
頻繁なフレーバー入れ替えも“販売終了”の一因
ZONeの特徴として、フレーバーの入れ替えスピードが非常に速い点があります。
「ZONe Ver.1.0.0」「ZONe DEEP DIVE」「ZONe Utopia」「ZONe Firewall」など、過去には数十種類の限定フレーバーが登場しては短期間で入れ替えられてきました。
この「サイクルの速さ」はブランドの魅力でもありますが、同時に「旧フレーバー=販売終了」となるリスクも大きい。
500ml缶で展開されていた初期の人気商品も、リニューアルの波に飲まれて姿を消していきました。
その結果、SNSでは「お気に入りのZONeがもう売ってない」「新しいボトルしかない」といった投稿が増え、500ml=終了という印象が定着したのです。
公式発表がないのになぜ“終了扱い”なのか
メーカー側から「500ml缶の製造終了」を正式に発表したわけではありません。
しかし、公式サイトのラインナップから500mlが姿を消し、販売中表示(ON SALE)の項目にも含まれなくなっています。
さらに、大手通販サイトでは「販売終了」「在庫限り」と明記された商品ページが複数確認できます。
こうした「実質的に入手困難な状態」こそが、消費者の間で“販売終了”という認識を生み出した最大の要因です。
明確な発表がないのは、ZONeブランドがフレーバーや容量ごとに流動的にラインナップを更新する方針を取っているためと考えられます。
エナジードリンク市場全体の流れ
ZONeの500ml缶が消えた背景には、エナジードリンク業界全体の変化もあります。
市場では「味の多様化」「健康志向」「機能性訴求」「飲み切りやすさ」が重視され、各社が250〜400ml前後の製品を主軸に展開しています。
特に若年層の間では「カフェイン控えめ」「糖分少なめ」「デザイン重視」のトレンドが強く、従来型の“大容量・高刺激”タイプから“軽めでスタイリッシュ”な方向に移行しつつあります。
ZONeもこの潮流に合わせ、400ml仕様でデザイン性と利便性を両立させる方向へシフトしていると見られます。
今後、500mlサイズの再販はあるのか
現時点では、500ml缶の再販予定は確認できていません。
しかし、限定コラボや特別キャンペーンで復刻する可能性はゼロではありません。
ZONeはもともとコラボ戦略に積極的で、アニメやゲーム作品との期間限定商品を頻繁に展開しています。
もし再販があるとすれば、特別パッケージやコラボモデルとして、数量限定で登場する形になるでしょう。
一方で、レギュラーラインとしては400mlボトル缶のほうが定着しており、主力サイズが再び500mlに戻る可能性は低そうです。
まとめ:ZONe 500ml販売終了の理由は複合的
ZONe 500mlが販売終了したとされる理由をまとめると、次のようになります。
- 原材料や缶資材などのコスト上昇
- 大容量仕様による収益効率の低下
- 消費者ニーズの変化(飲みきり志向・健康意識)
- 400mlボトル缶へのリニューアル移行
- 店舗での棚スペース・流通効率の問題
- フレーバー更新による旧仕様撤退
これら複数の要素が重なり、500ml缶は市場から徐々に姿を消していったと考えられます。
つまり、「ブランドが衰退した」わけではなく、「時代に合わせた進化の一環」として容量や仕様が変わったのです。
ZONe 500mlが販売終了の理由は?今後の展開に注目
ZONe 500mlが販売終了とされる背景には、単なる供給停止ではなく、時代やニーズの変化に応じた戦略的な判断が見えます。
今後は400mlボトル缶を中心に新フレーバーが展開されるでしょう。限定版やコラボ商品など、ZONeらしい独自の企画が再び話題を呼ぶ可能性もあります。
もし500ml時代のZONeが好きだった人も、ぜひ新しいボトルタイプを試してみてください。
ZONeブランド自体はまだまだ健在。形を変えて、これからも多くの人を“無敵のゾーン”へ導いてくれるはずです。
