「ロンドンプライドが終売したって本当?」
最近そんな声をSNSでよく見かけます。長年ファンに愛されてきたイギリスの名ビールだけに、このニュースは衝撃ですよね。この記事では、ロンドンプライドの販売終了の真相、背景にある事情、そして今後の再販の可能性について、わかりやすく解説していきます。
ロンドンプライドとは?イギリスの“誇り”を象徴するビール
まずは少し、ロンドンプライドというビールの基本からおさらいしておきましょう。
ロンドンプライド(London Pride)は、ロンドンの老舗ブルワリー「フラーズ(Fuller’s)」が手がけるペールエール。1959年に登場して以来、半世紀以上にわたって英国人に親しまれてきたクラシックなエールです。
アルコール度数は4〜5%ほど。琥珀色の液体にモルトの甘みとホップの香ばしさがほどよく調和し、苦味が穏やかで飲み疲れしないバランスが特徴です。ロンドンのパブで「とりあえずプライドを」と注文する人も多く、まさに“ロンドンの誇り”を体現するような存在です。
日本でも「英国ビールといえばロンドンプライド」というほど定番化しており、輸入ビール専門店や一部のパブで長年愛飲されてきました。
終売の噂が広がったきっかけ
そんなロンドンプライドに「終売」の噂が立ったのは、2024年ごろから。SNSや一部のビールショップで「日本での輸入が終了する」「在庫限りで販売終了」といった投稿が相次ぎ、ファンの間に不安が広がりました。
実際、輸入ビールを扱う店舗の中には「メーカー終売のため在庫のみ」「次回入荷は未定」といった案内を掲示しているところもあり、現場レベルでは供給が止まりつつある状況が見えてきます。
ただし、メーカー公式や正規輸入元が「販売終了」を正式に発表したという情報は確認されていません。そのため、厳密に言えば“噂段階”ではありますが、現場の声を総合すると「実質的に日本向け流通が終息に向かっている」と見るのが現実的でしょう。
なぜロンドンプライドが終売と噂されているのか
ここからは、なぜロンドンプライドが日本市場で姿を消しつつあるのか、その背景を整理していきます。
1. 輸入コストの高騰と物流負担
英国から日本までの長距離輸送は、近年ますますコストが上昇しています。原材料費、燃料費、為替変動、倉庫維持費などが重なり、特に瓶ビールのように重量のある商品の採算は厳しくなっています。
輸入ビール業界全体で「採算の合わない銘柄の縮小」や「品目整理」が進んでおり、ロンドンプライドもその流れに巻き込まれた可能性があります。
2. フラーズの事業売却とブランド戦略の変化
2019年、ロンドンプライドを製造するフラーズのビール事業は、日本のアサヒグループに買収されました。
この出来事により、ブランド所有や輸出体制が変化。アサヒはグローバル展開の一環として、優先市場を絞り込む動きを見せています。日本国内の販売体制もその影響を受け、輸入元の契約・流通経路の見直しが行われたとみられます。
3. 日本のビール市場の変化
日本では近年、クラフトビールや国産地ビールの人気が急上昇しています。コンビニやスーパーでも多様な国産クラフトが並び、輸入ビールが“特別な嗜好品”へとシフトしました。
結果的に、ロンドンプライドのような伝統的エールの販売数は減少。大手流通では扱いづらい存在になり、販売終了の判断につながったと考えられます。
4. 在庫限り・供給終了の現場判断
多くの専門店では「在庫限り」「再入荷予定なし」という案内を出しています。これはメーカーからの正式発表を待たずに、実質的に販売を終了している状態。
特に2025年初頭から「ロンドンプライドの樽が入らない」「ボトル在庫が切れた」といった声が増えており、現場の実感としては“終売に近い”といえるでしょう。
終売の真相:完全終了ではなく「日本限定の流通停止」
ここで重要なのは、「ロンドンプライド自体が製造中止になったわけではない」という点です。
英国では今も変わらず製造が続いており、ロンドンのパブでも普通に飲むことができます。終売というより「日本への輸入が止まっている」というのが正確な状況です。
つまり、ロンドンプライドというブランド自体は健在。あくまで“日本市場限定での供給停止”という位置づけなのです。
この点を誤解して「世界的に生産終了した」と思っている人も多いのですが、英国の公式サイトや現地スーパーでは今でも販売されています。
ファンの声:「もう飲めないなんて寂しい」
SNSでは、長年ロンドンプライドを愛してきた人たちの悲しみの声が相次いでいます。
- 「パブで最初に飲んだ思い出のビール。もう飲めなくなるのはつらい」
- 「あのモルティーな香りと琥珀色、どこにも代わりがない」
- 「最後の1本を冷蔵庫に取っておこうと思う」
このように、単なるビール以上の存在として、ファンに深く刻まれているのがロンドンプライドです。
特にクラフトビール人気が高まる中でも、“昔ながらの英国の味”を求める層にとっては唯一無二の銘柄。そうした人たちにとって、終売は文化の一部が失われるような感覚といえるかもしれません。
再販の可能性はあるのか?
結論から言えば、「完全にゼロではない」といえます。
実際にSNSでは「輸入継続の話を聞いた」「再入荷を検討している店がある」といった情報も見られます。
また、フラーズのブランド自体はアサヒグループの傘下にあるため、日本向け再販の道は理論的には残されています。
再販の鍵となるのは次の3つです。
- 輸入契約の再交渉:輸入元とアサヒ側の契約が見直されれば、再び日本市場に戻る可能性があります。
- 市場需要の復活:SNSなどでの反響が大きければ、数量限定での再販が検討される可能性も。
- 物流コストの安定:為替や輸送費が落ち着けば、再度採算が合う可能性があります。
つまり、完全に“終わった”と断定するのはまだ早い段階。ファンが声を上げ続ければ、再び店頭に並ぶ日が来るかもしれません。
今のうちにできること
現時点で手に入る在庫は確実に減っています。
ネット通販や専門店で見つけたら、迷わず確保しておくのがベストです。賞味期限も長めなので、自宅でゆっくり楽しむのもおすすめ。
また、同じく英国エールの代替としては以下の銘柄も人気です。
どれもロンドンプライドのようなモルト香を楽しめるタイプ。飲み比べながら“あの味”を懐かしむのも一つの楽しみです。
ロンドンプライド終売の真相と、これから
改めてまとめると──
- ロンドンプライドは英国を代表する名ビールであり、製造自体は続いている。
- 日本では輸入・流通が縮小し、在庫限りの状態に近づいている。
- 終売の背景には、コスト・市場動向・契約変更など複数の要因がある。
- ただし再販の可能性も完全には消えていない。
もし再び日本でロンドンプライドが復活したら、それは多くのファンの声と愛情の賜物かもしれません。
その日を楽しみにしながら、今ある1本をじっくり味わいたいですね。
ロンドンプライド終売の真相とは?人気ビール販売終了の理由と再販情報――このテーマが示すように、私たちが長年親しんできた銘柄の行方には、時代の変化と消費文化の波が映し出されています。
たとえ日本で姿を消しても、ロンドンプライドが紡いできた“英国の誇り”は、きっとこれからも世界のどこかで息づいていくはずです。

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