「リコーのハンディプリンター、最近見かけないけど販売終了したの?」
そんな疑問を持つ人が増えています。
手のひらサイズでどこでも印字できる便利なアイテムだっただけに、販売終了のニュースに驚いた人も多いはずです。
ここでは、リコーの「RICOH Handy Printer(ハンディプリンター)」が販売終了となった背景や、考えられる理由、今後の再販や代替機種の可能性までを丁寧に解説します。
RICOH Handy Printerとはどんな製品だったのか
RICOH Handy Printerは、リコーが2019年に発売した持ち運びできる小型インクジェットプリンターです。
本体サイズは幅46×奥行121×高さ81mm、重さはわずか約315g。片手でスライドさせるだけで文字やイラストを印字できる、これまでにない「手書き感覚のプリンター」として話題になりました。
Bluetoothでスマホと連携し、専用アプリで作成した文字や画像をそのまま出力。紙だけでなく、封筒・段ボール・木材などの平らな素材にも直接印字できるのが特徴です。
従来の据え置き型プリンターとは異なり、現場やイベント、倉庫、ハンドメイド作業などでの活用を想定した“新ジャンル”の製品でした。
実際に販売終了したのは本当?
結論から言うと、リコーのハンディプリンターはすでに公式で販売終了しています。
リコー公式サイトの「販売終了品一覧」にも掲載されており、現在は新品の出荷が終了。さらに「サポートは2026年3月末で終了予定」と明記されています。
一部の通販サイトや量販店では在庫が残っているケースもありますが、数量は限られており、今後は入手が難しくなる見込みです。中古市場で見かけることはあるものの、価格が上がっている傾向も見られます。
なぜ販売終了になったのか?考えられる5つの理由
リコーは明確な理由を公表していませんが、複数の要因が重なって販売終了に至ったと考えられます。ここでは主な5つの背景を整理します。
1. 市場需要の低下とニッチ化
ハンディプリンターはユニークな発想の製品でしたが、一般的な家庭用やオフィス用プリンターとは異なる用途でした。
段ボールやタグ、簡易ラベル印字など“現場特化型”のニーズに支えられていたため、市場規模が小さく、一般消費者には広く普及しませんでした。
結果として、継続販売するだけの需要が維持できなかった可能性があります。
2. 技術競争と他社製品の台頭
近年は海外メーカーを中心に、同様のハンディプリンターが続々登場しています。
EVEBOT PrintPodsやKongten Mbrush ハンディプリンターなどは、より多素材対応・多機能・低価格を打ち出しており、競争が激化。
こうした新興ブランドとの比較で、リコー製品の価格や機能面での優位性が薄れたことも販売終了の一因とみられます。
3. 部品・保守コストの増加
RICOH Handy Printerは専用インクカートリッジや特殊構造のヘッドを採用していました。
そのため、部品供給や在庫維持、修理対応などのコストが高くつきやすかったと考えられます。
保証期間終了後は「一律32,000円(税抜)」の有償修理対応とされており、収益面や保守体制の維持が難しかった可能性もあります。
4. リコーの事業戦略転換
リコーは現在、オフィスソリューションや産業向け印刷機器、デジタルワークプレイスなどの法人分野に注力しています。
その中で、個人向けのニッチ製品であるハンディプリンターは、同社の中核事業からは外れていたといえるでしょう。
経営資源を主力領域に集中させるための製品整理の一環として販売終了した可能性があります。
5. サポートと消耗品の継続性
販売終了後もサポートを維持するには、部品・インク・修理体制の確保が欠かせません。
しかし、消耗品の供給には限界があり、長期にわたる維持は難しいのが現実です。
2026年3月で公式サポートを終了するという発表からも、今後は部品供給が途絶える見込みと考えられます。
現在使っている人への影響は?
すでに購入しているユーザーにとっては、販売終了は気になるニュースですよね。
ただ、すぐに使えなくなるわけではありません。
サポート終了までは修理・消耗品の購入が可能で、インクカートリッジも当面は入手できる見込みです。
とはいえ、在庫が尽きると入手困難になるため、長期使用を考えている人は早めに予備のカートリッジを確保しておくのが安心です。
また、中古市場での購入を検討する場合は、以下の点に注意しましょう。
- インク残量やカートリッジの状態
- バッテリーの劣化具合
- 付属品(ケーブル・ケースなど)の有無
- 本体の印字品質(スジやかすれ)
特にバッテリーは経年劣化しやすく、修理が難しい部位なので慎重に選びましょう。
代替機としておすすめの製品
リコー製ハンディプリンターの販売終了後、同様の機能を持つ製品が複数登場しています。
用途に合わせて検討するなら、以下のような機種が候補になります。
- EVEBOT PrintPods:紙、木、布、革など多素材に対応。デザイン性が高く、アプリ操作も直感的。
- Kongten Mbrush ハンディプリンター:小型軽量でフルカラー印字に対応。USB充電式。
- EVEBOT PrintPen:ビジネス・工場・店舗などで使いやすく、Bluetooth接続で安定性が高い。
これらは国内外で人気が高く、スマホ連携や多言語対応など、リコー製よりも進化した部分もあります。
ただし、耐久性や印字精度には差があるため、使用目的に合わせて慎重に比較することが大切です。
再販や後継機の可能性はある?
現時点で、リコーからハンディプリンターの再販や後継機に関する正式な発表はありません。
「販売終了しました」「サポートは2026年3月末まで」と明示されていることから、少なくとも短期的な再販の可能性は低いでしょう。
ただし、リコーは長年にわたり印刷技術を磨いてきた企業です。
今後、IoTやモバイル機器の進化に合わせて、新しい形のハンディ印字デバイスを開発する可能性もゼロではありません。
企業向けソリューションやスマートデバイス連携を前提に、より高性能な“次世代モデル”が登場することに期待したいところです。
いま購入を検討している人へのアドバイス
もし「どうしてもリコーのハンディプリンターが欲しい」と思っているなら、以下のポイントを意識してください。
- 公式サイトでの販売は終了しているため、在庫限りまたは中古品での入手になる。
- 購入時は「サポート期限」「インクの在庫状況」「保証の有無」を必ず確認。
- 長期的に使いたい場合は、代替製品も比較検討する。
- 消耗品の確保や、サポート終了後のリスクも踏まえたうえで判断する。
また、すでに所有している人は、定期的に印字チェックを行い、インクの詰まりやバッテリー劣化を早期に見つけておくと安心です。
リコー ハンディ プリンター 販売 終了 なぜ ― 今後に向けて
リコーのハンディプリンターは、持ち歩ける“手のひら印刷機”として多くのファンを獲得しました。
しかし、市場規模やサポート体制、コスト面などの課題を背景に、惜しまれつつも販売終了を迎えました。
とはいえ、ハンディプリンターというジャンルそのものは進化を続けています。
より軽く、より多素材に対応し、アプリと連携するモデルが次々と登場しています。
リコー製が果たした先駆的な役割は大きく、その技術は今後の製品にも受け継がれていくでしょう。
「なぜ販売終了になったのか」という問いの先には、“新しい形の印刷体験”への転換があるのかもしれません。
