漫画ファンの間で「小田原みづえの『QUEEN』が販売終了したらしい」という噂が広がっています。SNSでも「書店で見かけなくなった」「電子書籍で検索しても出てこない」といった声があり、ファンとしては不安になりますよね。
しかし、実際に調べてみると――この「販売終了」には少し誤解があるようです。この記事では、『QUEEN』がなぜ販売終了と噂されたのか、その背景や今後の再リリースの可能性について、丁寧に解説していきます。
『QUEEN』とは？物語と作品の魅力をおさらい
『QUEEN』は、小田原みづえ先生によるファンタジー×恋愛の人気作品。
元王女でありながら国家の公安捜査官として働く主人公・アリアと、彼女を取り巻く王族・貴族たちの人間模様を描いた重厚なストーリーが魅力です。
繊細な心理描写と、華やかな世界観。そこにサスペンス的な展開やロマンスが絡み合い、読者をぐっと引き込みます。
「小田原みづえワールド」の真骨頂ともいえるこのシリーズは、恋愛要素だけでなく、権力や正義、裏切りといった社会的テーマも扱い、読むたびに新しい発見があります。
現在の販売・配信状況はどうなっている？
まず結論から言うと、『QUEEN』は現在も販売・配信中です。
Amazon Kindleやコミックシーモアなど主要な電子書籍サイトでは、全6巻（もしくは分冊版）として購入・閲覧が可能となっています。
特に電子書籍サイトでは、無料キャンペーンや期間限定配信が頻繁に行われており、「無料期間が終了したあとにページから消える＝販売終了」と誤解されやすい構造になっています。
一部のファンが「販売終了」というワードを使い始めたのは、この“期間限定公開の終了”を見て勘違いした可能性が高いです。
また、紙の単行本に関しては「在庫なし」や「取り扱い終了」の表示が出ている書店もあります。これは物流や出版社の在庫管理上、旧版の出荷が止まっているだけであり、作品自体が絶版になったわけではありません。電子版が現行のメイン流通となっているのが実情です。
「販売終了」と噂された３つの理由
では、なぜここまで「販売終了説」が広まってしまったのでしょうか。背景にはいくつかの要因が絡み合っています。
① キャンペーンや限定公開の終了
電子書籍サービスでは「◯巻まで無料」「特集掲載は◯月まで」といった期間限定イベントが多く行われます。
この掲載終了がそのまま「販売終了」と誤って解釈されるケースが非常に多いのです。実際、『QUEEN』も期間限定で無料配信されていた時期があり、その終了とともにSNS上で「もう読めない？」という声が相次ぎました。
② レーベル・版元の移行による混乱
『QUEEN』は、もともと「ネクストFコミックス」レーベルから刊行されていた経緯があります。その後、出版社のデジタルレーベルがリニューアルされ、電子書籍配信の主体が「リマコミ＋（デジタルマーガレット）」へと移行しました。
この際、旧版の単行本や旧レーベルの情報が書店サイトから削除されたため、一時的に「販売終了」と見えたのです。
出版レーベルの統合・再編はよくあることですが、ファンにとっては突然在庫が消えるため、混乱を招きやすいのも事実です。
③ 発売間隔の空白と情報不足
シリーズ作品の新刊がしばらく出ないと、「打ち切り？」「販売終了？」といった憶測が生まれがちです。
『QUEEN』も、最新巻のリリースまで一定の間が空いたことがあり、その間に「続きは出ないのでは」という声が拡散しました。
作者の小田原みづえ先生は複数の作品を同時に執筆しており、連載ペースが変動することは珍しくありません。出版スケジュールが空く＝販売終了、というわけではないのです。
小田原みづえ先生の近年の動きと『QUEEN』の今後
小田原みづえ先生は、『小公女ドロシー』『薔薇王の葬列』などでも知られる人気作家。近年はデジタル連載を中心に活動されており、公式SNSでは作品の更新情報を定期的に発信しています。
2024年秋には『QUEEN』第4巻の発売を告知する投稿もあり、シリーズとして現在進行形で続いていることが確認できます。
また、作家本人のコメントからも「レーベル移行による注意喚起」や「配信先の変更」が語られており、あくまで販売停止ではなく“流通経路の切り替え”が行われていたことがわかります。
電子書籍市場の主流化に合わせ、紙中心の流通からデジタル優先へ移っただけなのです。
再リリース・復刊の可能性はある？
現時点で「完全版」や「新装版」などの再リリース予定は発表されていません。
ただし、電子版の人気や読者の反響が続けば、将来的に特装版や合本版として再リリースされる可能性は十分にあります。
漫画業界では、デジタルで一定の売上が見込めた作品を紙版で再発売するケースが増えており、『QUEEN』もその対象になる可能性があります。
また、レーベル移行を経て作品が新しいフォーマットで再展開されることも珍しくありません。たとえばフルカラー版、ボイス付き電子版など、メディア拡張の形で“再登場”するパターンも考えられます。
『QUEEN』を今から読むには？
現在『QUEEN』を読みたい場合、最も確実なのは電子書籍サイトでの購入です。
Kindle、コミックシーモア、BookLive、Renta!など主要ストアで配信中で、キャンペーンによっては一部巻を無料で試し読みできることもあります。
紙の単行本を探す場合は、古書店や中古市場（Amazonマーケットプレイスやブックオフオンライン）を活用するのが現実的です。
ただし、旧レーベル版は在庫が限られているため、プレミア価格がつくこともあります。再販を待つより、まずは電子版で読むのが安心です。
「販売終了」と言われた作品が再注目される理由
最近では、SNSで「販売終了」と話題になった作品が再び注目を集め、電子書籍ランキングの上位に再浮上するケースが増えています。
人は「なくなる」と聞くと急に気になってしまう心理が働くため、一時的に話題になることが多いのです。
『QUEEN』もまさにその一例。誤った“販売終了”情報がきっかけで、逆に作品の存在を知り、興味を持つ新規読者が増えています。
こうした再注目の流れが、将来的な再リリースや関連作品展開につながる可能性もあります。
小田原みづえの『QUEEN』が販売終了と言われた理由と今後への期待
ここまで見てきたように、小田原みづえの『QUEEN』が「販売終了」と言われた背景には、
- 一部ストアのキャンペーン終了
- 旧レーベル版の在庫消滅
- 新刊の発売間隔の空白
といった複数の要因がありました。
しかし、実際には作品は現在も電子書籍で継続販売されており、シリーズとしても続行中です。
「販売終了」という言葉はあくまで誤解であり、ファンが今後も安心して読み続けられる状態にあります。
漫画市場がデジタル主流に移行する中で、『QUEEN』のように紙から電子へと移る作品は今後も増えるでしょう。
大切なのは、「情報をうのみにせず、公式の配信元を確認すること」。
そして、もしお気に入りの作品が一時的に姿を消しても、あきらめずに探してみることです。
『QUEEN』はまだ終わっていません。むしろ、再び注目を集めつつある今こそ、読者としてその世界をもう一度味わうチャンスなのです。
