2024年も、私たちが長年親しんできたお菓子の中には、静かに販売を終えるものがありました。スーパーでいつも見かけていた袋が棚から消え、「あれ？最近見ないな」と感じた人も多いのではないでしょうか。ここでは、2024年に販売終了が確認されたお菓子や、その背景にある理由、そして気になる再販情報をまとめて紹介します。
三幸製菓の「定番おかき」シリーズが続々と終了
まず大きな動きがあったのは、あられ・せんべいでおなじみの三幸製菓です。公式サイトの終売情報によると、2024年には複数の人気商品が販売終了になっています。
たとえば「白えび活」「雪の宿 メロンパン風味」「雪の宿 おさつバター」「ちいさなぱりんこ えびマヨ風味」「丸大豆せんべい カレー味」「チーズマニア」「のり巻みっくす わさび」「のり巻みっくす うめ」など、長く親しまれた味が一斉に姿を消しました。
これらは、いずれも期間限定や地域限定で人気を集めていたもの。近年は需要の変化や新商品の投入に伴い、メーカーがラインナップを整理する流れが強まっています。三幸製菓の場合も、売上動向や原材料コストの見直しが背景にあるとみられます。
「雪の宿」などの主力シリーズは継続していますが、派生フレーバーの終売が続いたことで、ファンの間では「またあの味が食べたい」と惜しむ声が多く上がっています。
とんがりコーンシリーズ、人気フレーバーが次々と終売
ハウス食品の「とんがりコーン」シリーズも2024年に大きな変化を迎えました。定番スナックとして知られるこのシリーズですが、公式カタログでは以下のフレーバーが終売として発表されています。
・とんがりコーン あっさり塩
・とんがりコーン 焼とうもろこし
・とんがりコーン バターしょう油味
・とんがりコーン グラタン味
・とんがりコーン コク濃チーズ味
いずれも2024年前半から夏にかけて順次終売となり、スーパーやコンビニの棚から消えていきました。特に「バターしょう油味」や「焼とうもろこし」は人気が高く、SNSでも「ショック」「子どもの頃から好きだったのに」といった声が多く見られました。
公式には詳細な理由は明かされていませんが、商品のリニューアルや製造コストの上昇、販売エリアの縮小などが関係していると考えられます。なお、定番の「とんがりコーン＜焼とうもろこし味＞」など一部は限定再登場することもあるため、今後の動きにも注目です。
フィンガーチョコレートが生産終了、半世紀の歴史に幕
2024年春、多くのファンを驚かせたのがカバヤ食品の「フィンガーチョコレート」の終了報道です。SNSでは「子どもの頃から食べていたのに」「見かけなくなって寂しい」と話題になりました。
「フィンガーチョコレート」は、クッキー生地をチョコでコーティングしたスティック状の定番お菓子。発売から約50年もの間、コンビニやスーパーで親しまれてきました。公式の発表ではありませんが、取扱店舗の減少と「生産終了品」としての表示が増えており、実質的に終売となったと見られます。
時代の変化とともに、昔ながらのスタイルのお菓子が減っていくのは少し切ないもの。とはいえ、こうした「ロングセラー終売」は、リニューアルやリバイバル企画のきっかけになることもあります。
ネット発の“終売デマ”にも注意が必要
2024年に入ってからSNSでは、「人気お菓子が次々と販売終了する」という情報が拡散される場面が増えました。特にTikTokやX（旧Twitter）では、「2024年に終売するお菓子リスト」として話題になった投稿がありました。
リストには「じゃがりこ」「うまい棒」「チョコパイ」などの有名ブランド名が並び、多くの人が驚きましたが、メーカー公式が相次いで「デマです」「販売を継続しています」と否定しています。
このような“終売デマ”は、SNSのバズを狙って作られることもあるため注意が必要です。お菓子の終売情報を正確に知るには、メーカー公式サイトやプレスリリースでの発表を確認するのが最も確実です。
終売の背景にある理由とは？
お菓子の販売終了には、いくつかの共通した理由があります。
まず大きいのは「原材料価格の高騰」。小麦粉や砂糖、油脂類などのコスト上昇が続いており、低価格帯のお菓子ほど採算が取りづらくなっています。加えて物流費や人件費の上昇もあり、「利益率の低い商品」を整理する動きが強まっています。
次に「ラインアップの最適化」。メーカーは常に新しい商品を出すため、売上が伸び悩んでいるフレーバーや限定商品を入れ替える必要があります。特にスーパーの陳列棚は限られており、スペースを確保するために旧商品が外れることも少なくありません。
さらに「需要の変化」も大きな要因です。昔ながらの駄菓子や和風スナックは高齢層中心に人気がありますが、若年層はトレンド性やSNS映えを重視する傾向があり、定番商品でも販売が落ち込むことがあります。
ファンが望む「再販」や「復刻」の動きはある？
一度販売終了となったお菓子の再販は、残念ながらあまり多くありません。メーカー側も在庫・設備の都合上、過去のレシピを再現するのは容易ではないためです。
しかし、完全に希望がないわけではありません。過去には「カール」や「ポポロン」など、販売エリアを限定して再販された例もあります。また、ファンの声が大きければSNSキャンペーンや限定コラボを通じて復活する可能性もあります。
2024年の段階では、三幸製菓やハウス食品から再販予定の公式発表は出ていませんが、懐かしお菓子の再評価の流れは強まっています。特に昭和・平成のロングセラー復刻を望む声は多く、メーカーがそれをマーケティングに活かすケースも増えてきました。
まとめ：2024年は“世代交代”の年、懐かしさが新しい価値に
2024年に販売終了したお菓子を振り返ると、どれも私たちの生活に長く寄り添ってきた商品ばかりです。三幸製菓の定番あられ、とんがりコーンの人気フレーバー、そしてカバヤのフィンガーチョコレート。どれも“いつでも買える安心感”の象徴のような存在でした。
一方で、時代の流れやコスト構造の変化、消費者の嗜好の移り変わりによって、企業は常に新しい挑戦を求められています。終売は決して「終わり」ではなく、「新しい商品が生まれるための一歩」でもあります。
「懐かしい味、もう一度食べたい」――そう思う気持ちが、次のヒット商品を生む原動力になるのかもしれません。
お菓子業界の動きを見守りながら、再びあの味が帰ってくる日を期待したいところです。
2024年に販売終了したお菓子の今後に注目
2024年に販売終了したお菓子たちは、時代とともに姿を変えていきました。しかし、消えたお菓子の記憶は、ファンの心の中で今も生き続けています。
これからも新しい味や復刻のニュースが届くたびに、「またあの味が帰ってきた！」と話題になる日が来るでしょう。
