長年使っていたキッチンの水栓「TK231」が、最近になって調子が悪い…。調べてみたら「廃番」と書かれていて、部品も手に入らない――そんな経験をされた方は多いのではないでしょうか。
この記事では、TOTOの旧型混合水栓「TK231」がなぜ廃番になったのか、今後どんな代替品を選べばいいのかを、実例とともにわかりやすく解説します。これから交換を検討する方に役立つよう、選び方のポイントも丁寧に整理しました。
TK231とはどんな製品だったのか
TK231は、TOTOが1980年代半ばに発売した台付きシングルレバー混合水栓です。
スパウト長さは260mm、整流吐水タイプで、キッチンシンクに取り付けられる1穴仕様の蛇口として、多くの家庭で使われてきました。
発売からおよそ10年以上にわたり生産されていましたが、1997年に製造が終了。以降は「廃番(販売終了)」扱いとなっています。
一時期は補修用部品(カートリッジTHY566S)が流通していましたが、こちらもすでに供給が終了。現在は公式に修理対応が難しい製品です。
つまり、TK231をそのまま使い続けるのは現実的に厳しい状況にあり、修理よりも「交換・代替」が推奨される段階に来ています。
TK231が廃番になった背景と修理が難しい理由
TK231が廃番となった背景には、技術の進化と設備の老朽化という2つの要因があります。
まず、発売から30年以上が経過しており、当時の部品供給体制がすでに終了しています。メーカーでも補修部品を確保しておらず、内部カートリッジやパッキンの劣化が起きても交換できない状態です。
実際、ネット上でも「水漏れを直そうと思ったら部品がもう売っていなかった」「THY566Sが手に入らない」といった声が多く見られます。
また、TK231が採用していた構造自体も現在の水栓とは異なり、節水性能やシャワー機能などの面でも時代の流れに合わなくなっています。
つまり、単なる部品不足だけでなく、設計そのものが古くなっているのです。
こうした背景から、メーカーとしても「修理対応ではなく本体交換」を推奨する流れになっています。
TK231の代替を検討する理由
TK231をそのまま使い続けるリスクは、見た目以上に大きいです。ここでは、交換を検討すべき主な理由を挙げてみます。
- 補修部品の入手が困難
カートリッジやパッキンなどの純正部品は供給終了済み。仮に在庫があっても非常に高価で、再入手の保証がありません。 - 経年劣化による水漏れリスク
長年の使用で内部部品が摩耗し、水漏れやレバーの固着などが起きやすくなっています。放置すればキッチン下への浸水被害につながることも。 - 新しい水栓の機能性が高い
最新モデルは節水・シャワー・ホース引き出し・浄水対応など、多機能でメンテナンス性も向上しています。 - 安全面・将来性の問題
古い機種を使い続けても、次のトラブル時には修理不能になる可能性が高く、結果的にコストがかさむケースもあります。
このように、今のうちに代替品へ交換しておくことで、トラブルや費用のリスクを未然に防げます。
TK231の代替に選ばれている主な製品例
実際に交換事例としてよく挙げられるのが、以下の2機種です。
どちらもTOTOの現行モデルで、施工性や機能性が進化しています。
TKGG31E
DIY愛好家の間でも人気の高い上施工タイプの水栓です。
上からナットを締めて固定できる構造のため、シンク下にもぐる作業が不要。古い台付き水栓の交換にも対応しやすいモデルです。
見た目もスタイリッシュで、レバー操作も軽快。節水構造を採用しながらも使い勝手を損なわない設計が特徴です。
TKS05301J
こちらもTOTOの現行モデルで、交換提案の事例が多い製品です。
吐水口が長めで、シンクの中央に水がしっかり届く形状。シャワー切替機能や上施工対応など、現代的な設計が魅力です。
TK231からの置き換えを推奨する修理業者も多く、プロの施工例としてもよく紹介されています。
どちらのモデルも、TK231のように1穴タイプの台付き混合水栓であるため、形状的に置き換えやすいのがポイントです。
代替品を選ぶときのチェックポイント
TK231からの交換を考える際は、以下の点をしっかり確認しておくことが大切です。
1. 取付穴のサイズと形状
TK231は「1ホール(Φ35mm前後)」の仕様です。
新しい水栓も同じ1穴タイプを選べば、基本的にはシンクを加工せずに取り付けできます。
ただし、古い流し台では微妙に寸法が異なる場合もあるため、購入前に現物の穴径を測っておくと安心です。
2. スパウト長さ
TK231のスパウト(吐水口)は約260mm。
代替品によっては短く感じることがあるため、シンクの奥行きと合わせて確認しておきましょう。
3. 施工方法
現行モデルには「上施工タイプ」と「下施工タイプ」があります。
上施工タイプはキッチン天板側からナットを締めるため、作業性が高くDIY交換にも向いています。
一方で、給水ホースや止水栓の位置によっては下からの作業が必要になることもあるので、作業環境を事前に確認しましょう。
4. 機能と使い勝手
現代の水栓には、シャワー切替やホース引き出し機能、浄水カートリッジ内蔵など多彩なバリエーションがあります。
キッチンの使い方に合わせて、必要な機能を絞って選ぶと失敗しにくいです。
5. メンテナンス性と部品供給
交換後も長く使うためには、補修部品が継続供給されるモデルを選ぶことが重要です。
TOTOなどの国内メーカー製であれば、10年以上の部品供給が見込まれる場合が多く安心です。
交換を自分で行う場合の注意点
TK231のような古い水栓から交換する場合、シンク下のスペースが狭かったり、ナットが固着していたりすることがあります。
DIYで交換する際は、以下の点を注意しましょう。
- 必ず止水栓を閉めてから作業を始める
- 古い水栓の固定金具を外す際は無理に力をかけない
- シールテープの巻き方向を確認して水漏れ防止処理を行う
- 給水管の接続部に傷や割れがないか確認する
- 施工後は水を出して漏れがないかしっかりチェックする
作業に不安がある場合や配管が古い場合は、水道工事業者に依頼するのが安全です。
特にステンレスシンクが薄いタイプや、システムキッチンに組み込まれた蛇口の場合は、専門の工具やノウハウが必要になることもあります。
業者に依頼した場合の費用目安
水栓交換を業者に依頼した場合、費用の相場は以下の通りです。
- 本体代金:2〜4万円前後(機種による)
- 交換工事費:1〜2万円前後
- 合計:約3〜6万円程度
もちろん、選ぶ水栓の種類や施工環境によって前後しますが、修理不能な状態で急遽交換するよりも、余裕を持って準備しておく方が安心です。
今こそTK231の代替を検討すべきタイミング
TK231が販売終了してからすでに20年以上。補修部品の在庫も限界に近づいています。
「もう少し使えるから」と思っても、ある日突然の水漏れやレバー不具合に見舞われることも少なくありません。
そうなってからでは修理できず、緊急対応が必要になるケースもあります。
一方で、現在の水栓は取り付けが簡単で、節水・快適・長寿命なモデルが豊富です。
古い設備を使い続けるより、思い切って交換したほうが快適さもメンテナンス性も向上します。
まとめ:TK231の代替品選びは「安心と快適さ」への投資
TK231は長く愛用されてきた名機ですが、すでに部品供給が終了し、修理継続が難しい時期に入っています。
今後も安全・快適にキッチンを使い続けるためには、現行モデルへの交換が最も現実的な選択肢です。
代替候補としては、TOTOの**TKGG31EやTKS05301J**などが代表的。
取付穴やスパウトの長さ、施工方法を確認したうえで、自分のキッチンに最適なモデルを選びましょう。
「TK231 代替品」というテーマは、単なる部品交換の話ではありません。
安心できる暮らしと、これからの使いやすさを考える第一歩です。
古い蛇口がまだ動いているうちに、次の一手を考えてみてください。
