ユニットバスで長年使われてきた「ジャニスC710」。賃貸マンションや古い住宅ではいまだ現役というケースも多いですが、すでにこの便器は**廃盤(生産終了)**となっています。
「割れてしまった」「水漏れしている」「交換しようとしたら同じ型が手に入らない」——そんな声が増え、代替品を探す人が急増中です。
この記事では、C710の特徴から互換性のある代替品、交換時の注意点、費用や工事期間までを、実際の施工事例をもとにわかりやすく解説します。
ジャニスC710とは?その特徴と廃盤の理由
「ジャニスC710」は、ジャニス工業がかつて製造していた洋風水洗便器です。特に3点ユニットバス(トイレ・洗面・浴槽一体型)で多く採用され、全国の賃貸住宅で広く使われていました。
C710はレギュラーサイズの便器で、便座取り付け穴のピッチはJIS規格に基づく140mm。標準的な形状で、多くの便座が取り付け可能です。
しかし、製造終了から年月が経ち、メーカー在庫はすでに枯渇。新品の入手は困難で、流通在庫や中古リユース品が一部のネットショップにわずかに残るのみとなっています。
廃盤の背景には、節水性能や衛生性能などの進化により、C710のような旧型便器が現行の省エネ基準に合わなくなったことが挙げられます。メーカーとしてもサポート部品の供給を段階的に終了しており、今後の修理・交換は代替便器への切り替えが現実的な選択です。
なぜ代替品が必要なのか?破損・老朽化による交換需要
長年使われたC710は、陶器部分のひび割れや黄ばみ、パッキン劣化による水漏れが起きやすくなっています。特にユニットバスでは、便器交換が難しい構造も多く、破損したまま放置できないケースがほとんどです。
賃貸オーナーや管理会社の間では、「C710が割れた」「入居前に交換したい」といった依頼が増加。見た目の古さや清掃性の悪さもあり、原状回復リフォームの際に新しい便器へ入れ替えるのが一般的になっています。
ただしC710は廃盤のため、「同じものを注文する」ことはできません。そのため、他メーカー製の便器を代替品として取り付ける方法が主流となっています。
ジャニスC710の代替品として使える便器メーカー
代替便器としてよく選ばれているのが、TOTOとLIXIL(INAX)です。これらのメーカーは現行モデルの種類が豊富で、C710と同等サイズ・同系統の排水方式を持つ製品が多いため、互換性を取りやすいのが特徴です。
TOTO製便器への交換
TOTOの一般的な洋風便器は、C710と同じく便座取り付けピッチが140mmのレギュラーサイズが主流。
床排水タイプのユニットバスであれば、排水芯(排水口の中心位置)を確認することで、比較的スムーズに交換が可能です。
節水型の現行製品では、従来よりも1回あたりの水使用量が大幅に減少しており、使い勝手と経済性の両立が期待できます。
LIXIL(INAX)製便器への交換
LIXILもまた、ユニットバス用の小型便器や壁排水タイプを多く展開しており、C710が採用されていた環境に近い設置条件でも対応できるケースが多いです。
特に排水芯が120mmや155mmのモデルは、古いユニットバスでも取り付けやすく、排水位置をほとんど変えずに交換できる場合があります。
また、便座との干渉が起きにくい設計のため、温水洗浄便座を後付けする際にも相性が良好です。
代替便器を選ぶときのチェックポイント
代替品を探すときは、「見た目が似ているから」「サイズが近いから」だけでは危険です。
実際に交換するには、いくつかの互換条件を満たす必要があります。
- 排水方式(床排水 or 壁排水)を確認する
C710はユニットバスの構造によって異なります。排水口が床にあるか、壁にあるかを必ず確認しましょう。 - 排水芯の寸法を測る
排水芯とは、壁から排水管の中心までの距離です。代表的には120mm・155mm・200mmなどがあり、これが合わないと交換ができません。 - 便座の取り付けピッチを確認
C710は140mmピッチです。便座を再利用する場合や温水洗浄便座を取り付ける際は、この寸法が一致しているかが重要です。 - タンクや給水位置の干渉に注意
便器形状が微妙に違うため、壁との距離や給水管の位置によっては、タンクが当たる、給水ホースが届かないなどのトラブルが起こることがあります。 - 接続部材もセットで交換する
便器本体だけでなく、排水パッキンや固定ボルトなども新しくすることで、水漏れリスクを防げます。
これらを事前に確認し、可能であれば専門業者に採寸を依頼すると確実です。
交換費用と工事期間の目安
実際にC710を代替便器に交換する場合の費用は、**55,000〜60,000円前後(税込)**が一般的な目安です。
この価格には、便器本体・接続パーツ・取り付け工事・古い便器の撤去処分費が含まれるケースが多いです。
施工時間は通常半日〜1日程度。ユニットバスの構造によっては少し時間がかかることもありますが、トイレ全体をリフォームするほどの大工事にはなりません。
ただし、排水位置のずれが大きい場合や、壁排水仕様から床排水への変更を伴う場合は、別途費用が発生します。そのため、現場の条件を確認したうえで見積もりを取ることが大切です。
現行便器に交換するメリットと注意点
代替便器に交換する最大のメリットは、「安心」と「快適さ」です。
現行のTOTOやLIXIL製品は節水性能が高く、清掃性やデザインも向上しています。便座の選択肢も多く、ウォシュレットを簡単に取り付けられるモデルも多数あります。
また、古いC710は内部の釉薬が摩耗して汚れが落ちにくくなっているケースが多く、見た目の清潔感も劣ります。交換することでトイレ全体の印象が明るくなり、衛生的な空間を保ちやすくなります。
一方で、注意点もあります。排水芯や設置条件が合わない場合、工事内容が複雑化して費用が上がることがあります。また、集合住宅では管理規約により指定の工事業者しか対応できないケースもあるため、事前確認が必要です。
C710の代替便器選びで失敗しないために
C710の代替を検討する際、よくある失敗は「互換性を確認せずに購入してしまう」こと。
通販サイトで“C710対応”と書かれていても、ユニットバスの排水位置や床構造が異なると取り付けできない場合があります。
最も確実なのは、専門の水道工事業者に現地確認を依頼し、採寸したうえで最適な代替便器を選定してもらうことです。
最近では、施工実績のある業者が「C710交換専用パッケージ」として工事費込みのプランを提供しているケースもあり、こうしたサービスを利用すれば手間もリスクも大幅に減らせます。
ジャニスC710の代替品は?今後のおすすめ方向
結論として、ジャニスC710はすでに廃盤で入手困難。同型の新品を探すよりも、TOTOやLIXILといった現行便器に交換する方が実用的でコストパフォーマンスも高いです。
代替便器を選ぶ際は、
- 排水方式と排水芯を正確に測る
- 便座取り付け寸法を確認する
- 給排水位置とユニットバスの形状を把握する
この3点を押さえておけば、失敗はほぼ防げます。
交換費用の目安は55,000円前後、工期は1日ほど。業者によっては即日対応も可能です。
古いC710をそのまま使い続けるよりも、代替便器への交換で節水・清潔・快適さが大きく向上します。ユニットバスの寿命を延ばし、毎日の生活をより快適にするためにも、早めの検討をおすすめします。
ジャニスC710の代替品を選ぶ際は、互換性をしっかり確認し、信頼できる業者に依頼することが何よりのポイントです。壊れてから慌てる前に、今のうちに最適な代替プランを考えておきましょう。
