やけどやひび割れ、あかぎれなどの皮膚トラブルに昔から重宝されてきた「紫雲膏（しうんこう）」。漢方系の軟膏として名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、実際にどこで買えるのか、ドラッグストアに置いてあるのか、通販で手に入るのか――いざ探そうとすると迷ってしまう人も多いはずです。
この記事では、紫雲膏の特徴や市販の販売状況、薬局・通販での取り扱いの違いなどをわかりやすく紹介します。
紫雲膏とは？江戸時代から受け継がれる伝統の外用薬
紫雲膏は、江戸時代の名医・華岡青洲によって考案されたと伝えられる漢方由来の外用軟膏です。
主な成分は「紫根（シコン）」と「当帰（トウキ）」で、これにごま油・ミツロウ・豚脂などが加えられています。天然の成分でできており、皮膚の血行を促進したり、炎症を鎮めたり、傷の修復を助けるとされています。
使い方はシンプルで、患部を清潔にしたあとに適量を塗るだけ。火傷やしもやけ、あかぎれ、湿疹、ただれ、切り傷、痔の痛みなど、さまざまな皮膚トラブルに用いられてきました。
赤紫色の独特な見た目と、ごま油の香ばしい匂いが特徴的です。昔ながらの製法で作られたものも多く、「祖母の家の薬箱にあった」という声もよく聞かれます。
紫雲膏は薬局で買える？店舗での販売状況
紫雲膏は「第2類医薬品」に分類される市販薬です。
そのため、薬剤師または登録販売者が常駐しているドラッグストアや薬局で購入することができます。
代表的なチェーンとしては、以下のような店舗で取り扱いが確認されています。
- マツモトキヨシ
- ココカラファイン
- スギ薬局
- サンドラッグ
- ツルハドラッグ
- ウエルシア
ただし、すべての店舗に常時在庫があるとは限りません。
特に地方の小規模店舗では取り扱いがない場合もあります。確実に手に入れたいときは、来店前に電話で「紫雲膏の在庫はありますか？」と問い合わせるのがおすすめです。
また、店舗によっては「山本漢方製薬 紫雲膏 20g」や「山本漢方製薬 紫雲膏 50g」、「紫雲膏ダイコー」、「松浦薬業 紫雲膏 20g」、「天恵堂製薬 紫雲膏」などメーカーの違いがあり、同じ紫雲膏でも成分量や香りが微妙に異なることがあります。
通販サイトでの購入方法と人気ブランド
最近では、紫雲膏はネット通販でも簡単に購入できるようになっています。
Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど大手ECサイトでは複数のメーカーの紫雲膏が販売されており、価格比較やレビュー確認も便利です。
たとえば、以下のような製品が人気です。
容量は20g前後の小さなチューブタイプから、家庭用の大容量タイプ（50g以上）まで幅広く揃っています。
Amazonなどでは送料無料の商品も多く、ドラッグストアに行く時間がない人でも自宅にいながら注文可能です。
ポイント還元やセールを活用すれば、実店舗よりもお得に手に入るケースもあります。
病院でも処方される？医療用紫雲膏の扱い
実は、紫雲膏には医療用医薬品として病院で処方されるタイプもあります。
皮膚科や肛門科などで、医師が症状を診断したうえで処方するケースが一般的です。
この場合、保険診療の対象となることもあり、医師の指示に従って用法・用量を守る必要があります。
市販の紫雲膏と比べて成分や濃度が異なる場合もあるため、自己判断で使うよりも安心できる点が特徴です。
ただし、軽度のやけどやあかぎれ程度であれば、市販の紫雲膏でも十分対応できることが多く、症状の程度に応じて使い分けるとよいでしょう。
漢方薬局・専門店ならオリジナル製剤も
もう一つの購入ルートとして、漢方薬局や漢方専門店も挙げられます。
これらの店舗では、昔ながらの製法にこだわった紫雲膏を自家製剤として販売していることがあります。
たとえば、ごま油を低温でじっくり煮詰め、紫根と当帰のエキスを抽出した手作りタイプなど、メーカー品とは異なる香りや質感のものも存在します。
こうしたオリジナル製剤は店頭販売のほか、電話やオンライン注文で取り寄せできる場合もあります。
ただし、価格は市販品よりやや高めになる傾向があります。品質を重視したい人や、より伝統的な製法の紫雲膏を試したい人にはおすすめです。
購入時の注意点と保管方法
紫雲膏を購入する際は、以下の点に注意して選びましょう。
- 開封後の保存方法：直射日光を避け、涼しい場所で保管する。
- 使用期限の確認：天然成分が多いため、長期保存には向かない。
- 衣服への付着に注意：赤紫色の軟膏なので、衣服や寝具に色が移ることがある。
- 匂いが強め：ごま油由来の香りが特徴。気になる場合は匂いを抑えたタイプを選ぶ。
また、皮膚の広範囲に使う場合や、痛み・腫れが強い場合は自己判断せず、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
紫雲膏が人気の理由と口コミ傾向
紫雲膏は、その「自然由来」と「再生力サポート」のイメージから、根強い人気を誇っています。
口コミでは以下のような声が目立ちます。
- 「やけどのあとがきれいに治った気がする」
- 「冬場のあかぎれに毎年使っている」
- 「香りは独特だけど、効き目を感じる」
一方で、「油っぽくてベタつく」「服につくと落ちにくい」といった意見もあり、使い方には工夫が必要です。
寝る前に塗ってガーゼで覆う、手袋をするなど、使用時のちょっとした配慮でより快適に使えます。
紫雲膏はどこで買える？まとめ
紫雲膏は、ドラッグストアや薬局のほか、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの通販サイトでも購入できます。
さらに、漢方薬局では伝統的な製法によるオリジナルの紫雲膏も取り扱われています。
軽度のやけどや肌荒れなら市販品でも対応可能ですが、症状が重い場合や慢性的な皮膚トラブルがある場合は、医療機関で相談するのが安心です。
昔ながらの知恵が詰まった紫雲膏。
その穏やかな効き目と、自然の力を生かした成分は、現代でも多くの人の肌を支え続けています。
日常の小さな肌トラブルに備えて、ひとつ常備しておくと心強いでしょう。
