音楽好きの間で話題のデジタルオーディオプレーヤー「activo p1」。
アステル&ケルンの技術を引き継ぎつつ、手に取りやすい価格帯で登場したこのモデルは、ハイレゾ対応やAndroidベースの操作性など、注目ポイントが多い一台です。
この記事では、実際の音質や使い勝手、そして購入前に知っておきたいポイントを徹底的にレビューします。
activo p1とは?ブランドと特徴の概要
「activo p1」は、Astell&Kern(アステル&ケルン)のサブブランド「Activo」から登場したポータブルDAP。
高音質をもっと身近に、というコンセプトのもとで開発されたモデルで、上位機のエッセンスを取り入れながらもコンパクトかつ軽量な設計が魅力です。
OSにはAndroidを採用しており、Google Playから音楽アプリをインストール可能。
SpotifyやApple Music、Amazon Musicなど、普段使っているストリーミングサービスをそのまま利用できる点が大きな強みです。
DACにはESS製「ES9219Q SABRE」をデュアル搭載し、最大PCM 32bit/384kHz、DSD256、MQAまで幅広く対応。
さらにアステル&ケルン独自の増幅技術「TERATON ALPHA AMP」を採用することで、クリアで歪みの少ない再生を実現しています。
Bluetooth 5.3対応で、aptX HDやLDACなどの高音質コーデックにも対応。
有線でも無線でも、高解像度なサウンドを楽しめるオールラウンドな構成です。
音質レビュー:中低域が豊かで聴き疲れしにくい
まず気になるのは「音の傾向」。
複数のレビューを総合すると、activo p1は中低域寄りでウォームな音質が特徴。
ボーカルの厚みがあり、アコースティックやジャズなどを中心に聴く人に向いているチューニングです。
低音は必要十分な量感を持ちつつも膨らみすぎず、全体としてバランスの良い印象。
中域の解像感が高く、ギターやピアノの輪郭が自然に浮かび上がるように聴こえます。
高域は繊細ながら刺さらず、長時間のリスニングでも疲れにくい設計です。
音の分離感やステージの広がりも優秀で、左右方向の定位は明確。
ただし奥行き方向の表現は上位モデルほど深くなく、やや平面的に感じる場面もあります。
とはいえ価格を考えれば、十分に満足できるレベルの音場表現でしょう。
実際の聴き心地:ナチュラルで聴くジャンルを選ばない
実際に試聴したユーザーの多くが挙げるのが「自然な音のまとまり感」。
電子音やロックのような力強い楽曲よりも、ボーカル中心の楽曲で真価を発揮します。
ボイスの距離感が近く、息遣いや響きがリアルに伝わってくる印象です。
一方で、低音重視のリスナーには物足りないと感じる場合も。
ドライブ感や迫力を求めるなら、同価格帯のFiiO M11SやiBassoなどのモデルと比較検討するのが良いでしょう。
とはいえ「ニュートラルで誇張の少ない音」を求める人にとっては、activo p1の音作りは非常に魅力的です。
イヤホンやヘッドホンの特性を素直に引き出すタイプのDAPといえます。
使い勝手:スマホ感覚のUIが心地よい
AndroidベースのOSを採用しているため、操作感はスマートフォンに近い印象。
4.1インチのタッチディスプレイは反応が良く、音楽再生アプリの切り替えもスムーズです。
Astell&Kernの上位機に比べてUIが軽く、もたつきが少ない点も好評。
Google Play対応なので、好みの音楽アプリをインストールできる自由度も高め。
ストリーミング中心のリスナーにとっては、これが決定的なメリットになります。
ただし、Androidベースゆえの弱点もあります。
一部のアプリで動作が不安定になるケースが報告されており、特にUSB出力機能を使う際には注意が必要です。
とはいえ基本的な再生操作やアプリ利用においては問題なく、普段使いでは十分安定しています。
デザインと携帯性:シンプルで持ちやすいDAP
activo p1はコンパクトなサイズ感で、手のひらにすっぽり収まります。
重量も軽く、持ち運びのストレスが少ないのが魅力。
外出時や通勤・通学中のリスニングにも適しています。
デザインはシンプルで上品ですが、ベゼル部分がやや太めな点に好みが分かれます。
スタイリッシュさを求める人にはやや物足りないかもしれませんが、質感はしっかりしており安っぽさはありません。
カラーはブラックを基調にした落ち着いた仕上げで、どんなスタイルにも馴染みます。
ボディ素材の剛性も十分で、持ったときの安心感があります。
機能面の実用性:多彩な接続と拡張性
有線接続では3.5mmアンバランス出力と4.4mmバランス出力の両方を搭載。
高音質イヤホンやヘッドホンを活かすことができ、用途に応じた接続が可能です。
Bluetooth 5.3対応で、aptX HDやLDACにも対応しているため、ワイヤレスでも高品位な音を楽しめます。
カフェや移動中などでも、音質を犠牲にせず快適なリスニングが可能です。
さらに、USB-Cポート経由でPCやスマートフォンと接続すればUSB DACとしても機能。
自宅では外部DACとして、外出時はプレーヤーとして使える「2WAY仕様」です。
内蔵ストレージは64GBと控えめですが、microSDで最大1.5TBまで拡張可能。
ハイレゾ音源を大量に保存する場合でも十分対応できます。
バッテリー持ちと充電速度
バッテリー性能も評価が高く、最大20時間の連続再生が可能。
ローカル再生中心なら一日中使用しても問題ないレベルです。
また、USB PD 3.0対応で急速充電に対応しているため、短時間でのチャージも実用的。
ストリーミング利用時は再生時間がやや短くなる傾向がありますが、実用範囲内です。
モバイルバッテリーとの組み合わせで、長時間の外出でも安心して使えます。
同価格帯との比較:Sony NW-A306やFiiO M11Sとの違い
価格帯的に競合するのは「Sony NW-A306」や「FiiO M11S」など。
SonyはUIの完成度や駆動力に強みがあり、FiiOは出力の高さと音の迫力が特徴です。
それに対してactivo p1は、中立的で柔らかな音質と使いやすさのバランスがポイント。
音の押し出しや刺激を求める人よりも、自然で長時間聴ける音を好むリスナーに向いています。
スマホライクな操作性を備えたDAPという点でも独自性があります。
購入前に知っておきたい注意点
- 内蔵ストレージが少ないため、microSDの追加が前提。
- Androidアプリの互換性にややムラがある(稀に落ちるアプリも)。
- 画面のベゼルが太めで、デザイン重視の人には物足りない可能性。
- 音質は上品で聴きやすいが、パワーや迫力重視ではない。
ただしこれらの弱点は、使う環境や目的によってはデメリットになりません。
日常的にストリーミングで音楽を楽しむ人、あるいはスマホから一歩踏み込んだ高音質体験を求める人には十分満足できる内容です。
activo p1レビューまとめ:軽快な操作性と自然な音を楽しみたい人に最適
activo p1は、「ハイレゾをもっと手軽に」を体現したモデル。
Astell&Kern譲りの音作りと、Androidならではの自由度を両立しています。
高解像度ながら耳に優しいサウンド、シンプルで扱いやすいデザイン、長時間再生など、使うほどに良さが実感できるバランス型DAPです。
一方で、出力の力強さやビジュアル面での高級感を求める人には物足りない場面もあるでしょう。
それでも、ストリーミング中心の現代の音楽ライフにぴったりの仕様で、価格に対する満足度は高い一台。
「日常使いしやすくて高音質」──この一言に尽きる製品です。
activo p1の音質や使い勝手を徹底レビューした結論
「activo p1 レビュー」として総括すると、
このDAPは“派手さよりも誠実さ”を重視したサウンドと、快適な操作性が魅力。
音楽を落ち着いて楽しみたい人にこそおすすめです。
高音質再生、ストリーミング対応、USB DAC機能という三拍子を備えたこのモデルは、
エントリークラスでありながら長く付き合える“完成度の高い一台”といえるでしょう。
