PCの冷却にこだわる人なら、一度は耳にしたことがあるAsetek。今回はその中でも注目を集めている「Asetek 624S M2」について、冷却性能・静音性・使い勝手を中心に詳しくレビューしていきます。240mmサイズのオールインワン水冷クーラーとして、多くのBTOパソコンに採用されている実力派。その実際の性能を体感ベースで掘り下げていきましょう。
Asetek 624S M2とは?信頼性の高いオールインワン水冷クーラー
Asetek 624S M2は、Asetek社が開発した240mmラジエーター搭載の簡易水冷CPUクーラーです。Asetekは水冷クーラー業界のパイオニアであり、数多くのメーカーに技術供与していることでも知られています。つまり、PCに「Asetek製ポンプ搭載」と書かれている場合、それだけで品質の裏付けがあるといってもいいほどです。
この624S M2は、デュアル120mmファン構成の240mmラジエーターを採用。冷却液を循環させてCPUの熱を効率的に逃がす仕組みになっています。空冷クーラーと比べて放熱面積が広く、高負荷状態でも安定した温度を維持できる点が魅力です。
冷却性能:240mmラジエーターの実力は確か
冷却力については、複数のレビューで高い評価を受けています。実際、Core i9やRyzen 7クラスの高性能CPUを搭載したゲーミングPCでも、Asetek 624S M2が標準採用されるケースが増えています。それは、しっかり冷えるという確かな裏付けがあるからです。
例えば、長時間のゲームプレイや動画編集などCPUに負荷がかかる場面でも、温度上昇が穏やかで安定しているとの報告があります。これはラジエーターの放熱効率と、Asetek独自のポンプ設計が生み出す循環効率の高さによるものです。高負荷時でも冷却性能を維持できる点は、空冷にはない強みといえるでしょう。
ただし、ケース内のエアフロー設計によって体感は変わります。トップマウントやフロントマウントなど設置位置によって温度差が出るため、自作派なら取り付け方向にも気を配りたいところです。
静音性:冷却と静かさのバランスが優秀
水冷クーラーにおいて気になるのが「静音性」です。Asetek 624S M2は、最新世代のポンプ設計によりノイズを最小限に抑える工夫がされています。3相モーター採用のポンプは振動を抑え、回転音が滑らか。アイドル時にはほとんど音を感じないレベルです。
実際にレビューでは「静かで快適」との声が多く、オフィス環境でも気にならないという感想が目立ちます。一方で、全負荷時はファンが高速回転するため、40〜46dBAほどの音量になるケースもありました。これは人によっては少し気になるレベルかもしれませんが、静音設定を施せば十分抑えられる範囲です。
静音性を最大限に引き出すには、マザーボードのファン制御機能を活用して、ポンプとファンの回転数を適切に調整するのがおすすめです。
取り付けやすさ・使い勝手:初心者にも優しい設計
Asetek 624S M2の特徴として、取り付けが非常にシンプルな点が挙げられます。オールインワン(AIO)タイプなので、ポンプや冷却液はすでに密閉済み。自分で組み立てたり補充したりする必要はありません。マウントブラケットも主要なソケットに対応しており、Intel・AMDどちらでもスムーズに装着できます。
また、チューブの取り回しがしやすく、ケース内レイアウトの自由度が高いのも魅力です。240mmラジエーターを搭載できる中型以上のケースであれば、ほとんど問題なく取り付けられるでしょう。BTO PCではすでに組み込まれて出荷されることも多く、初心者が扱う場合でも安心感があります。
実際の使用感:高負荷でも安定した動作
実際にAsetek 624S M2を使用しているユーザーからは、「長時間のゲームでも温度が安定している」「レンダリング中もファンがうるさくない」といった意見が寄せられています。冷却性能と静音性の両立ができていることが、使用者の満足度につながっている印象です。
高性能CPUを搭載したPCでは、空冷クーラーだと夏場に温度が上がりすぎることもあります。その点、この水冷ユニットは温度上昇をしっかり抑えつつ、安定した動作を保てるのが強み。PCの寿命を考えても、長時間安定して稼働できる冷却システムは重要です。
メンテナンス性:手間いらずの密閉型構造
Asetek 624S M2は密閉式のクローズドループ構造を採用しており、冷却液の補充や交換は不要です。定期的な掃除とホコリ対策さえしておけば、長期間安定して使えます。ラジエーターのフィン部分にホコリが溜まりやすいので、数か月に一度エアダスターで軽く清掃する程度で十分です。
また、Asetekの製品はポンプの耐久性にも定評があります。一般的にAIO水冷はポンプ寿命が気になるところですが、624S M2は長期間安定して動作するというレビューが多く、信頼性の面でも安心感があります。
同クラス製品との比較:バランスの良さが光る
240mmクーラーは他社からも多数登場していますが、Asetek 624S M2はその中でも「バランス型」として高く評価されています。冷却力だけを追求したモデルはファン音が大きくなりがちですが、Asetekは静音性との両立を重視。どちらかに偏らない設計思想が特徴です。
もちろん、より大型の360mm水冷には冷却性能で劣る場面もありますが、取り付けスペースやコスパを考慮すると、240mmモデルは非常に現実的な選択肢。空冷の上位モデルと比べても、総合的な性能バランスでは優位といえます。
注意点:取り付け位置とエアフローの工夫
冷却性能を最大限引き出すためには、ケース内のエアフローが重要です。ラジエーターをトップに設置する場合は、排気方向を確認しておくとよいでしょう。フロント設置なら吸気にして、他のファンとの風の流れを整えることで、さらに温度を下げられます。
また、ポンプに空気が噛むと稀に「コポコポ」という音が出ることがありますが、これは初期稼働時の一時的な現象。数十分動かせば気泡が抜けて静かになります。万が一ポンプ音が続く場合は、ラジエーターの向きを変えてエア抜きを行うのが効果的です。
総評:Asetek 624S M2は冷却・静音・信頼の三拍子が揃った良モデル
総合的に見て、Asetek 624S M2は「高い冷却性能」「優れた静音性」「扱いやすい設計」を兼ね備えた完成度の高いオールインワン水冷クーラーです。特に、高性能CPUを長時間安定して冷やしたい人、静かな環境で作業したい人にはぴったりの選択肢といえるでしょう。
静音性と冷却力のバランスが非常に優れているため、BTOメーカーやゲーミングPCでの採用例が多いのも納得。自作派にも扱いやすく、取り付けの難易度が低い点も好印象です。
冷却パフォーマンスを求めながら、ファンの騒音をできるだけ抑えたい。そんなわがままを叶えてくれるのが、まさにこのAsetek 624S M2です。
まとめ:Asetek 624S M2の冷却性能は?静音性や使い勝手を徹底レビュー
Asetek 624S M2は、冷却性能・静音性・使いやすさのバランスに優れた一体型水冷クーラーです。ハイエンドCPUを搭載するPCでも安心して使える冷却力を備え、動作音も静か。メンテナンスの手間も少なく、初めての水冷導入にも最適なモデルといえます。
自作PCやBTOで長く安定して使いたいなら、Asetek 624S M2は間違いのない選択肢のひとつです。冷却と静音を両立させたいユーザーに、ぜひ一度体験してほしい一台です。
