最近話題の密閉型ヘッドホン、Fiio FT1。
実売3万円前後という価格帯ながら、木製ハウジングや大型ダイナミックドライバーを搭載していることで注目を集めています。この記事では、実際のユーザー評価や海外レビューをもとに、音質・装着感・他モデルとの違いを丁寧に解説していきます。
購入を検討している人や、Fiioの他モデルとの比較で迷っている人にも役立つ内容です。
Fiio FT1とは?基本仕様とデザインの特徴
Fiio FT1は、Fiioが手がけるオーバーイヤー型の密閉ヘッドホンです。
特徴的なのは、北米産ブラックウォールナットを使った木製ハウジング。外観の高級感だけでなく、自然な響きを持つ音質チューニングにも貢献しています。
搭載されているのは60mm径の大型ダイナミックドライバー。このクラスとしてはかなり大口径で、豊かな低音と広いダイナミックレンジを実現しています。
スペック面をざっくりまとめると以下のようになります。
- ドライバー:60mm ダイナミック型
- インピーダンス:32Ω
- 感度:98dB/mW
- 周波数帯域:10Hz〜40kHz
- ケーブル:3.5mm/4.4mm両対応(着脱式)
- 構造:密閉型、木製ハウジング
ヘッドバンドは金属製でしっかりした作りながら、イヤーカップ部分は三軸で可動するため、頭の形にフィットしやすい構造です。
音質レビュー:温かみと力強さを兼ね備えたサウンド
まず感じるのは、「厚みと温かみのある音」。
音全体に包まれるような印象があり、クラシックやジャズ、アコースティック系の楽曲と特に相性が良いと評されています。低域から高域までのバランスが良く、音楽を長時間聴いても疲れにくいタイプです。
低域(Bass)
Fiio FT1の低域は非常にパワフル。
特にサブベース帯がしっかり沈み込み、キックドラムやベースラインに迫力を感じます。
一方で、低音が中域にかぶるほどではなく、ほどよく締まりのあるバランス。量感と質感の両立が取れています。
中域(Mid)
ボーカル再生が得意で、声の質感が自然。
男性ボーカルは力強く、女性ボーカルは艶やかに響きます。ギターやピアノなどのアコースティック楽器の表現もリアルで、空気感がしっかり伝わってきます。
中域の厚みが音楽全体を支えており、「温かいサウンド」という評価の源になっています。
高域(Treble)
高域は滑らかでクリア。
刺さるようなシャープさは抑えられており、聴き疲れしにくい音作りです。
解像度は十分高いですが、超高域までの伸びや煌びやかさを求める人には、やや穏やかに感じるかもしれません。
サウンド傾向:心地よい“ウォームバランス”
全体の傾向としては、低域と中域に厚みを持たせたウォームトーン。
“V字型”というよりは、ナチュラルで滑らかなバランスです。
電子音楽やポップスにも合いますが、特にボーカル主体の楽曲では声の立体感が際立ちます。
クラシックやバラードなどをじっくり聴きたい人にとって、落ち着いたトーンが心地よく感じられるでしょう。
装着感と快適性
Fiio FT1は見た目以上に装着感にも配慮されたモデルです。
ヘッドバンドのクッションが柔らかく、側圧も程よいため、長時間の使用でも頭が痛くなりにくい構造になっています。
イヤーパッドは大型で、耳全体を包み込むようなフィット感。密閉型ながら蒸れにくく、レザー調の素材が肌触りも良好です。
遮音性については、外音をある程度カットしてくれますが、完全に遮断するほどではありません。屋内や静かな環境での使用に最適です。
側圧が強すぎない分、リラックスしてリスニングできるという声も多いです。
Fiio FT1と他モデルの違い
Fiioはヘッドホン・イヤホンともに多数のモデルを展開しています。Fiio FT1を選ぶ上で比較されやすいのが「Fiio FT1 Pro」「Fiio JT1」「Fiio FT5」などです。
Fiio FT1 vs Fiio FT1 Pro
上位モデルのFiio FT1 Proは、より解像度と音の立体感を重視したチューニング。
音場の広がりや分離感ではProが上ですが、価格も高め。
一方、無印Fiio FT1は“自然で聴きやすいサウンド”が魅力で、コストパフォーマンス面ではこちらの方が優れています。
Fiio FT1 vs Fiio JT1
Fiio JT1は軽量で装着感に優れるモデル。
ただし音の厚みや低域の迫力ではFiio FT1が勝ります。
外での使用が多いならFiio JT1、室内リスニング中心ならFiio FT1と使い分けると良いでしょう。
Fiio FT1 vs Fiio FT5
Fiio FT5はオープンバック構造で、音場の広さと解像度を重視したモデル。
それに対してFiio FT1は密閉型らしい密度感と低音の沈み込みが特徴です。
音の方向性が異なるため、静かな環境で臨場感を楽しみたいならFiio FT5、リラックスして厚みのある音を楽しみたいならFiio FT1がおすすめです。
実際のユーザー評価と口コミ傾向
レビューサイトやオーディオフォーラムでは、Fiio FT1は総じて高評価。
特に「この価格でこの音はすごい」というコスパ面の評価が目立ちます。
良い評価として多く挙がるのは以下の点です。
- 低音の量感が豊かで迫力がある
- 中域が自然で、ボーカルが生々しい
- 長時間装着しても疲れにくい
- 高級感ある木製デザイン
- ケーブルがバランス接続に対応している
一方で、気になる点として挙がるのは次のような内容です。
- 密閉型のわりに遮音性はほどほど
- 高域の伸びが控えめに感じることがある
- 音の分離や解像感では上位モデルに劣る
ただし、価格帯を考えればトータルバランスは非常に良好で、初めての有線ヘッドホンとしても十分満足できるレベルです。
Fiio FT1のおすすめ使用シーン
Fiio FT1はその性格上、ジャンルを選ばない万能タイプですが、特に以下のような場面に向いています。
- ボーカル中心の楽曲(ポップス・アコースティック)
- ジャズやクラシックなどの生音系
- 長時間のながら聴き・作業用リスニング
- 夜間や静かな室内でのリラックスタイム
逆に、音の分離や空間表現を最優先するモニターヘッドホン的な用途には向かないかもしれません。
しかし“音楽を楽しむ”という観点では、程よい柔らかさと包容力を持った理想的なリスニングヘッドホンです。
総評:Fiio FT1は「自然で豊かな音」を楽しめる万能機
Fiio FT1は、音質・装着感・デザインのすべてが高次元でバランスしているヘッドホンです。
低域の迫力、中域の厚み、高域の滑らかさが絶妙に調和しており、音楽のジャンルを問わず楽しめます。
また、木製ハウジングによる自然な響きが、他の同価格帯モデルにはない魅力を生み出しています。
ハイエンドモデルほどの解像度を求めない限り、Fiio FT1は“聴いていて心地よい音”を求める多くのリスナーにとって理想的な選択肢でしょう。
装着感も良く、長時間のリスニングにも向いています。
「有線ヘッドホンを初めて買うけれど、音には妥協したくない」
そんな人には、間違いなくおすすめできる1台です。
まとめ:fiio ft1のレビューまとめ!音質や装着感・他モデルとの違いを解説
最後にもう一度まとめると、Fiio FT1は以下のような特徴を持つヘッドホンです。
- 木製ハウジングによる温かみのある音色
- 豊かな低域と自然なボーカル表現
- 快適な装着感とバランスの良いチューニング
- 高コスパで初心者から中級者まで満足できる完成度
“音楽をゆっくり楽しむ時間”を大切にしたい人にこそ、Fiio FT1の魅力が響くはず。
もし今、落ち着いた音のヘッドホンを探しているなら、Fiio FT1はその候補に十分値します。
