2026年1月、ガソリン価格が再び上昇したというニュースが話題になっています。
年明け早々の値上げに「また上がるの?」と感じた人も多いでしょう。
この記事では、なぜ1月にガソリンが値上げされたのか、その背景や今後の価格見通しについてわかりやすく解説します。
ガソリン値上げの背景:2026年1月に何が起きたのか
1月のガソリン値上げの主な理由は、政府の補助金縮小と円安、そして国際原油価格の変動が重なったことです。
2022年から続く「燃料油価格激変緩和対策」は、急激な価格上昇を抑えるために政府が石油元売り会社へ補助金を支給してきました。
この制度は2025年後半から段階的に縮小が始まり、2026年1月には実質的に支援額が減ったため、小売価格に直接影響が出たのです。
また、円安の影響も無視できません。原油はドル建てで取引されているため、為替が1ドル=150円前後で推移している現状では、輸入コストが増加します。
つまり、国際的に原油価格がそれほど上がっていなくても、円が安いことで国内価格は上昇しやすくなっているのです。
政府の補助金縮小が引き金に
2022年当時、1リットル170円を超えたガソリン価格を抑えるために導入された補助金制度。
政府は元売りに対して支給する形を取り、消費者が給油所で払う価格を間接的に抑えてきました。
しかし、2025年秋以降この補助金が段階的に縮小。2026年1月時点では、1リットルあたり数円分の支援が削減されており、店頭価格が上がったというわけです。
加えて、政府は今後、暫定的に設定している「当分の間税率」の見直しを予定しています。
ガソリン税の中には、本来一時的だったはずの追加課税分が長年続いている部分があり、その扱い次第で今後の価格も変わる可能性があります。
税制改正がどのように進むかは、2026年度の予算審議でも注目されています。
為替の影響:円安がガソリン価格を押し上げる
ガソリン価格に最も敏感に反応するのが為替レートです。
日本は原油をほぼすべて輸入に頼っており、ドル建ての原油価格を円で支払うため、円安になるほどコストが増えます。
2025年後半から2026年にかけて、アメリカの金利が高止まりしている一方で、日本は低金利政策を維持。
この金利差が円安を長引かせ、ガソリンの仕入れ価格に直接影響しています。
例えば、1ドル=140円のときと150円のときでは、同じ原油を買っても日本企業が支払う金額は約7%増える計算です。
円安が続く限り、ガソリン価格の高止まりも避けにくいというのが専門家の見方です。
国際原油価格の動向:供給と地政学リスク
世界の原油市場も、ガソリン価格に大きく関わっています。
2025年から2026年にかけて、OPECプラス(主要産油国の協調グループ)は減産と増産を繰り返し、供給量を微調整しています。
また、中東情勢の不安定化や紅海航路の緊張などが物流コストを押し上げ、結果的に原油価格の上昇圧力となっています。
ただし一方で、世界銀行やIEA(国際エネルギー機関)は、2026年後半に向けては供給過剰による原油価格の緩やかな下落を予測。
つまり、短期的には上昇基調でも、中長期的には落ち着く可能性があるという見方が多いのです。
国内の供給構造と精製コストの上昇
ガソリン価格は単に原油の仕入れ値だけでなく、国内での精製・輸送コストにも左右されます。
製油所の人件費や電力コスト、物流費の上昇が重なり、企業努力では吸収しきれない部分も増えています。
特に近年はトラックドライバー不足や人件費上昇が輸送コストを押し上げ、ガソリンスタンドの販売価格にも波及しています。
また、全国的にガソリンスタンドの数は減少傾向にあり、地域によっては競争が少なく価格が下がりにくい状況も見られます。
都市部と地方で価格差が拡大しているのもその一因です。
1月のガソリン値上げが家計に与える影響
ガソリン価格の上昇は、単にドライバーだけでなく、物流や生活全般にも影響を及ぼします。
配送コストの上昇は食品や日用品の価格にも反映され、結果的に消費者物価全体を押し上げる要因になります。
実際、2026年1月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)速報では、ガソリンを含むエネルギー価格が前年比プラスに転じたと発表されました。
家計への負担が増える中で、節約の工夫としては次のような方法が考えられます。
- 走行距離を減らす(まとめ買いやカープールの活用)
- 燃費の良い運転(エコドライブ)を心がける
- ガソリン価格の安い曜日・店舗をアプリで確認する
小さな積み重ねですが、年間で見れば意外と大きな節約につながります。
今後のガソリン価格見通し:春以降はどうなる?
専門家の多くは、2026年春にかけてガソリン価格が「一時的な高止まり」を見せた後、やや下落に転じると見ています。
これは、世界的に原油の供給量が増える見込みと、為替市場で円高方向への修正が入る可能性があるためです。
ただし、楽観視はできません。
仮に補助金が完全に終了した場合、価格の下支えが消えるため、世界的な価格変動がそのまま国内に反映されることになります。
つまり、補助金の「クッション」がなくなることで、今後はガソリン価格がより変動しやすくなる可能性があるということです。
政府がどの段階で補助金制度を完全終了するか、そして税制改正をどう進めるかが、今後の価格を左右する大きなカギになります。
エネルギー政策の転換期にある日本
日本は2050年カーボンニュートラルを掲げており、ガソリン車から電気自動車(EV)への移行が進みつつあります。
この流れの中で、化石燃料への依存を減らす方向性は明確ですが、現時点ではEVの普及率はまだ全体の2割未満。
ガソリンは依然として生活に不可欠なエネルギー源です。
そのため、短期的にはガソリン価格を安定させる政策が求められつつも、長期的には化石燃料からの脱却という難しいバランスが求められています。
エネルギー価格の安定化と脱炭素化は、2026年以降の政策課題として注目されるテーマです。
まとめ:1月のガソリン値上げは複合的な要因によるもの
2026年1月のガソリン値上げは、政府の補助金縮小、円安、国際原油価格の変動、そして国内のコスト上昇が重なった結果です。
どれか一つではなく、複数の要因が同時に作用して価格を押し上げています。
今後は国際市場の安定や為替の動向次第で、価格が再び落ち着く可能性もありますが、補助金が完全に終了すれば再度の値上がりも想定されます。
消費者としては、日々の給油価格を意識しながら、無理のない節約や効率的な利用を心がけたいところです。
ガソリン価格の変動は、単なるエネルギー問題ではなく、生活や経済全体を映す鏡のような存在。
1月の値上げをきっかけに、私たちがどのようにエネルギーと付き合うかを改めて考える時期に来ているのかもしれません。
