スーパーの冷凍食品コーナーで、なじみの商品の値札を見て「また値上がりした…」とため息をついた経験、最近ありませんか?冷凍食品は、忙しい私たちの食生活を支える強い味方。なのに、ここ数年、値上げラッシュが続いていて、家計への負担を感じている人も多いはずです。
「なぜこんなに値上げが止まらないの?」
「この先、もっと高くなっちゃうの?」
そんな疑問と不安に、わかりやすくお答えします。今回は、冷凍食品の値上げが止まらない理由を、背景から丁寧にひも解き、今後のお財布にどう影響するのか、その価格動向までを解説していきます。
冷凍食品の値上げは「複合的なコスト増」が原因
結論から言うと、冷凍食品の値上げが止まらない最大の理由は、たった一つではなく、いくつもの要因が同時に、そして継続的に重なっているからです。
メーカーが「コスト増が厳しい」と言うとき、それは単に小麦や野菜が高くなった、という話ではありません。商品が工場で作られて、あなたの手元に届くまでのほぼすべての工程で、コストが上昇しているのです。この「複合的なコスト増」こそが、今回の値上げラッシュの本質です。
理由1:原材料価格の高騰が続く
まず、一番わかりやすい原因が「原材料費」の上昇です。これは、冷凍食品に限らずほぼすべての食品に共通する大きな圧力となっています。
特に大きな影響を与えているのが、以下の点です。
・穀物全般の価格上昇
冷凍チャーハンやおにぎりなど、米を使った商品はたくさんありますよね。実はこの米の価格が、ここ数年で大きく上昇しています。生産コストの上昇や、加工食品用の需要の高まりが背景にあります。パスタやピザの生地の原料となる小麦も、国際的な需給や為替の影響で高値が続いています。
・具材になる野菜や肉、魚も
冷凍食品の具材は多種多様です。野菜は天候不順による収穫量の変動が価格に直結します。また、から揚げやハンバーグに使われる鶏肉や豚肉も、家畜の飼料となる穀物価格の上昇が響き、価格が下がりにくい状態です。
つまり、冷凍食品の「中身」そのものを作る費用が、全体的に上がり続けているのです。
理由2:製造と流通を支える「見えないコスト」も増加
原材料が高くなっただけではありません。それらを加工して「冷凍食品」という形にし、店頭まで運ぶ過程でも、あちこちでコストが跳ね上がっています。
・工場を動かす「エネルギー代」
冷凍食品の製造工場では、食材を急速冷凍したり、保管したりするために、大量の電気が必要です。また、加熱調理の工程ではガスも使います。ここ数年、電気代やガス代は世界的に高騰しており、これが製品価格に大きな影響を与えています。
・欠かせない「包装資材費」
冷凍食品は、品質を保ち、保存するために個別の包装が不可欠です。この包装フィルムや、外箱の段ボールの価格も上昇を続けています。資材価格の高騰は、実は値上げ理由として非常に高い割合を占めているのです。
・物流コストの大幅アップ
「物流の2024年問題」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。トラックドライバーの労働環境改善のための法改正により、物流業界の人手不足とコスト増が加速しました。さらに、冷凍食品は通常の商品と違い、低温(クール便)で配送しなければならないため、その分の特別な設備と燃料が必要で、物流費は一段と高くなっています。
理由3:人件費の上昇と消費者行動の変化
もう一つの構造的な要因が「人件費」です。多くの食品メーカーが、最低賃金の引き上げや人手不足を背景に、人件費の上昇を理由に値上げを発表しています。これは、工場で働く方々の賃金を確保するためにも必要な措置ですが、その分が製品の価格に反映せざるを得ない状況です。
一方で、メーカーは値上げをすれば売れ行きが落ちるかもしれない、という大きなリスクとも向き合っています。
・敏感になった消費者のお財布
長期にわたる物価高で、私たち消費者は価格に非常に敏感になっています。「以前は300円で買えたのに350円になった」というだけで、手に取るのをためらう人は少なくありません。メーカーは「必要な値上げ」と「売上減リスク」の間で、非常に悩みながら価格を設定しているのです。
このせめぎ合いの結果、一時期のような「一斉ドーンと値上げ」ではなく、時期をずらしたり、商品ごとに慎重に値上げしたりするといった動きが2026年には強まっています。
冷凍食品の今後の価格動向はどうなる?
では、気になる今後についてはどうでしょうか。冷凍食品の価格はこのまま上がり続けるのでしょうか?
短期的には、2026年は値上げのペースが少し落ち着く可能性があります。その理由は主に2つです。
- 企業の戦略的な調整:メーカーも消費者の「値上げ疲れ」を感じ取り、一気に価格を上げるのを控え、様子を見る姿勢が出てきています。
- 一部原材料の安定化:コメなど、一部の原料については供給不安が和らぎ、価格が落ち着く見通しも一部で出始めています。
しかし、油断は禁物です。先ほどお話ししたエネルギー代や人件費、物流費といった「構造的なコスト増」は簡単には解消されません。これらの問題は、世界の情勢や国内の社会構造に根ざしているためです。
つまり、2026年は激しい値上げラッシュがひと段落する「静かな期間」かもしれませんが、その間に次のコスト増の圧力がじわじわと蓄積されている、とも言えるのです。
私たち消費者にできること:賢く付き合うためのヒント
値上げの流れそのものを個人で止めることは難しいですが、賢く付き合って、家計への影響を少しでも抑える方法はあります。
・「値ごろ感」を意識してみる
値上げが続く中で、多くの消費者が注目しているのが「タイパ(時間対効果)」や「コスパ」です。単品の価格だけでなく、容量あたりの単価や、手間を省いてくれる度合いを考えて選んでみましょう。大容量パックや、スーパーのトップバリュ(PB)商品は、比較的「値ごろ感」が保たれている傾向があります。
・「実質値上げ」に注意を払う
「価格は変わっていないのに、なんだか量が少ない?」。そう感じたことはありませんか?これは、内容量を減らして価格を据え置く「実質値上げ」と呼ばれる手法です。購入時には、価格タグだけでなく、100gあたりや1食あたりの単価、内容量の表示にもしっかり目を向ける習慣をつけると、本当にお得なのかが見えてきます。
・買い物のタイミングを考える
多くのメーカーは、値上げ後に販売数量が落ち込んだ商品に対して、特売で一時的に価格を下げることがあります。定期的に冷凍食品コーナーをチェックして、お気に入りの商品が特価になっていないか探してみるのも手です。
まとめ:冷凍食品の値上げが止まらない理由とは?
冷凍食品の値上げが止まらない理由は、ひとつの要因ではなく、「原材料」「エネルギー・包装」「物流」「人件費」という複数のコストが連鎖的に上昇していることにありました。これらは短期的に解決できる問題ではなく、私たちはこの「値上げの時代」と、しばらく付き合っていく必要がありそうです。
だからこそ、ただ不安がるだけでなく、実態を理解し、自分なりの賢い選択をしていくことが大切です。冷凍食品は、忙しい現代の暮らしを支える便利で大切な選択肢。価格の動向に目を配りつつ、これからも無理なく、美味しく食卓に取り入れていきたいですね。
