「グランツ トリプルウッド スモーキーが終売になったらしい」と耳にした人も多いのではないでしょうか。手頃な価格ながらスモーキーな風味が楽しめる一本として人気だっただけに、残念に感じている方も少なくありません。この記事では、終売の真相や再販の可能性、そして代わりに楽しめるおすすめウイスキーについて、わかりやすく解説していきます。
グランツトリプルウッドスモーキーとはどんなウイスキー？
まずは「グランツ トリプルウッド スモーキー」がどんなウイスキーだったのかを簡単におさらいしておきましょう。
スコットランドの老舗蒸溜所「ウィリアム・グラント＆サンズ社」が手掛けるブレンデッドスコッチ「グランツ トリプルウッド」。そのシリーズのひとつとして登場したのが「トリプルウッド」シリーズです。
この“トリプルウッド”という名前は、3種類の樽を使った熟成方法に由来しています。
- ヴァージンアメリカンオーク樽
- リフィルバーボン樽
- アメリカンオーク樽（再使用樽）
これら3種類の樽で熟成した原酒をブレンドすることで、深みのあるコクと柔らかな甘み、そしてバランスの取れた口当たりを生み出しています。
その中でも「スモーキー」は、通常のトリプルウッドに比べてピーテッドモルト（スモーク香を持つ原酒）を多く使用。ほのかな燻香と甘いバニラ香が調和した、ライトスモーキーな味わいが特徴でした。ハイボールにしても香りがしっかり残るため、普段使いの一本として人気を集めていました。
グランツトリプルウッドスモーキーはなぜ終売になったのか？
気になるのは「なぜ終売になってしまったのか」という点です。
公式サイトでは明確な終了告知は出ていませんが、日本国内ではすでに多くの販売店が「終売」「販売終了」と明記しており、事実上の流通終了となっています。
その背景にはいくつかの要因が考えられます。
1. 世界的なラインナップ整理
グランツブランドは2018年に大幅なリニューアルを行い、従来の「ファミリーリザーブ」を「グランツ トリプルウッド」へと刷新しました。同時に新ラインとして「グランツ トリプルウッド スモーキー」「ラムカスク」「シェリーカスク」などが発表されましたが、近年は再びラインナップが絞られつつあります。ブランド全体をよりシンプルに整理する流れの中で、スモーキーが姿を消した可能性があります。
2. 国内需要の減少
グランツは日本でも根強い人気を持っていますが、より華やかな香りや飲みやすさを重視する層が増えたことで、スモーキータイプの需要が限定的になったことも一因と考えられます。
特に手頃な価格帯では「飲みやすさ」重視の傾向が強く、ピート香のある銘柄は好みが分かれやすいジャンルです。
3. 原酒やコストの影響
ウイスキー需要の高まりにより、原酒不足や輸入コスト上昇が業界全体で問題となっています。スモーキーなブレンドには特定のピーテッド原酒が必要なため、供給バランスの難しさも終売の要因として考えられます。
こうした複数の要素が重なり、結果的に「グランツ トリプルウッド スモーキー」は市場から姿を消したと見られます。
現在の入手状況と再販の可能性
現在、国内正規ルートでの新規販売は行われていません。
大手ECサイトや量販店でも「在庫限り」「販売終了」の表示が並び、既に新規出荷は止まっています。海外通販でも“discontinued（生産終了）”と表記されており、世界的にも流通が終了していると見てよいでしょう。
では再販の可能性はあるのでしょうか？
残念ながら、現時点でメーカーから再販予定の発表はありません。
ウイスキー業界では限定的な復刻や特別ボトルの再リリースが行われることもありますが、トリプルウッドスモーキーに関してはそのような動きは見られません。再販を期待するよりも、現時点で手に入る在庫を探して確保しておくのが現実的です。
ショップによってはまだ在庫を持つところもあり、価格は上昇傾向ながら購入可能なケースも見られます。終売を知ってまとめ買いするファンも多いようです。
味わいと魅力をあらためて振り返る
スモーキー版の魅力は、なんといっても「手頃な価格でスモーキーな香りを楽しめたこと」。
アイラモルトのような強烈なピートではなく、バニラやキャラメルの甘みの中にほんのり漂うスモーク。
この“やりすぎない燻香”が、初心者から愛好家まで幅広い層に受け入れられました。
香り
キャラメル、ハチミツ、トフィー、そして控えめなスモーク。グラスに注ぐとすぐに甘香ばしい香りが立ち上ります。
味わい
口当たりはなめらかで、甘みが広がった後に軽いスモーキーさが追いかけてくる印象。
全体的にバランスが良く、クセが少ないのが特徴です。
余韻
ほのかにビターでオーク香が残り、余韻は中程度。ハイボールにしても香りが負けず、ソーダ割りでも美味しく飲める点も高評価でした。
「本格的なスモーキーウイスキーはちょっと重い」という人にとって、ちょうどいい塩梅の1本だったのです。
グランツトリプルウッドスモーキーの代わりにおすすめのウイスキー
終売となった今、代わりになるウイスキーを探している人も多いでしょう。ここでは方向性の近い銘柄をいくつか紹介します。
ティーチャーズ ハイランドクリーム
スモーキーさとモルティな甘みを両立させた定番ブレンデッド。グランツスモーキーよりも少しピートが強めで、価格帯もほぼ同程度です。ソーダ割りでもしっかり香ります。
ホワイトホース 12年
こちらもスモーク香とまろやかな甘みが共存する一本。アイラモルト由来のスモーキーさがあり、飲みやすさとコクのバランスが魅力です。グランツスモーキーの“柔らかいスモーク”が好きだった人にぴったり。
グランツ トリプルウッド 12年
同ブランド内での上位モデル。スモーキーさは控えめですが、熟成による厚みとオークの深みが増しており、代替候補として十分満足できるクオリティです。「もう少しリッチに」という方におすすめ。
終売品を手に入れるときの注意点
終売品を探す際は、いくつかの注意点も押さえておきましょう。
- 在庫限りで価格が変動する
販売終了後はプレミア価格になることも。複数店舗を比較して妥当な価格を確認するのがポイントです。 - 並行輸入品や個人出品に注意
状態の悪いボトルや保管環境が不明な商品もあるため、信頼できる販売店で購入するのが安心です。 - 保管よりも早めに楽しむ
ブレンデッドウイスキーは長期熟成タイプではないため、コレクションよりも早めに開けて味わうのがベストです。
終売後は在庫がどんどん減っていくので、「またいつか飲もう」と思っていると入手困難になる可能性もあります。気になる方は早めの確保がおすすめです。
グランツトリプルウッドスモーキー終売のまとめ
「グランツ トリプルウッド スモーキー」は、3樽熟成による豊かなコクと、ほんのりとしたスモーキーさが特徴のブレンデッドスコッチでした。
しかしブランド再編や需要変化などを背景に、現在は国内外ともに流通が終了しています。
再販予定は発表されていないため、手に入れるなら今ある在庫限り。
スモーキー初心者にもおすすめできる貴重な1本だけに、飲んだことがある人もまだの人も、もし見つけたらぜひ試してみてください。
そして、もしもう手に入らない場合は、ティーチャーズ ハイランドクリームやホワイトホース 12年など、同じように手頃でスモーキーな代替ウイスキーを楽しむのもおすすめです。
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