ウイスキー好きのあいだで長年親しまれてきた「ロバートブラウン」。一部では「終売したらしい」「もう買えないの?」といった声が広がっています。この記事では、そんなロバートブラウンの販売終了の真相や背景、そして今後の入手方法についてわかりやすく紹介します。
ロバートブラウンとは?国産ウイスキー史を支えたブレンデッド銘柄
ロバートブラウンは、キリンビールが1970年代に展開を始めた国産ブレンデッドウイスキーの代表格です。
当時、世界的なウイスキー企業「シーグラム」との提携によって誕生したブランドで、1974年に国内で発売されました。製造を担っていたのは静岡県御殿場市の「キリン・シーグラム御殿場蒸溜所」。ここは現在の「キリンディスティラリー御殿場蒸溜所」にあたります。
発売当初から「スコッチのような上質さと日本人の味覚に合うまろやかさ」を兼ね備えたブレンデッドウイスキーとして人気を集め、家庭用から業務用まで幅広く流通しました。ボトルの釣鐘型デザインや重厚感のあるネーミングも印象的で、「昭和のバーには必ず置いてあった」と語るファンも多い銘柄です。
「終売」の噂が広がった理由
ロバートブラウンの終売がささやかれるようになった背景には、いくつかの要因があります。
まず、かつて販売されていた上位モデル「ロバートブラウン スペシャルブレンド」や「ロバートブラウン スーパークリーン」がすでにメーカー終売となっていることです。これらは20年熟成のモルト原酒を使うなど、原料・製法にこだわったプレミアムラインでした。しかし、原酒確保の難しさや製造コストの上昇などの影響で、2010年代後半までに生産終了しています。
一部の酒販店では「メーカー終売のため在庫限り」との表記がされており、この情報がSNSなどを通じて拡散。「ロバートブラウン=終売」という誤解が広がった形です。
実際のところ、ブランドそのものが完全に終了したわけではなく、レギュラー版のロバートブラウンは今も一部で流通が続いています。ただし出荷量は少なく、店頭で見かける機会は年々減少しています。
なぜロバートブラウンは縮小・終売傾向にあるのか
ウイスキー市場全体を見ても、ここ数年は「原酒不足」と「ブランド整理」の波が続いています。特に長期熟成タイプのウイスキーは、需要の高まりに対して供給が追いつかない状況です。
ロバートブラウンも例外ではなく、上位モデルに使用していた熟成原酒の確保が難しくなったことが大きな理由と考えられます。また、キリンは「富士」「御殿場」「富士ウイスキー」などのプレミアムブランドに注力しており、ラインナップ再編の一環として、古いブランドを整理する動きが出てきたとも見られます。
さらに、ウイスキー市場の消費者層が大きく変化したことも背景の一つです。昭和から平成にかけてはハイボールや水割りで親しまれたロバートブラウンですが、近年はシングルモルト志向やクラフトウイスキーブームが加速。時代とともに嗜好が変化する中で、ロバートブラウンのような“正統派ブレンデッド”の存在感が薄れていったのです。
現在入手できるロバートブラウンは?
では、いまロバートブラウンを手に入れたいと思った場合、どこで購入できるのでしょうか。
まず、正規販売ルートとしては一部の酒販店やオンラインショップで在庫が残っているケースがあります。大手通販サイトでも「ロバートブラウン 720ml」「ロバートブラウン 4Lペットボトル」などが販売中のこともあり、完全に消えてはいません。ただし「終売予定」「在庫限り」と表記されていることが多く、安定供給は期待しにくい状況です。
また、過去に発売された「ロバートブラウン スペシャルブレンド」「ロバートブラウン スーパークリーン」などの終売モデルは、すでに新品流通がほぼ途絶えており、入手するには中古市場を探すしかありません。メルカリやヤフオクなどでは未開封ボトルが出品されており、価格は状態にもよりますが3,000〜10,000円前後が相場です。特に「特級表記」や「陶器ボトル」などの古い仕様はコレクター人気が高く、プレミア価格が付くこともあります。
購入時に注意したいポイント
終売ウイスキーを購入する際には、いくつか注意点があります。
- 保存状態の確認
古酒は液面の減り(エンジェルズシェア)やコルクの劣化が起きている場合があります。写真で液面が低いボトルは要注意です。 - 真贋のチェック
人気の終売銘柄は偽物や詰め替えボトルが出回ることも。封印シールやキャップの状態を必ず確認しましょう。 - ラベル表記の違い
ロバートブラウンには「特級」「1級」「Jr」など、時代ごとのラベル表記違いがあります。自分が求めるモデルを明確にしておくと安心です。 - 販売者の信頼性
フリマアプリでは個人出品が多く、保存環境が不明なケースもあります。できれば専門の古酒ショップや酒販業者から購入するのが安全です。
ロバートブラウンを楽しむためのおすすめの飲み方
手に入ったロバートブラウンをどう味わうか。終売が噂される今こそ、原点の味わいを改めて堪能したいところです。
クラシックなブレンデッドらしい穏やかな香りと、スムーズでバランスの取れた口当たりが特徴。ストレートではやや穀物感が強く出るので、ハイボールやロックで楽しむのがおすすめです。特にハイボールにすると、ウッディな香りと軽快な飲み口が際立ち、昔ながらの洋酒バーを思い出させる味わいになります。
また、同じキリン系列の「富士山麓」「富士ウイスキー」と飲み比べてみると、時代ごとのブレンド傾向の違いが感じられて面白いでしょう。
終売品の価値とコレクター需要
近年、終売ウイスキーの人気が高まっています。サントリーの「ローヤル旧ラベル」やニッカの「オールド特級」などと同様に、ロバートブラウンも“昭和の国産ウイスキー文化を象徴する1本”として再評価が進んでいます。
特に「特級表記」「陶器ボトル」「ロバートブラウン スペシャルブレンド20年」などは、既にプレミア化しており、コレクター間で高値で取引されるケースもあります。味わいだけでなく、当時のボトルデザインやパッケージそのものに価値を感じるファンも多く、ウイスキー文化遺産として保存される存在になりつつあります。
今後ロバートブラウンを手に入れるために
これから購入を検討している方は、次の3つのルートを意識して探すと良いでしょう。
- 酒販店・通販サイトの在庫を定期的にチェック
終売品でも倉庫在庫や業務用流通が残っている場合があります。 - オークション・フリマアプリを活用
個人出品のなかには状態の良いボトルも。検索アラートを設定しておくと効率的です。 - 専門古酒店・バーでの取り扱いを確認
希少ウイスキーを扱う店舗では、終売品をグラス単位で提供していることもあります。まずは味わってから購入を検討するのもおすすめです。
ロバートブラウンの「終売」の真相と今後
結論として、ロバートブラウンは「ブランド全体が完全に終売したわけではない」が、「上位モデルがすでに終売し、レギュラー版も縮小傾向にある」というのが現状です。昭和・平成を通じて日本の洋酒文化を支えたロバートブラウンは、今もなお根強いファンに愛され続けています。
今後、新しい形での復刻や限定ボトルの登場も期待されますが、現時点では公式な再販情報はありません。もし見つけたら、それは最後のチャンスかもしれません。手に取った瞬間、あの時代の香りがよみがえる――ロバートブラウンは、そんなノスタルジーを感じさせてくれる特別な1本です。
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