「アイミースーパーソフトが終売した」という話を耳にして、驚いた方も多いのではないでしょうか。
長年このレンズを使ってきた人にとっては、薄くて装用感の良いあの感覚をもう手に入れられないと思うと、不安や寂しさを感じるかもしれません。この記事では、アイミースーパーソフトがなぜ終売になったのか、その背景や時期、そして今後どんな代替レンズを選べばよいのかを詳しく整理していきます。
アイミースーパーソフトとはどんなレンズだったのか
まずは、このレンズの特徴を振り返っておきましょう。
「アイミースーパーソフト」は株式会社アイミーが製造・販売していた長期使用型のソフトコンタクトレンズです。
医療機器承認番号は「20600BZZ00599000」。中心厚0.035mm(–3.00D)という非常に薄い設計が特徴で、含水率は38%。柔らかく、長時間つけていても違和感が少ないことから、多くの愛用者を獲得していました。
「薄くて装用感が良い」「長時間つけていても疲れにくい」「乾きにくい」といった口コミも多く、まさに“ロングセラー”と呼ぶにふさわしい製品でした。
1枚単位で販売されることが多く、ケアをきちんと行えば数カ月〜1年程度使えるタイプ。
使い捨てレンズ全盛の今となっては珍しい“コンベンショナルソフトレンズ”という位置づけです。
アイミースーパーソフトの終売時期
気になる販売終了の時期についてですが、公式サイトおよび販売店の情報を照らし合わせると、少しずつズレがあります。
メーカー公式では「販売終了製品一覧」に掲載されており、販売自体はすでに終了済みです。
一部の販売店によると「2018年8月末で販売終了」、また別の案内では「2020年3月31日をもって販売終了」とされています。
この違いは、メーカーによる製造終了と、販売店での在庫販売期間の差によるものと考えられます。
つまり、製造自体は数年前に終わっていたものの、流通在庫がある限り販売が続いていたという状況です。
度数によっては長く残っていたものもあり、近年になってようやく“本当の終売”を迎えた形となります。
なぜアイミースーパーソフトは終売になったのか
メーカーから明確な理由は公表されていませんが、市場動向や製品特性から見えてくる“終売の背景”はいくつかあります。
1. 使い捨てレンズへの時代の流れ
最大の理由は、コンタクトレンズ市場全体が「ワンデー」「2週間交換」などの使い捨てタイプに完全に移行したことです。
長期使用型のレンズはケアが必要で、衛生面のリスクや手間がネックとされるようになりました。
衛生意識が高まるなかで、洗浄・保存の必要がない使い捨てレンズの需要が圧倒的に伸び、メーカー側もリソースをそちらに集中させています。
2. 製造・品質管理コストの上昇
アイミースーパーソフトは非常に薄い設計で、製造には高い精度が求められました。
レビューの中には「たまに破れてしまうことがある」といった声も見られ、この薄さは快適さの裏に生産ロスや品質管理コストの高さを抱えていたとも考えられます。
採算面からも、限られたユーザー向けにこのタイプを作り続けるのは難しかったのでしょう。
3. 医療機器承認・法規制対応の負担
コンタクトレンズは医療機器としての承認・更新が必要です。
製品仕様が古いモデルの場合、新基準や安全管理体制に合わせるコストがかかるため、リニューアルや更新を見送って販売終了となるケースがあります。
アイミースーパーソフトも、こうした法的・技術的な要因が重なっていた可能性があります。
4. 製造委託先や関連事業の縮小
一部のコンベンショナルレンズでは、製造を担っていた委託工場や関連会社の撤退・事業停止が要因となって終売に至った事例もあります。
長期使用型というニッチな市場の縮小が続く中、こうした供給体制の維持も難しくなっていたと見られます。
終売による影響とユーザーの声
実際に使っていた人の間では「在庫をまとめ買いした」「薄くて装着感が良かったのに残念」といった声が多く見られます。
特に長年同じレンズを使い続けていた人ほど、新しいレンズへの移行には戸惑いがあるようです。
通販サイトでも、「お気に入りがなくなってしまった」「代わりのレンズを探している」というレビューが目立ちます。
また、「在庫が残っていたのでまとめ買いしたけど、次はどうしよう」といった投稿も多く、愛用者の多さと根強い人気がうかがえます。
終売後に気をつけたいポイント
ストック購入は使用期限に注意
終売後に在庫を見つけて購入する場合は、必ず使用期限を確認しましょう。
開封前でも保管環境によって劣化する可能性があります。特に長期保管は避け、定期的に眼科で検査を受けて状態を確認することが大切です。
ケア用品・保存液の互換性
長期使用型レンズを使う場合、保存液や洗浄液との相性も重要です。
アイミー社製のソフトレンズ保存液にも販売終了品が出ているため、今後も使い続ける場合は代替ケア用品の確認が必要です。
レンズだけでなく、周辺用品の供給状況も常にチェックしておくようにしましょう。
無理に在庫を探さず、適合レンズへの移行を
アイミースーパーソフトは独自の薄さ・柔らかさが魅力でしたが、現在は素材技術が大幅に進化しています。
最新のワンデーや2週間タイプでも、装用感が軽く、乾きにくい高性能モデルが数多く登場しています。
どうしても同じ感覚が欲しい場合は、眼科で実際に試してみるのが一番確実です。
アイミースーパーソフトの代替レンズ候補
ここでは、同じように“快適な装用感”を求める人におすすめできるカテゴリを紹介します(特定の商品を推奨するものではありません)。
- 薄型・高含水タイプのワンデーソフトレンズ
最新のワンデータイプは素材が非常に柔らかく、酸素透過性も高いものが増えています。ケアが不要で衛生的です。 - シリコーンハイドロゲル素材の2週間タイプ
酸素透過率が高く、長時間装用しても目が疲れにくいのが特徴。乾燥が気になる人にも向いています。 - アイミー製の現行モデル
同社の現行ラインナップには「アイミーソフトⅡ」「アイミークラシック」などのシリーズも存在します。
フィット感や素材特性が異なるため、眼科で相談しながら検討するのがおすすめです。 - ハードレンズへの移行
長期間の安定使用を重視する人は、ハードレンズという選択肢もあります。メンテナンスがしっかりできる人にはコスト面でも有利です。
いずれの場合も、必ず眼科での検査・処方のもと、自分の目に合ったものを選ぶようにしましょう。
レンズの種類や素材によって、見え方や装用感は大きく異なります。
終売を機に見直したい「レンズとの付き合い方」
長年使い続けてきたレンズが終売になるのは寂しいことですが、それをきっかけに自分の視力環境を見直す良いタイミングでもあります。
目の状態は年齢や生活環境によって変化します。
以前は快適だったレンズが、今では乾きやすく感じたり、疲れやすくなったりすることもあります。
レンズ選びを一度リセットして、改めて“今の自分の目に最適なもの”を見つけることは、長期的な視力ケアにつながります。
アイミースーパーソフトが果たしてきた役割を考えながら、次の一歩を踏み出していきましょう。
アイミースーパーソフト終売まとめ
- アイミースーパーソフトは、薄くて装用感の良い長期使用型ソフトレンズだった
- 製造終了は2018年頃、販売は在庫分を経て2020年頃まで続いていた
- 終売理由は「使い捨てタイプへの移行」「製造コスト」「法規制対応の負担」などが複合的に影響
- 現在は在庫限りで入手困難
- 代替としてはワンデーやシリコーンハイドロゲル系のレンズが有力
- 今後は眼科での相談のもと、自分の目に合った新しいレンズを選ぶのが安心
長年愛されてきたアイミースーパーソフト。
その終売は一つの時代の終わりでもありますが、同時にコンタクトレンズの進化を感じさせる出来事でもあります。
これをきっかけに、今の自分の生活スタイルに合った新しいレンズを探してみてください。
目にとって本当に快適な選択をすることが、次の長い時間を快適に過ごす第一歩です。

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